- 2011年11月 8日 20:41
- 歯内療法日記
今日は始発の新幹線で豊橋まで帰ってきました(^∀^)
いやぁ~、趣味の分野に近い勉強は面白い!
(趣味の分野しか仕事にしていませんけど・・・)
今回は『見えると気になるイスムス』
図【イスムス】
*イスムスとは神経管と神経管をつなぐ溝のことなのですが、
いかんせこの溝、小さくて幅は約0.1mmぐらいしかありません。
裸眼で注意深く見ると、イスムスがあるのか・無いのかまでは確認出来ます。
しかし、イスムスのすき間が綺麗になっているか分りません。
この部分にも神経がありしっかり掃除出来た方が良い訳です。
図、今年の4次流用スライド
イスムスが出やすい場所は決まっているようで、
・上顎4(上顎第一小臼歯)
・上顎6(上顎第一大臼歯:近心頬側根)
・下顎6(下顎第一大臼歯:近心根)
に見られやすいとのこと、
2本の神経管が近接する場合は疑った方がいいようです(。-`ω-)
興味深いことに!
イスムスが見られやすい歯は、歯根破折も多く見られる傾向もあります。
昨日の吉岡先生のエンドセミナーは個人的に興味がある歯根破折のネタが多く非常にためになりました!( ^-^)
しかし、歯根破折の診断は難しい。。。
(これもブログで書こうと思って数ヶ月放置していますが^^;)
吉岡先生:色々な意味でオタクな人です(笑)
「レゴが凄いんだって!」
「昨日それ、3回聞きました」
話を戻して、
イスムスは歯の上の方に多くの場合で現れ、
若い方には多くの場合で見られそういです。
*年齢を重ねると神経に石灰化が起こりイスムスが無くなる傾向があります。
出来れば、このイスムス部も掃除した方がいいと思うんですが、この0.1mmの部分をどう掃除するか!?(p・Д・;)
先端が0.5mmの激細の道具で削るか!?
削れば歯の中は空洞状態になり、破折のリスクが上がるかも。。。(´ヘ`;)
↑こんなにするにはどうするのか!?
実は先に書いた上顎4、下顎6近心 上の写真のように真ん中あたりがウエストのようにくびれがあり・・・、クビレがない人もいるので元い
「8」の字のようにくぼんでおり、下手に大きく削ると・・・
ストリップパーフォレーション(歯の変な場所に穴を開ける)や歯の強度が下げてしまい破折などのリスクが更に上がります( ノω< ) アチャー
歯質は出来るだけ残しつつ、余分な感染部分は除去したい・・・
じゃあ、どうするのか!? ̄ω ̄A;
削らず「溶かして」みてはどうでしょう!?
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業務連絡:
「水曜どうでしょう!?」 ならぬ「NCどうでしょう!?」
です大尉!
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私は次亜塩素酸ナトリウム(NC)でネチッコク超音波で洗います(笑)
次亜塩素酸ナトリウムは細菌を殺す薬剤なのですが、『有機質溶解作用』と言って、神経などのたんぱく質を溶かす働きもあります。
死んでしまった神経のたんぱく質は細菌の餌になりますから、先に人間側が除去してしまい細菌の餌を奪う必要があります。
兵糧攻めです。 (三国志では基本)
+この部分を効率的に洗うには音波or超音波などの洗浄器具で液体を揺らしこの部分に液体が効果的に当るようにします。
先日書いた「根管内洗浄」 (無駄に長いです)
水面が揺れているの分りますか!?
洗浄液を入れて待つのではなく、同じ時間なら効果的に洗浄した方がいいですよね!( ・∀-)☆
私のイスムスの処理の仕方は、極細の超音波を使用して小さく削る+溶かすのアプローチをしています。
こう治療していくとあることに気がつきます。
2つの穴(神経管)が近接している場合、多くの場合でその2根は繋がっています。
先日書いたもの:http://eedental.fine.to/eeblog/2011/08/post-336.html
例えばこんなケースは2本のように見えても繋がっている場合が多いです。
(↑上の歯、下顎の犬歯です)
2本の穴ではなく、2本の穴がお互いに何箇所かで交通しており「あみだくじ」状になっています。
入り口
出口
でもね、歯は立体なので実際は、上の図ではなく
↑こう言った立体あみだくじなんですよ。
歯の分りやすい画像で言えば、
これ全て神経を削って綺麗にできるのか!?(>∀<;)
「120%無理!! 取れる気がしません」( -ω- ;)ゞ
頼みの綱の顕微鏡も。。。
顕微鏡で見えるって限られた範囲です。。。(><;)
(でも個人的には無いよりあった方が良い1アイテムだと思っています)
では仮にここが綺麗になったとしましょう( ̄∀ ̄;)
で、このイスムスの空間に根充剤と言う最終的な薬:ガッタパチャー(ゴム)を詰める訳ですが・・・
またこのイスムスには根管充填剤(ゴム)は入りにくい!
吉岡先生に宿題で出された歯牙模型
2本の神経管が歯の先端で繋がり大きな三角の形の神経管に
この部分はやはり軟化ガッタパチャーを使わないと上手く入りませんね!
今回はイスムスでも、マニアックに
『下顎の3番(糸切り歯)』のイスムス
(発現率:約10%前後)
2本の神経管がありましたが上から下まで細い神経で2本が繋がっていました。
実は、この歯パフォレーション(歯の横に穴があくこと)も治しました。。。
イスムスとは関係ありませんが・・・
ポスト、タービンで削らないでm(_ _;)m
意外と多い土台形成時のパフォレーション。。。
ポスト部分って新しめのエアースケーラーで形成すると安全に綺麗な形体で作れます。
根尖付近にイスムスが出てくることも
石灰化が起こったような歯はイスムスはない場合もあります、
(レントゲンはなかったケース)
何にせよ、できるだけ消毒液(次亜塩素酸Na)を
根管内に長時間入れておいて溶かしてしまった方がいいですね!
あまりNCで洗い過ぎると象牙質がダメージ受けるとも聞きましたが (p・Д・;)アセアセ
イスムスがあるか無いかは根管内に洗浄液(次亜塩素酸Na)を満たして、どちらか1根根管ないバキュームなど極小の吸引器などで液体を吸えば液体の動きでイスムスの有無は確認できます。
(言葉にすると難しそうですが、一度見れば誰でもできます)
このローテクな方法が意外と発見しやすい方法なのです!d(・∀<)
またイスムスが、あるか・無いかでも根管充填法を変えていますね。
(それはいつか書きます。。。)
歯内療法は専門でしているので、ケースbyケースで色々な根管充填方法を多様化しています(;^皿^)
書き始めてほぼ6カ月放置していた「イスムス」でした・・・
暇な時に足して行く予定・・・
未定だけど。。。