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歯内療法日記の最近のブログ記事
矯正治療中の痛み
- 2024年12月 4日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは当時30代の女性
矯正治療を行っている最中に痛みが出たことにより、近医の歯科医院で根管治療スタート
旦那さんがEEデンタルの患者さんで旦那さんからの紹介で当院受診
レントゲン
クラウンと土台を外した状態なのですが、特に根尖病変などは見られません。
来院時痛みは治まった状態でした。
患者さんに途中までの状態なので、とりあえず根管治療の続きをしましょうと説明し治療スタート
1回目に虫歯を除去して、隔壁と根管内の人工物を除去を行い根管内洗浄
治療2回目 特に痛みはないとのことで根管充填+レジンコア+仮歯まで
この当時は教科書通りに、根管充填後仮蓋を作りガッタパーチャーの入りを気にしてレントゲン確認をしていました。
今は根充後、レジンコアまで作ってから確認のレントゲンを撮ります。
理由は、根管充填にそれほど意味を感じなくなった、仮蓋中の細菌感染を防ぎたいなどの考えからです。
半年後のレントゲン確認
患者さんも痛みは出ておらず、仮歯でも噛めるとのこと
この後、ゴールドクラウンを入れさせてもらいました。
最近、また近くの歯科医院で虫歯の指摘をされたようで来院されたので、
確認のレントゲンを撮らせてもらいました。
開業から18年 ようやく10年を超える症例も出てきました。
こういうケースを見させてもらうと自分の中で、基準も技術も変わってきているなと感じます。
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神経系の治療は封鎖が命
- 2024年11月30日 09:15
- 歯内療法日記
今回の患者さんは50代女性
2年前に大きな虫歯の治療をしたが、半年前から歯が浮く感じがし始めてその後歯茎が腫れてきた為歯科医院へ
根管治療が必要とのことで治療を始めたが、何度も何度も薬を替えているが治っている感じはなく4ヵ月経過した現在、次は歯茎を切って外側から消毒が必要と先生に言われた。
また抜歯の可能性もあると言われており不安で仕方がない。
レントゲンを撮ると
大きく骨が溶けています。
また過去の詰め物に隙間が見られます。
推測になりますが、神経保存が上手く行かなかったのも現在の根管治療が上手く行っていないのも黄色矢印の隙間からのような気がします。
私はかなり精度の良い過去の詰め物は再利用することがありますが、今回のような精度で作ったものは必ず外します。
理由は隙間があると根管治療はまず上手く行かないから。
とりあえず詰め物を外して隔壁
毎回思うのですが、こんな歯茎の下なんか40代で虫歯ができることなどかなり稀であり
だいたい歯科医師が見えないまま手の感覚で削り過ぎて医原性の問題を起こしていると思います。
⇒ 結果治療が上手く行かない。。。
顕微鏡を使い始めて20年以上経ちますが、ホントこういう基本的な部分を抑えて治療するのかどうかで結果は大きく変わってくると思います。
1回目の治療できちんと壁を作り、中を綺麗に掃除した後徹底的に消毒
2週間後の治療2回目
腫れや痛みも無いとのことで根管充填+レジンコア+仮歯
根管充填材はガッタパーチャー使用
今月予後のレントゲンを撮らせてもらいました。
かなり綺麗に骨が戻ってきてくれています。
また患者さんは症状もなく生活出来ているとのことです。
この状態であれば外科処置も抜歯の心配もありませんね!
体を治すには体のルールと原則に則る必要があります。
例えば材料は○○が良い、術式は△△が良い、などそちらの方ばかりクローズアップされますが、
同じような治療を毎日行っている人間からすると、ぶっちゃけ神経保存、根管治療なんて材料はそんなに気にする必要なし、それより体のルールと細かな部分まできちんと処理して、封鎖性の高い治療が出来ているか!?の方が予後に対するインパクトは大きいと感じます。
術前の隙間のある歯の状態は「家」で例えれば雨漏りするような家
必死に家の中を雑巾がけしても雨漏り自体を止めないと、永遠に家の中は水浸しで雑巾がけを行い結果治らない ⇒ 家の取り壊し(抜歯) となります。
神経保存、根管治療は儲かる分野の治療でないので、古い知識のままでアップデートなしに行われている代表格
根管治療した歯の半数以上が上手く行っていないという日本の現状も分からなくはないです。
*歯が無くなってから利益が得られる診療形態がそもそもの間違い
国がもっと根管治療の意義を知って、治療費上げない限り永遠にこういった問題は続くでしょうね(>。<)
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違和感の続く歯の根管治療
- 2024年11月27日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは50代女性 左上の違和感がずっとあるとのこと
レントゲン
セラミッククラウンの入っている左上6
根尖病変は無いのですが、赤丸の部分の骨が溶けているように見えこの部分が怪しい・・・!?
ただ、この歯も例に埋もれず、近心頬側根未治療
手付かずの近心頬側根... - EE DENTAL_Blog
治療を行うと、髄床底部に大きなパフォレーション
前の先生が頑張って近心頬側根を探しに行った為か近心頬側根付近にもパフォレーション×2の合計3つのパフォレーション。。。
大きなパフォレーション部分のレジンコアを除去すると、膿が出てきました。
根尖病変もないし、膿も出るということから違和感の原因はパフォレーションと思われます。
また前の先生が頑張って探しに行った近心頬側根は石灰化しており閉鎖していました。
閉鎖した根尖病変のない根管はわざわざ削る必要もないので、開いている根管のみ根管充填
同日にレジンコアまで1回の治療で仕上げました。
また、前後の右上5・右上7に大きな虫歯があり
患者さんにほおっておくと神経取る様な大きな虫歯があること
神経を取ると今回のような膿が出てくる状況になりやすいので治療をしておいた方がいいですよ!と説明
2本とも虫歯はかなり大きかったですが、症状が無いことより普通のレジン充填
術後1年
症状もなく普通に使えているとのこと
レントゲンも悪くはないですし、これであったらセラミッククラウンを入れても問題無いでしょう!
裸眼で頑張る先生は0.1mm程度に細くなった神経管を見つけるのは至難の業
個人的には抜髄であれば、神経管を何度も何度も探すより無いと割りきってすぐにレジンコア入れた方が予後は良いと思っています。
この辺りは顕微鏡のある・無いでも差の生まれてしまう所ですが、
歯のような小さな組織の治療(修復)であれば、拡大視野下で治療を受けるというのは
歯を長く持たせる為にはマストだと思っています。
一応専門医なので、顕微鏡下で怪しいと思えば超音波でピンポイントで怪しい場所を削り
細い神経管でも0.06mmのヤスリ(Kファイル)で探しには行きますが、無いと判断したら無理に歯を削って根充剤(ガッタパーチャー)をいれるような行為(←治す為の治療ではない)は行いません。
今回のケース治ってくれて一安心です。
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手付かずの近心頬側根...
- 2024年11月23日 09:00
- 歯内療法日記
奥歯の神経治療
基本的に奥歯の神経管の数は4本であることが多いのですが、きちんと4本仕上げるには相当大変です。
4本のうち2本は道具がまだ届きやすい場所に神経管があるのですが、
3本目の神経管は道具は届きにくく、神経管も曲がっている為かなり治療しにくくなってしまいます。
また4本目に至っては3本目より更に見つけにくく、道具が更に入りにくい場所にあります。
レントゲンを撮るとよくあるパターンは2本のみ治療がされておりガッタパーチャーは2本見られるパターン
黄色の矢印の場所に神経管が1~2本あるのですが、ほぼほぼ手づかず。
こういったケースは小柄の女性患者さんに多いです。
その理由は口の開く量が少なく、道具が入れにくいからです。
レントゲンのケースも開口量の少ない女性患者さんでした。
患者さん的には歯科医師の技術不足、怠慢のように思えますが、個人的に保険診療費では仕方がないと思います。
この場所をきちんと仕上げる為には技術・道具・時間・お金がかかります。
原資となる治療費が安過ぎるので、ある程度の所でキリにするのは経営的には仕方がないと思います。
で、結果再治療・再再治療となり歯が無くなり患者さんが困る訳なのですが・・・
これだけ物価が急激に上がっている現状で、日本の保険歯科治療費は全く変わっていません。
ただ、材料費は2倍近くに上がっているものもありますし、殆どの道具は5年前の価格では購入できません。
今後ますます負のサイクルに入っていくと思います。
先のレントゲンのケース
根尖病変やクラウン不適による大きな虫歯があった為治療をさせてもらいました。
1本につき治療回数2回 根管治療+レジンコア+仮歯まで
きちんと治療を行うと、このように3本の白い線が見られます。
*3本目と4本目の神経管は重なって見えることも多々ありますので、4本線を映す為にはちょっとレントゲンの撮り方を工夫する必要があります。
基本的に奥歯の神経管の治療は歯科治療の中でも難しく、多くの先生が嫌がる所です。
もし最初からきちんと治療したいという患者さんがおられましたら、保存系の専門医や歯内療法専門医などに相談されるといいかもしれませんよ。
うまく行けば神経を保存できる場合もあります。
銀歯の中の虫歯の有無は殆ど分かりません。 - EE DENTAL_Blog
今回の患者さんのケースも根尖病変があったので、半年仮歯で生活してもらい経過をみたいと思います。
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根管治療は1回、2回で終わって大丈夫なのか!?
- 2024年11月13日 09:00
- 歯内療法日記
以前勤めてもらっていた衛生士のOさんが根管治療2回目で来院された際に、
職場の同僚衛生士が
「根管治療2回で終わらせて大丈夫なの!?」
「普通は4~5回薬の交換してから根管充填でしょ!?」
と言われたらしいのですが、
まず文献的には1回法でも複数回法でも予後に大きな違いはありません。
要は、「1回の治療でどれだけ歯の中を綺麗にして、菌数を減らせたか」がポイントであり
何度も何度も無駄に根管治療を繰り返す必要はないと思っています。
*自分が患者でも少ない回数できちんと仕上げてくれる方が時間的にもありがたいです。
患者さんのOさんに職場の衛生士さんに、
「根管貼薬を繰り返す根管治療なんて昭和の時代の昔ながらの治療だよ」
「自分は令和時代の根管治療を受けていると説明しな」と返答しました。
『職場での人間関係が悪くなるのそんなこと言えない!』
と言われましたが(笑)
ホント根管治療は難しく、先生のレベルにあった治療と基準、解釈になるので
一概に何回の治療が良いなどいえませんが、1つ言えるのはラバーダムや隔壁を作っていない先生とは土俵が違うので議論ができない。
土俵と言えば昔、
私のレジンの恩師の〇橋先生がその昔アメリカで保存治療で拡大鏡を使っていない(裸眼治療)という理由で、その議論には入れなかった。(その後、先生達に拡大鏡を教えてもらったとか)
という話をされていましたが、まさにその通りで話・議論をするなら最低限の共通認識に元に議論をしないと話がかみ合いません。
一般的に歯科治療はその先生の経験から培った基準での治療をしていることが多く殆どが我流になっています。
今回のブログケースが良い例だと思います。
セラミックを作ってもらっている技工士さんの紹介の50代の女性患者さん
痛みが出た後、歯科医院に行ったら根管治療が必要と言われ
3カ月前から毎週歯科医院で薬の交換をしているが一向に良くならない。
2週間前からまた腫れてきてしまい、また痛みも出てきた。
家族の技工士さんに相談しEEデンタルを教えてもらう。
レントゲンを撮ると大きな根尖病変が見られます。
ただ・・・
隔壁はしていない、仮蓋は封鎖性のあまいストッピング、
中を見てみると、虫歯は残っている遠心頬側根は手付かず。。。
昭和時代の治療なら薬の入れ替えを何回も行い、症状を引くのを待つのでしょうが、
治療を例えると、『雨漏りしている家の床を毎週雑巾がけしているようなもの』
治すのであれば雨漏りする場所を塞いでから床掃除しないと、半永久的に雑巾がけする羽目に・・・
1回目の治療で、虫歯をきちんと取り(腐っている部分の除去)、隔壁(雨漏り修理)を作り、手付かずの根管を探して治療して、歯の中の汚れを徹底的に次亜塩素酸Naで洗い(床の雑巾がけ)しっかりと仮蓋(雨漏りしないように)。
2週間後の治療2回目
患者さんは術後に少し腫れたような感じはあったが、今は腫れや痛みはないとのこと
顕微鏡下で根管内に膿など悪い所見がないのを確認し、もう一度徹底的に根管洗浄(消毒)し歯の中が綺麗になったのを顕微鏡下で確認して、根管充填+レジンコア+仮歯まで入れさせてもらいました。
そこから仮歯で生活してもらい
今週1年予後で来院された時のレントゲン
大きな病変2つともだいぶ骨が出来てきてくれています。
悪くなってしまった体を治すには治す為のルール・法則があります。
その法則に従わない限り何度薬の交換をしても同じで治ってきません。
*細菌を殺す為の薬なんて、体にとっても「毒」ですからね。細菌だけに効いて人間には効かないなどの選択毒性のある薬はありません
はっきり言いますが、根管治療は回数で治すものではありません。
どれだけ歯の中の細菌を除去でき体の治癒機転を作れるかどうかが勝負の分かれ目です。
膿んだ歯の根管治療は歯の中の細菌をいかに減らすかゲーム
減らす為の選択肢は
①根管形成(削る)
②根管内洗浄(次亜塩素酸で洗う)
③貼薬(ホルマリンや水酸化Caなどの薬を歯の中に入れる)
の3つがあります。
昭和ながらの治療では①と③が重視されますが、現代の根管治療(歯内療法専門医)は②洗浄をいかに効率的に行うか!?
ホント何度も何度も根管治療をしていると歯の中をどんどん削られ自分の歯は少なくなりますし、後の歯根破折リスクが上がります。
歯内療法専門医は③洗浄効果を増す為に①の工程も重視します。
*洗浄効果が高くなるような形態に削って仕上げます。(洗いやすい形に整える)
私の治療では③は全く重視していませんし、貼薬剤を入れることも稀です。
また日本オリジナルと言うか、④根管充填を根の先まで行う というものを重視している先生もいますが、これも私は最近殆ど重視していません(笑)
質問された衛生士の人も勤めた歯科医院(歯科医師)の治療がベースになっているので、根管治療は貼薬(薬の交換)を何度も繰り返すと学んだのだと思います。
きちんとやればパフォレーションがあっても1回でも治る時は治りますよ_〆(・∇・)
パフォレーションによる鈍痛 - EE DENTAL_Blog
繰り返しになりますが、体を治す為には体のルールを知りそれに準じて治療を行った方が治せる確率は高くなると個人的には思っています(・∀・)ノ
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治りが遅い!?根管治療後3年
- 2024年11月 6日 09:00
- 歯内療法日記
近医の先生からの紹介の60代の患者さん
1カ月前から咬み合わせた時に痛みがあるが、日によって痛み方が異なる。
レントゲンを撮ると、近心頬側根と遠心頬側根に根尖病変がみられます。
ただ、咬んだ時に痛いというのと近心根の透過像的に折れている可能性がある
そのことを説明し根管治療スタート
1回目の治療で人工物を全部外すと、髄床底部にクラックが見つかる
ただ、染め出し液で染めてみるも染まらない為、クラックはまだ開いていないと思われる。
患者さんに、ヒビはあるが残す治療は可能かもしれない。
例えると、今の歯はヒビの入ったコップ
・水を注ぐと漏れてしまうコップ
・ヒビは入っているが水は漏れてこないコップ
今の状態は後者の水漏れしない状態なので治療を続けてもいいが、ヒビ自体は進行する一方で治ることはない。
1本奥歯が無い為、この歯を抜いてしまうと「部分入れ歯」or「インプラント」の2択となる。
一度治療してみて使える所まで使ってみるか!?
*1回目の根管治療で治療を止める場合は根管治療費の半分を頂きます。
患者さんは残したいということなので根管治療を継続し
根管治療2回目
根管充填+レジンコア+仮歯まで
3か月後の来院時
「腫れ痛みもなくなり、咬んでも痛くない」
術後1年のレントゲン
遠心頬側根は綺麗に治ったのですが、近心頬側根の根尖病変にあまり大きな変化なし。
痛くなく、仮歯でも咬めるということでもう1年様子を見ることに
この辺りは専門医でも診断の異なる部分で、次の治療の外科的歯内療法や分割抜歯(トライセクション)や全抜歯に移行していく場合もあります。
ただ、個人的には腫れや痛みなく患者さんが使えているのであれば様子を見るというのも選択肢の1つだと思っているので、
患者さんには「腫れや大きな痛みが出たらまたすぐ来てね、症状なく普通に生活出来ていたら次は半年後or1年後」と説明
歯を残す為に治療をしているのであって、綺麗なレントゲン所見を目指しているのではないので・・・
問題無く経過しており、2年後のレントゲン
近心頬側根も骨が出来てきているように見えます。
患者さんには骨出来てきたね!
今仮歯だから、仮歯が割れたり取れたらかかりつけの先生の所で本歯作ってもらってね。
その際咬み合わせは気持ち低目に作ってもらってね。
と説明
で、
先日干し芋食べていたら仮歯が割れたから見て欲しいと連絡があり、見せてもらいました。
術後3年
また多少透過像はあるものの、術後2年より骨は出来てきてくれています。
患者さんに症状を聞いても全く問題無く使えていたとのこと。
この状態まで治ってくれたので、紹介先の先生に本歯作ってもらってね!
と言って終診となりました。
昔は自分も1年経過しても骨が出来ない場合は治療の失敗とみなし外科的歯内療法など行っていましたが、最近は症状がなく使えていれば「待つ」という選択肢もありかなと思っています。
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歯を長く使う為の基礎治療
- 2024年11月 2日 09:00
- 歯内療法日記 | EEデンタル こだわり
患者さんは40代女性
過去に治療した所が悪くなってしまい、痛みが出たり引いたりしている。
一度きちんと治しておきたいとのこと
レントゲンを撮ると、
多くの歯が治療してあり、銀歯の下の大きな虫歯(骨の辺りまで穴が空いています)
根尖病変など・・・
基本的にこれらの疾患はレントゲンを撮らないと分かりませんが、
このようになった原因ははっきり言ってしまえば、過去の治療の質
歯の治療は難しいのでこうなってしまいがちですが、このような状態になると「再治療が必要です」の繰り返しで抜歯が近づいてきます。
個人的にはですが、歯を失う最大の理由は歯科医師の治療だと思っているので、なるべくなら1回できちんと治療を仕上げた方がいいと思います。
患者さんと話し合い治療をさせてもらいました。
第1小臼歯:歯茎の下に大きな虫歯があり骨の辺りまで顕微鏡下で処理してクラウンに
第2小臼歯:銀歯の下の大きな虫歯を取り神経を保存してレジン充填
第1大臼歯:根管治療+レジンコア+仮歯
第2大臼歯:クラウンの下の虫歯の治療+仮歯
他の歯の治療もさせてもらい1年経過して問題無いのを確認して、仮歯を本歯に替えていきます。
セラミッククラウンSet時 のシェード確認
*写真内に2本セラミッククラウンを入れています。
最終的な治療後のレントゲン
根尖病変はなく、セメントの取り残しもなく、クラウンの適合も問題ありません!
歯の治療は手間と時間をかけないと、すぐに再治療となり歯を失う原因になります。
なるべく1回できちんと治療を終わらせ、毎日の歯磨きで長持ちさせることをお勧めします。
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歯内歯周病変と神経を取った後の前歯の変色
- 2024年10月19日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
半年前に前歯を食事中にぶつけてしまい激痛が出て、その後収まる。
⇒2ヵ月前から痛くなってきて歯茎が腫れて来た。
歯科医院に行くと「問題無い」と言われたが、1ヵ月前からは違和感と鈍痛が出てきており、今は歯が浮いた感じがしている
とのこと
レントゲン
神経は既に死んでおり、根尖病変が2つ確認できます。
ただ、この側切歯も舌盲溝があり、その部分から排膿がありポケットも8mm
矢印の部分に溝があります。
患者さんには根管治療が必要なこと、その他にも歯周病の問題が絡んできており
厄介な歯内歯周病変であることを説明
方針としては、残っている歯質が多いので大きく削って被せず(クラウンにしない)にレジン充填で行きましょうと説明
1回法で根管治療+レジンコア+レジン充填
舌盲溝と歯髄が繋がったような感じで、「歯内歯」のようでした。
その辺も、超音波を使い細い溝を掃除してレジンで補修
1か月後
溝の部分の歯周外科をするかレントゲンを撮らせてもらいました。
あれ!?もう骨出来て(治る)きていないか!?
1年予後で来院してもらって調べると
「症状もなく、治った感じがあります!」とのこと
レントゲンでもかなりしっかり骨が出来てきてくれています。
これだったら安心していいでしょう!
気になる前歯の歯の神経を取る起こる変色
*神経を取ると茶褐色~暗い紫色
術後1年 どの歯の神経取ったか分かりますか!?
前歯の歯の神経はこんな「しゃもじ」のような2等辺三角形の形態をしています。
前歯をできるだけ削らず治療を行うと、この三角形の下の部分を取り残してしまいます。
すると歯の色があっという間に変色してきてしまいます。
前歯は神経管1本だから専門医でも一般歯科医師でも変わらないという意見もありますが、こういった審美的な要素を加味して治療するか!?で差は出ます。
もし変色した場合はインターナルブリーチ(ホワイトニング)である程度解決できますが、長期的に見ると後戻りして暗い歯の色になってしまいます。
ホント側切歯は色々な要素があり、歯の中で1、2を争うほど予後の悪い歯です。
今回たまたま上手く行ってくれましたが、上手く行った最も大きい因子としては「私が最初に治療させてもらえた」です。
私でなけでば治せない歯などはこの世に1本もありませんが、他の先生が治療を行った歯だと問題が更に複雑化しており医原性の問題もたいてい合併しているので更に治療難度が上がり、予後が悪く・・・
今回のケース、自分なりにかなり上手く治せた1ケースですね!
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神経治療(根管治療)は短期間で
- 2024年10月18日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
痛みが取れない大きな根尖病変を主訴で来院
患者さんは定期的に奥歯に痛みが出る感じで、右下7にも大きな痛みが出てしまい抜髄させてもらいました。
ただ、近心根は石灰化してしまい顕微鏡下で怪しい所を探り、0.06mmのファイルを用いても根管は分かりませんでした。
こういうケース、まずCTで根管の細さを確認してCTでも識別できないような細い神経管は
長々何回も何回も根管治療せずに、次亜塩素酸ナトリウムで消毒した後にすぐに根管充填してしまい経過を見ます。
*今回のケースも1回法
何回も何回も根管治療している最中に細菌感染させてしまうと、予後が悪く痛みも続くのでその点の治療出来る神経管かそうでないかの見切りは早いです。
患者さんとしては、「全部神経取らなくても大丈夫!?」とお思いでしょうが、
実は神経の治療は神経を100%全て取れば予後が良い・成功というものではなく、細菌感染させなければほぼ勝ち!
今回の患者さんのケース
2年経過しましたが、右下7は経過は良好です。
右下6の経過も順調です。
*ただ、患者さんは前々から不定期に痛みを感じてしまいますが、レントゲン上では悪い所見はありません。
歯の中の神経を取るのは言わば、小外科手術です。
手術を何回も繰り返すより、悪くないと判断できた時点ですぐに細菌が入らないように蓋をしてしまった方がいいと私は思います。
根管治療はある程度技術も必要ですが、戦略もまた重要!
同業者がレントゲン上で「上手!」と判断できるケースを作るよりは、長くトラブルが出ないように・問題無いように治療を仕上げるスタンスに変わってきています!( ・∀・)ノ
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銀歯の中の虫歯の有無は殆ど分かりません。
- 2024年10月12日 09:00
- 歯内療法日記
現在根管治療中の患者さんから電話があり、治療している歯と反対側の銀歯が外れてしまったとのこと
話を聞くと、奥から2本目の銀歯(全顎検査時のレントゲン)
*全顎検査をしてもらえると、緊急時に医院にある資料で歯の状態を確認できますので急な対応がしやすいです。
神経は生きており、大きな銀歯が入っていますが、銀歯が不適合で歯肉炎を起こしてしまう状態だったので、治療計画で優先順位的に治療後半の方に治療に着手しようと思っていた歯でした。
実際、来院して頂くと
予想していたより健康な歯がなく、歯茎下まで大きく虫歯が進行しています。
インプラント押しの先生であれば第一大臼歯、第2大臼歯2本抜いてインプラントにするか!?
という案もありそうな状況
患者さんは
「ここまで虫歯が大きくても気づけないのか!?」
という疑問もあると思いますが、実際金属の中はレントゲン線が入れず中の状態を認識できません。
当初の治療計画では神経を保存してセラミッククラウンを入れる予定だったのですが、
ここまで虫歯が大きく健康な歯質がないと治療計画を替えざるをえません。
患者さんには一応歯を残す方法で治療をスタートするが、神経を残せるかは削って判断すると説明
*電気歯髄診断では神経は生きていました。
電気メスで歯肉をトリミングして、虫歯除去+歯髄保存(レジンベース)+仮歯まで治療時間1時間45分
とりあえず仮歯で様子をみて行きます。
口腔内
レントゲン
今の私の基準は「虫歯が大きい」≠「神経を取る」です。
虫歯が大きくても経年的に石灰化して神経を体が守っているものに関してはそれを利用して神経の保存を行います。
歯科医院に患者さんの資料があり、対応出来た1ケースでした(^。^)
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