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歯内療法日記: 2009年12月アーカイブ

原因不明の痛み (実は隠れた神経管が!)

左下の大臼歯(第1大臼歯)治療を続けていたも、痛みが引かないとのことで紹介を頂きました。

 

レントゲンを見ると確かに病変(膿の袋)がありました。

 

術前(顕微鏡 ×13倍)

1.jpg

*歯の中を顕微鏡で拡大して見ています。

 

きちんと根管形成などしているようなのですが、顕微鏡で覗いてみると

ん〜、なぁ〜んか怪しいなぁ・・・(゚ω゚)(。_。)           (お考えください)

 

怪しい所を顕微鏡を見ながら音波で削っていくと・・・

2.jpg

 

2本の神経管の間にKファイル(0.06mmの金属のヤスリ)が入っていきました。

 

*解剖学的に言ってこの場所に神経管があることは珍しいです。

 

 全ての歯で顕微鏡を使用して治療していますが、ここに神経管があるのは年に1本ぐらいの割合です

 

その極細の神経管を掃除していくと・・・ 

3.jpg

 

ビンゴ (-ω-*)

ファイルが入った所を慎重に根管形成(Ni-Tiファイル)すると が溢れ出てきました。

 

歯の中から膿って出てくるんですよ^^;

例えば⇒http://www.youtube.com/watch?v=MFm6Tf2te_Y

 

今回の場合は幸いにも、10分もすると膿は止まってくれました。

歯ぐきの中の膿の圧力で痛みが出ていたのかもしれません(´-ω-`)

 

 

消毒、根管形成後

4.jpg

下の方に 黒い丸いが3つ あるのが分るでしょうか!? 

 

本来ここの場所には黒い丸は2つ(神経管は2本)なのです。

1本の根に3本神経管が現れることは非常に珍しいです。

 

専門で行っていても年に1本ぐらいしかない珍しい症例でした(。゚ω゚)

 

こういったケースは拡大して歯の中をみてみないと分らないケースです。

凄いな顕微鏡!!

  

 

 

これで痛みが引いてくれれば年明けに根の治療は終了になります(・∀・)ノ

(今回の治療時間:1時間半 )

 

基礎が大事

外傷で前歯を折ってしまい、神経が残せないか経過を診られていたのですが、左上の前歯1本は神経が壊死してしまい・・・

根管治療が必要になってしまいました。

 

術前 レントゲン

CI3.jpg

神経が死んでしまい膿が骨を溶かし病変を作っています(T.T)

 

 根管治療をおこなうと、患者さんはまだ若く根の先端が大きく開いてしまっていましたので根管充填を少し工夫して行う必要が出てきました。

 

MTAセメントを用いて根管充填(アピカルバリアテクニック)することにしました。

http://www.youtube.com/watch?v=OqWRJvVoeLk

 

根管充填後

  CI5.jpg  

白い部分がMTA

 

レントゲンでMTAがきちんと入っていることをレントゲンで確認します。

「OK」非常に綺麗に入りました!!(≧∇≦)

 

*MTAは一度固まるとガチガチに固まるのでその日のうちに綺麗に入るまで根管充填します。

今回はたまたま綺麗に入りましたが、たまに先端まで入っていないことがあるのでそう言った場合その日のうちにやり直しを行います。

 

アピカルバリアテクニックは色々とコツがあるのですが、秘密にしておきます(・m・)

 

その後、空間にガッタパチャーを入れて

術後

図1.jpg

オレンジ:MTA

青色:ガッタパチャー

赤色:レジン(オペークA1)

 

MTAの上にガッタパチャーを入れその上に色を遮光する真っ白なレジンを詰める3層構造にしました。

*今私が使用しているMTAは元々白い色なのですが、

たまに硬化すると黒変することがあるのでMTAは下の位置までしかいれません(・д・)

 

黒変する理由色々調べてみても報告が上がっている程度で分らないんですよね。。。

メーカーに聞いても。。。(と言うかメーカーが分からないって・・・(▼_▼)) 

既に3ケース(直接覆髄2本、MTA根充1本)黒く多少変色しているものが私の歯科医院ではあります。

 

 

MTAが黒くなると歯の見た目が悪くなるので、そのまた補正でオペークレジン(色を遮断する特殊なレジン)で念を入れて( ´^ิー^ิ`)

 

また、レジンを詰めたもう1つの理由は、歯の色を少し白くしたかったのでインターナルブリーチを行う際にホワイトニング材が歯の先端の方向に漏れ出さないためレジンでシールを行います。

(歯科治療において、保険は出来るだけかけておきます、何かあった際のリカバリーは非常に厄介で手間も数倍かかりますから^^;)

 

以上ここまでが基礎の治療

ここの治療次第で上の白い部分が長く持つかが決まってきます(。≖ิ‿≖ิ)

 

歯を長持ちさせるには白いセラミックを入れれば良い訳ではなく、日本では全く評価の対象にならない歯ぐきの下の処置がポイントになります!!(-□-+)

 

 

この後、ホワイトニングを行い少し歯のベースを白くして、レジンのビルドアップを行っていきます。

 

 

 

レジンのビルドアップ症例はまたいつか☆(^∀^)ノ~~

http://eedental.jp/eeblog/2010/01/composite-front.html

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歯内療法 症例

 

up24194.jpg

 

開業して2年6ヶ月が経ちそろそろ感染根管の治癒レントゲンが貯まってきたので

新たな症例ページを作ろうかと計画中

 

抜髄症例もあるのですが・・・

専門でしているので根管充填は入って当たり前で綺麗に入るまで行うので

あまり見せ場がないと言うか・・・

 

気づくと抜髄、今年は10本ぐらいしかしていないですね^^;

 

 感染根管9.5 : 抜髄0.5 みたいな割合でしょうか

 

2年半の間に、たまたまうまく行ったカッコイイ症例10を作ります!!

 

 

 

たぶん3月ぐらいにはお見せ出来るように頑張ります。

 

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