マイクロエンド(顕微鏡を用いた根の治療)J

さて、洗浄の続きです。

洗浄液をそのまま入れておけばいいのか!?

答えは
No!!
です。

http://www.eedental.jp/blog/archives/2009_2_18_290.html

の写真のように気泡がジャンジャン出ます。
でこの気泡結構根管壁に引っかかっています。

http://www.eedental.jp/blog/archives/2009_2_17_289.html

でも書きましたが根の先端は大きな方で0.35mm
薬剤を入れれば根管の先は気泡が貯まります。


でも先の根管形成(器械的拡大)でも洗浄しやすい形と言うのが存在します。

それは「何」か!?
答え、
テーパーなのです。

テーパー=角度だと思ってください。
例えば、ストローのような角度のないパラレルな所に液を上から垂らしてもストローの中に空気が邪魔をしてしまい垂らした液体はストローの上で止まりますよね。
ですが、漏斗上の入り口が広く先に行くほど尻つぼみの形なら液は先に進みますよね。

ですから根の根管形成も角度が必要なのです。

洗浄液が効率的に洗浄できる形態というのは一昔でテーパー6°
ですが最近はこれ以上必要ではないか!?と

第3世代のニッケルチタンファイルは大体テーパーが7〜8°近く付いているものが多いですね。

私は感染根管においてはテーパーを10°近くつけています。
(師匠に教えて頂いたポイントです)


また、最近言われ始めている事なのですが
『洗浄液を更に効率的に根の先端にデリバリーする』 というのがエンド屋さんの考えで
1、洗浄液を根の先端に圧がかからないように出来るだけ先端近くに入れる
2、洗浄液を出来るだけ根の先端で吸う(吸引)
3、洗浄液を揺らす(音波、超音波)

先日ダグラススキン教授と澤田先生の講演があったので、先生に音波域と超音波域どちらが有効か!?
と質問したら、特に気にすることではないと即答されました(笑)



去年のAAE(アメリカ歯内療法学会)でもDr.G.Johnが動画スライドで根の先端は殆ど洗えていないと示していましたね。
で開発したのが『Endo Vac』
でこれを使うと・・・

「おぉ〜、洗浄液が根の先端を還流している!!」
(商売上手!!)

簡単に『Endo Vac』を言うと
根の先端の方に極細吸引針を入れ、根の近くで洗浄液を吸い込みことで効率良く洗浄液を還流させるシステムです。

久しぶりにAAEでもらってきたカタログ、DVDを見ていますが・・・
いいなぁ〜、色々な道具が開発されて売られている国。。。

それに比べこの冷え切った日本の市場。。。

1つ面白いネタを
私の歯科医院でよく使うMTA5袋入り(1袋1g)
日本で買うと5万5千円
アメリカで同じものを買うと…                        250ドル

半値以下かいぃ〜(泣)
まっ、私は海外通販で買うから4万も出していないですがね^^



あっ、>『Endo Vac』
理想的ですが、まずこの道具4ハンド(歯科医師の手2本+衛生士の手2本)が必要。
超極細吸引針が、絶対直ぐに詰まる。(使ったこと無いけどNC吸わせて放置すればたぶん塩で吸引の穴が死んでしまうのでは!?)
30ゲージの太さ(0.3mm)の先端に穴が12個開いているようで・・・

ランニングコストが気になる。。。
でも欲しい・・・


あっ、写真ですが
NCを入れ音波で揺すっているところです。
赤いプラスチックチップが高速で動いています。(像がブレているのが分かりますかね!?)

今現在、洗浄液を揺らすと言う点にフォーカスを当て、私はエンドアクティベーター(音波)を使用しております。
これは音波で洗浄液で揺らし効率的に洗浄することが出来る道具です。
(これも師匠に教えて頂きました、海外購入サイトまで教えて頂いて・・・、いつもすみませんm(_ _;)m)

日本でも音波で洗浄出来るものが売られていますが、チップが金属で作られていると言うとこが気になります。
根管内を金属で触るとまたスメア層が出来てしまい、せっかく開けた細管が詰まってしまいます。

先日エンドアクティベーターを使っている先生に
「エンドアクティベーターってどう!?」
「チップ長くない、長すぎない!?」

と聞かれましたが、
「あっ、チップのストック滅茶苦茶あるのでチップの先はさみで切って色々長さ変えています」
切れると言う点も金属に勝っている点では^^;

でもなんとなく使いはじめて根管内が綺麗になる時間が短縮出来ている気はしています。


と言っても滅茶苦茶ミニマムなことですよ。
これの100倍仮封(仮の蓋)、ラバーダムの方が大切です。
また根管形成あっての洗浄ですよ(汗;)

結局根の病気は口の中の細菌が歯の中に入り込み悪さをし病変を作ります。
ですから歯の中にまず唾液が入らないようにする必要があります。

・ラバー : 治療中に唾液が入らないようにする道具
・仮封  : 次の治療まで唾液が入らないようにする道具

最近仮蓋もこだわり始めました。(冷やし中華始めましたみたいな^^;)




こんなことをして成功率を1%上げる努力をそいている訳です。
と言うかこれで1%成功率が上がればかなりの儲けものですが^^


では明日、最終的な薬の衝撃的事実を

ショボイですが・・・

 

投稿者 eedental : 21:41 | 歯内療法(エンド)