このサイトはEEDENTALのオフィシャルブログサイトです。石灰化した第4根管 【 動画】
動画 ⇒
http://www.youtube.com/watch?v=5vPbrEpETrI&feature=channel
動画説明
治療歯は左上第一大臼歯になります。
今まで第一大臼歯(奥歯から2番目:親知らずがない人)は3本の神経管が存在していて、3本の神経管を治療することが一般的でした。
保険治療の治療設定費も神経管が
神経管が1本の歯、 5000円ぐらい
2本の歯、 9000円ぐらい
3本の歯、12000円ぐらい
の3パターンの治療費設定があります。
4本目の神経管は・・・
治療費設定がないです。。。!(゜ロ゜)
最近になり極細の4本目の神経管の治療が言われ始めています。
顕微鏡の登場です。
1990年ごろ歯科にも導入がされ初めました。
歯科分野で始めにに導入されたのが歯内療法(根の治療)なのです。
マイクロエンドは20年近く前から行われていたのです_φ(・_・”)
今まで裸眼での治療が行われていたので4本目はあるとされていても極細の4本目が治療できる割合となると・・・
かなり低い割合でした。
私の歯科医院では、根の治療の90%が感染根管処置(バイ菌が貯まって化膿している歯)になりますが、ホントこの4本目の神経管は非常に多くの歯に見つけられます。
*統計では60%ぐらいに見られるとありますが、私の歯科医院では80%ぐらいで見られます。
今回の動画ですが典型的なパターンのものでした。
どのようなものかというと、
『根の治療を受けたのだがなかなか痛みが治まらず腫れてきた』 というものでした。
3本の神経管は非常に上手な治療がしてあったので直に4本目の神経管の存在、細菌感染を疑いました。
で3本目のガッタパチャー(既に入っている薬:ゴム)を取り顕微鏡(マイクロ)で覗いたのですが・・・
「ない・・・」、
「えっ、・・・、ない!?」
たぶん隠れているだけであるだろう。
(洞窟の入口が落石にあい入口が分からなくなっている状態)
そこで消毒剤を入れ発砲してくるか歯の中を顕微鏡で観察( ←ここ裸眼では難しいです)
すると動画の10〜14秒(13秒で止めて!!)にかけて真中(少し右寄り)あたりから大きな発砲が見えてきました。
「あ〜、ここですか!!」
とさてさて、ここからが専門で治療を行っている人間が本領を発揮するところ _ψ(‥ )
顕微鏡の拡大率を8倍から13倍に上げまた観察。
(スコープドックのレンズがカチンと代るのに似ています。 『ボトムズ』知らない人は・・・ DVD買って是非見てくださいm(_ _)m)
Kファイルのマイクロオープナー(金属のヤスリ)で探りを入れ、大体の見当を付け
音波で歯を削って行きます。
ここでは通常の歯を削る道具は使えません。
ホント繊細な細かい作業で動画の30秒あたりで使用しているマイクロオープナー、この先端は0.2mmです。
根の治療において1mmは物凄く大きな単位です。
たまに持つファイルで0.06mmのものもありますが、殆んど使い捨て状態の器具です。。。。。。。。。。。。
音波チップですが、
だいたい0.2〜0.3mmずつ削り確認します( ・_<)σ・・…‐‐‐‐‐
いつも歯を削る道具で削った場合歯に穴を開け ⇒ パフォレーション ⇒ 痛む・腫れる ⇒ 予後不良 ⇒ 抜歯
になる可能性もあるので、音波チップ(金属にダイヤモンドがコーティングされた特殊な道具)で顕微鏡を見ながら少しづつ削って行きます。(動画の38秒あたりから1分過ぎまで使用)
その後またマイクロオープナーで入口を探索していきます。
例え、
洞窟の入口の落石を少し取り除けたので、その隙間から器具を入れ、洞窟の広がりと方向:向きを探ります
1分17秒4本目の神経管の拡大形成が終了しました。
その後1分30秒からまた気泡の観察で大きな発砲がないかチェックします。
稀に第5根管:5本目の神経管が隠れている時があります。
ですから4本目を処置して、もう一度顕微鏡を用いて発砲を見必要があります
今年はまだ第5根管はないですが、去年はこの方法で上顎第1大臼歯で1本見つけました。
1分39秒
その後きっちり最終的なガッタパチャーを詰め終了。
無事痛みも無くなり治療が終了しました。
「安心、安心」 byシロ (鉄コン筋クリート鉄コン筋クリート)
このケースは顕微鏡なしには治療は成立しませんでした。
第4根管は裸眼でも経験と勘で治療することは可能ですが、歯に穴をあけたり、見逃したりとエラーがどうしても出やすくなってしまいます。
注)顕微鏡は見る為の道具です、顕微鏡が治療をする訳ではありませんから顕微鏡がある=良い治療が受けられる歯科医院とは考えないでくださいね。