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第2大臼歯の複雑な根管

マイクロスコープ(顕微鏡)を用いて根の治療をしているとたまに、教科書には載っていない特殊な形態の神経管を見ます。

 

'>http://www.youtube.com/watch?v=tpkeezWqdWk

 

今回の動画もそうなんですが、このような複雑かつ特殊な形態の神経管は手先だけの感覚だけではエラーが出ます。

 

一般の患者さんは少し驚かれるかもしれませんが、奥歯の神経の治療は指先に感じる感覚+感だけに頼って治療を行います。

我々歯科医師は歯の解剖学を学びだいたいどこに大きな神経管があるのかは分っています。

 

ただ細い4本目の神経管などは教科書では学びますが、実際肉眼では見えませんし、分りません。

 

マイクロスコープがあるとこんな神経管の治療を行うことも出来ます。

 

'>http://www.youtube.com/watch?v=20B8Cne9BGo

 

これは完全まぐれですが、

'>http://www.youtube.com/watch?v=5vPbrEpETrI

(昔師匠に教えられた「シャンパンテクニック」:誰がこんなオシャレなネーミングを^^;)

 

注)、マイクロスコープは「高価な虫眼鏡」でこれが治療をしてくれる訳ではありません。

 

 昨日見ていて驚いたのが、

「○○県のマイクロスコープ使っている歯科医院を教えてください」などが多いですね。

 

「マイクロスコープ+ラバーダム」もチラホラ見られますが、完全に歯チャンネルの影響でしょうね^^;

 

先生によっては根の先端まで見える訳ではないので必要ないと思われている先生もおられますが、これを言ったら・・・

我々歯科医師が治療出来ているのは主根管のみであって側枝などの触れない・分らない部分が5割近くをしめるのですから、根の先端までマイクロスコープで見えた所で無意味です。

 

また根の治療においての原則

「歯の上の部分の処理が出来なければその先(下)の神経管は処理できない」

に当てはめれば上が見えることこそに価値があり、上の問題を治療して下に進むの繰り返しで綺麗な根管治療が出来ると思います。

 

 

その昔、勤務医の頃

診療が終わると週に2回ぐらい師匠と飲みに行っていたんですが、 ほとんどずぅ~とエンド(根管治療)の話をしていましたが、

 

根の治療ってゴルフに例えられるんですよ。

根の治療は根の先端を目指す = ゴルフはカップを目指す

 

Q1、難コースのパー4のラウンドで一か八かでグリーンへワンオンを目指しますか!?

Q2、ティーグランドでサンドウエッジを握りますか!?

Q3、グリーンが見えない深いバンカーからカップを目指しますか!?

 

私の考え

A1、2打目が打ちやすい場所を考えます。 

A2、コースによってドライバー、アイアンを使い分けます。

A3、一度グリーンが狙いやすい場所に出します。

歯で言うと

A1、根管の上部の処理を行い、根尖(根の先)に道具が届くようにします。

A2、単純な歯ではいきなりハンドファイルを握りますが、難度が高い歯(奥歯)では超音波を握ります。

A3、レッジが出来たらファイルの種類をもう一度細いものに変えレッジの修正を行う。(根尖方向へは作業を進めません)

 

 その他、色々例えられるのですが、

その判断を『感』任せにおこなうのか、それとも視野の拡大を行い、『客観的』に判断を行うのかの違いがあります。

 

今回のケースもそうですが、 

見えるということは非常に大切なことなのです。

 

 

上7 術前.jpg 上7 術後.jpg 

 

 

 

 

 

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