Home > 歯内療法日記 > Transient Apical Breakdown 「トランシエット アピカル ブレークダウン」

Transient Apical Breakdown 「トランシエット アピカル ブレークダウン」

3月13日に中村教授(愛知学院大学 歯内治療学講座)の講演を聞きに行っていました。

 

中村教授の話で興味深かったのが

 

「トランシエット アピカル ブレークダウン」

(TAB)って何ぞや!?

一過性に壊死に至った歯髄が元に戻る。


現象のことです。 

 

*これ書いちゃうと勘違いする患者さんが出てきてしまいそうで少し怖いですが。。。

 

 

 


  

メモってきたことを、

 

『外傷により、歯髄が壊死を起こし根尖病変が出来ても、根尖(根の先)の歯根吸収が起こり根尖が広がった後に歯髄が再生することがあるそうです。

その後、根尖の病変は治って行くそうで、その際電気歯髄新で無反応だった歯髄も健康な歯髄反応に変わる』

 

とのことです。

 

 一般の方には難しいですね、

簡単に言うと、「衝撃で一度死んだ神経も稀に生き返る時がある」と言うことです。

 

中村先生の話では、「TAB」(トランシエット アピカル ブレークダウンって長い!!)

・亜脱臼

・歯髄壊死、歯の変色(オブリタレーション

・根尖部の歯根吸収

・根尖孔の拡大

・歯髄腔の狭窄

・脈管系の増殖

を見るといいそうです。

 

多少の違和感、打診ぐらいなら様子見でいいそうです。

愛知学院大学では9ヶ月ぐらい様子をみているそうで、スライドであった症例でも

外傷歯2本の歯の経過をみていましたが、1本はTABで何もしなくても治癒して、もう1本は完全に神経が死んでしまい根管治療になっていました。

 

 

 

このような報告は過去にも

Andreasen先生の論文

日本外傷歯学会の報告があるそうで

 

気になる、『成功率は60%』程度だそうです。

 

 

話を聞くと、「へぇ~、凄い!! こんなことが起こるんだ」と思いました。

 

 

一般の方へ、

このTABは一応『外傷歯』(転んで前歯をブッた)が適応みたいで、虫歯が出来て歯髄が死んだ歯には該当しませんので注意して下さい。

 

虫歯・歯の治療後に起こるものは「壊死」ではなく「壊疽」です。

「壊疽」は歯の中に細菌が入ってしまっているのでうまくは行きませんので治療対象外になります。

 

 

過去一度あったんですが、大きな虫歯があり根尖病変が出来てしまった方が、

MTA直接覆髄で治してください!!」

 

さすがに無理ですよと説明させて頂きましたが、40分ぐらい何とかならないのか言われた覚えが・・・

 

 

転んで前歯を打ってしまった方は大学などの専門機関を受診して頂くとこのような治療が可能な時もあります。

 

 

Home > 歯内療法日記 > Transient Apical Breakdown 「トランシエット アピカル ブレークダウン」

Calendar
« 2011 3 »
S M T W T F S
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
Archives
Links
Search
Feeds

Return to page top