Home> 歯内療法日記アーカイブ
歯内療法日記の最近のブログ記事
根の先まで根管充填しないと治らない!?
- 2024年4月27日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは50代女性
4ヵ月前に虫歯治療をした。
1カ月前からズキズキ痛みが出てくる、冷・温水痛がある。
知覚過敏と言われコーティングをした。
今は痛みに波があり、痛い日は痛い
レントゲン
かなりレジンがはみ出した状態の詰め物が見えます。
先日の患者さんも奥歯にレジンが詰めてありましたが、かなりオーバー充填
個人的には、術者は見えなければ治療なんてしちゃダメ!と思うのですが。。。
このような治療は、後で二度手間・三度手間になるのでやらない(治療しない)方がましだと個人的には思っています。
先生は頑張って治療してくれたとは思いますが・・・
今回の患者さんのケースは既に歯髄炎を起こしており、神経を取る処置が必要
またこの歯は親知らずなのですが、左下5が先天性の欠如のようで、右上7と親知らずががっつり咬んでおり、機能していることから歯の保存を行いました。
2回法で治療を行いました。
歯髄炎を起こしていた為か、なかなか麻酔が効かず患者さんには痛みを与えてしまい反省です。
(基本的に私は診療は無痛ですべきものだと思っており、痛みを与える治療は極力避けたいと思っています)
治療2回目
1回目の治療後2~3日は痛かったが、その後は前のような痛みは出なくなったとのこと
歯質もしっかり残っていたので根管充填後にレジン充填で対応することにしました。
親知らずだけあって歯髄を根尖まで追えませんでしたが、取れる範囲の神経は処置できました。
*親知らずの神経管はパターンがなく、湾曲も多い為根の先までの治療が超難度
術後6か月の来院時
レントゲンでは特に悪い感じはない。
月に1度痛みが出る、術前時は疲れると首の方まで痛みが出ていたが、今はそれほどの痛みは無くなった。
ということで様子をみてもらうことに。
術後1年
気になる痛みが極稀にでるが、そんなに気にならないのこと
根尖に透過像はなく、きれいな状態
口腔内
綺麗に磨けています!
この状態であれば再び治療する必要はなさそう。
私は治療の介入は
①膿が出る、腫れる(細菌感染によるもの)
②視診、レントゲン所見で悪い部分がある
の場合は治療が必要な歯を探し治療を勧めますが、
レントゲンで問題無く多少痛い、一過性に痛いなどの症状の場合は待機診断します。
(経験上、きちんと治療してしばらく後に痛みの頻度が減っていれば待てば治まることが多いです)
今回のケースも6か月後にはまだ多少痛みがありましたが、特に悪い所見も無かった為待機しました。
間違ってもガッタパーチャーの入りが悪いという理由でやり直しはしません。(そんな理由でやり替える意味が分からない)
今回のケースも患者さんが私の話を聞いてくれたのが、上手く行ったポイントかもしれませんね(笑)
- Comments (Close): 0
- TrackBack (Close): 0
抜歯と思えた歯、なんとか10年残ってくれています。
- 2024年4月19日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは50代女性
昔から来院してくれている患者さん
左上4
歯の周りを取り囲むように骨がなく、太い金属の土台も入っており
残すのは難しそうな状況
患者さんに残す治療にトライしてみるか説明し
治療出来るのならやってみたいとのことで保存治療を行いました。
根管充填
MTAセメントで根管充填しました。
治療回数5回
根管治療中に1本奥歯の超不適合アンレーをレジンで治療させてもらっています。
*ここまで分かりやすい不適合も珍しい
仮歯を入れ経過観察
根の先辺りの骨は治ってきてくれているのですが、側面の透過像はあまり変化なし
患者さんは仮歯で問題なく使えているとのことで、本歯を入れ経過をみましょうと説明
先日来院の際に、久しぶりにレントゲンを撮らせてもらいました。
うっすら透過像っぽいものもありますが、悪い感じはない。
患者さんも何の問題もなく使えているそう。
患者さんにはこのまま行きましょうと説明させてもらいました。
*右上5のレジンアンレーも10年経過しています。
抜歯の判断は先生毎に違います。
ちょっと悪くて早目に抜歯から、抜く時期を間違えて骨が大きく溶けるまで待って抜歯
この辺りの抜歯判断が色々あるのは仕方がない部分ではありますが、個人的には破折線がなければ残す治療はトライすることが多いです。
ただ、残らなくても同じ費用がかかる(ケースによっては更にオプションの治療までかかる)為、残す治療を受ける、残さず抜歯の最終判断は患者さんでいいと思います。
今回のケースもう10年持ってくれるといいのですがヽ(・∀・)
- Comments (Close): 0
- TrackBack (Close): 0
歯を抜いたのに痛みが取れない。。。
- 2024年4月13日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは60代女性
最初に来院されたのは2018年末
2017年、右下が膿んできたのA歯科医院で根管治療を始めるも半年経っても治らず転院
次のB歯科医院で治療を続けるが、CBCTで破折していると言われ抜歯
痛みが取れない為、手前の右下6の根管治療を行うも改善が無い為
大学病院に行くも問題無いという結論
その後、EEデンタルへ
今回の経験から悪い歯は全て治療したいとのことで悪そうな歯だけ治療を行い
2019年治療終了
その際右下の奥歯は私も特に問題無いと判断しました。
そこから2023年に詰め物が取れたとのことで来院
その際に患者さんに抜いた右下7の部分が常に鈍い痛みが出たり、消えたりを繰り返していると話される。
痛みの法則などあるか聞くも、それはないとのこと
レントゲン(2023年)
特に悪い所見はありません。
たぶん、非歯原性歯痛になっていると判断し井川先生に紹介状を書き
薬で治す治療となりました。
紹介状を書いて8ヵ月
井川先生の方から、「疼痛は消失したので終診とした」と返書が来ました。
ホント、女性に非歯原性歯痛は多いなと感じます。
(と言っても自分は井川先生にお任せするだけなんですけど)
また非歯原性歯痛を作ってしまう原因第1位は不適切な根管治療と言われていますから
特に女性の方は痛みの中続く根管治療は受けられない方がいいと思います。
気まずいとは思いますが、3ヵ月痛みの中根管治療をしていたらそこはドライに考え転院した方がいいと思います。
個人的に3ヵ月膿が止らない経験はありますが、3カ月痛みが続くはないです。
最初の痛みの原因は神経を取るという体への侵襲です、ただこの痛みは出ても3日ぐらいで引いてきます。その後続く痛みは体の中へ細菌感染をさせてしまった、細菌感染が続いている時に出るものが多いイメージです。
歯科治療は痛みが伴うイメージですが、それでもなるべく痛みがない治療は受けられるべきだと思いますね。
- Comments (Close): 0
- TrackBack (Close): 0
白いセラミックインレーに替えたら膿んできた。
- 2024年4月 9日 09:01
- 歯内療法日記
巷では銀は悪い、白いセラミックは良い、的なイメージ操作ありますが、
私個人の感想としては
金属アレルギーさえ無ければ銀の方がいいよ!という真逆の考え方
何故か!?
金属系修復は厚みが1mm確保出来れば割れることはありません。
逆にセラミックは厚みを沢山取りたい、また健康な歯の犠牲は大きくなります。
→すると神経近くまで削り症状が出やすくなる(凍みる、痛む)
→症状が続くと神経を取る
→診断が遅れると神経が死んで膿んでくる
神経を取ることによって歯の寿命は短くなります。
後、セラミックインレーはメタルインレーに比べ適合が悪い・・・
セラミックインレーの適合を得るには健康な歯をメタルインレーより削る必要がある。
虫歯が見かり削った際にセラミックインレーを選択するのは悪くはないと思いますが、
個人的には銀歯が入っており見た目が嫌だからセラミックインレーにやり替えるは歯の寿命の観点から止めておいた方がいい。
全ての歯が悪い結果になる訳ではないですが、リスクを知っておくのは大切なことです。
今回の患者さんは
セラミックを入れ、4か月後に痛みが出てきた後腫れてきた。
今は歯茎に膿の出口があるが、違和感程度で大きな痛みはない。
レントゲン
レントゲンを見ると、黄色の部分に凄い違和感を感じる
何でこんな所に黒い半円形の線があるのか!?
こういったケースはCBCT(CT)が有効で診査してみると、
遠心舌側根がビックリするぐらい曲がっている、近心根に接するぐらい曲がっている。。。
経験上こういった湾曲した根は神経を取るファイルを折りやすい、
と言うことで、かなり上の攻め方を変えないとリスクが高いのが想像出来ます。
慎重に攻めました。
2回法で根管治療+レジンコアまで
やはりDL根かなり湾曲が複雑で神経管も細かったですが、無事に治療を終えることが出来ました。
この後6か月後にレントゲンを撮って経過をみて行きたいと思います。
自分は今ニッケルチタンファイルはプロテーパーゴールドを使用していますが、
今回はS1ファイルの前にアルティメットのS1を通して、ガイドをより確実にしてから根管を太くしていきました。
小林先生の言う
「根管治療に簡単はない」という名言
術前時に感じた違和感から、難易度判定をきちんと行い結果が得られたのは収穫でした!ヽ(゚∀゚ )
- Comments (Close): 0
- TrackBack (Close): 0
歯を残す治療の上に審美治療
- 2024年4月 5日 09:00
- 歯内療法日記
現在、日本歯科専門医機構が専門医制度を作っており、
歯内療法学会の歯内療法専門医は「歯科保存専門医」と名称が変わるような動きがあります。
この歯科保存専門医は今の所、歯科保存学会の専門医と歯内療法学会の専門医が対象になっているようなのですが、この先さらに他の学会の専門医も含まれるような動きがあります。
正直、政治の話なので全く興味はありませんが、少し疑問なのが審美歯科学会の専門医まで「歯科保存専門医」に申請をしているような書き方がしていましたが、
先日のある先生と話していると、「歯科保存専門医」に審美専門医は違うんじゃないか!?
私もホントそう思います。
審美治療とは綺麗な見た目を得る代わりにある面歯の寿命を短くしてしまう治療法です。
*凸凹の前歯をセラミックで治すのは一般人は止めた方がいいですよ、30~40歳ぐらいで前歯のトラブルが続出して60歳ぐらいで前歯無くなります。
患者さんの綺麗にしたいというニーズと、歯を長く残したいというニーズは全く別物です。
根の病気を治したい患者さんが審美の先生の歯科医院に行っても・・・
と言っても歯科医師10万に対して、2700人しかいない歯内療法学会では患者さんニーズへの対応は難しいとは思いますけどね。
ぶっちゃけ、根管治療なんて全く儲からないので力を入れている先生の方が変わり者
今回の患者さんは50代女性
若い頃かかっていた先生に「前歯綺麗にしてあげる」と言われ
神経を取って被せ物を入れられてしまったとのこと。
先日も60代の女性患者さんで同じようなことを言われ神経を取って被せ物を入れた方おられましたが、
そういう時代もあったのかもしれません。
レントゲン
大きな金属の土台が入っており根の先には根尖病変(膿)
抜髄の割にはかなり長いポストが入っています。
1回法で根管治療をして仮歯まで
根充材はMTA+を使用しました。
仮歯
このケースは仮歯が難しい・・・
*1本目の仮歯ではそこまで形は合わせられません。
患者さんに説明をしてセラミックを作る技工士に仮歯を製作してもらいました。
形成
仮歯の色が白すぎたので、レジンを使いステイング
*仮歯は基本的に単色(1色)なので色は合いません。
この状態で生活をしてもらい
根尖病変は綺麗に治りました。
この後、クラウンの作成
かなり色合わせの難しい歯で何回か技工士さんに作り直してもらいました。
レントゲン
綺麗に治療が出来ました。
審美治療ってきちんとした下処理の上にやらないとそんなに長く維持できませんから
やはり歯の保存を重視された方が良いように思えます。
さてさて、どうなるんでしょうかね「歯科保存専門医」
- Comments (Close): 0
- TrackBack (Close): 0
遠方の患者さん 近所のホテル
- 2024年4月 3日 09:00
- 歯内療法日記
変わった歯科医院をやっていると、似たような歯科医院も少なく
悩みにマッチングした患者さんが来院して頂けますが、ビックリするぐらい遠方の患者さんもチラホラ・・・
通院してくれている患者さんは北は北海道から、南は沖縄とホントに泊りがけでの来院になっている方もおられます。
*ありがたいことに、今週は沖縄の歯科医師の患者さんが来たり、イギリスからメールが来たり
先日、愛知県でも通院に3時間かかるという患者さんもおられ、県内でもこれだけ通院時間をかけてくれていることに感謝します。
沖縄と言えば、先日親戚の女の子の治療の見学だけにわざわざ来て頂いた先生も・・・(エンドのハンズオンのレジメ届きましたでしょうか!?)
何故か、沖縄とは縁のある歯科医院
泊りがけで来て頂いている患者さんへ
先日、医院の近くにドーミーインが出来たのでそこからでしたら歩いて5分以内にEEデンタルまで着きます。
天然温泉 つつじの湯 ドーミーインEXPRESS豊橋(2023年12月13日オープン) 宿泊予約【楽天トラベル】 (rakuten.co.jp)
テレビでやっていましたがこのホテル、ドーミーインで日本で唯一夜泣きそばが生麺みたいです(笑)
今回の患者さんは以前、鹿児島から通院してもらっていた患者さん
第2大臼歯の神経が死んでしまいました。
そこを2回法で治療
樋状根でガッタパーチャーを使用して根管充填
鹿児島からは10分のレントゲン検診には来て頂けませんでしたが、
先日他の歯の相談で来院されたのでついでにレントゲンを撮らせてもらいました。
7年経過していますが、根尖病変も治り問題は無さそうです!
遠方の方だとレントゲン検診の10分の為に飛行機乗ってなどは難しいと思いますので
何か別件で来院された際にレントゲンを撮らせて頂くこともあります。
- Comments (Close): 0
- TrackBack (Close): 0
奥歯の片方だけの神経治療
- 2024年3月29日 09:01
- 歯内療法日記
今回は凄くイレギュラーな治療ですが、
激細根管の歯内療法と歯髄断髄法 - EE DENTAL_Blog
第2大臼歯に行った断髄
あの後、10ヵ月後の経過もよかったのでかかりつけの歯科医院でジルコニアアンレーを作ってもらったのですが・・・
ジルコニアアンレーが割れて外れた後から、痛みが出てきた。
近心よりのジルコニアが割れて取れています。
ここ1年ぐらいの私の見解ですが、第2大臼歯にはフルジルコニアはやらなくなりました。
私が治療させてもらったケースでも問題が起こり始めており、フルジルコニアの取り扱いは止めました。
固すぎて、口腔内(他の歯)の経年変化について行けないのが原因だと推測しています。
比較的新しい材料にはどうしても起こってしまう問題であり、
やはり第2大臼歯にはゴールド修復に勝るものはないなと思っています。
*ただ色が「金色」というのが現代では嫌われますが・・・
歯科は新しい材料・テクノロジーが良いとはならない典型的なケースかと思います。
私は患者さんに言うのは
「歯科の場合、昔からある材料、続く方法が良いもの」と説明しています。
と言うことで抜髄を行うことにしました。
いざラバーダムをして治療を行うと遠心根の神経は生きている
近心根の神経からは出血がなく、
「遠心根の神経残せるんじゃないか!?」
と言うことで患者さんの先生に説明を行い
遠心歯髄保護、近心根抜髄という5年に1本ぐらいの超イレギュラーな治療を行うことに
基本的にはあまりこのような治療はしませんが、歯科医師の先生で治療方針に納得してくれたいたので行いました。
先日半年予後での来院
根の方に問題は出ていないようです。
先生も怖くて未だに補綴していないそうですが、今の所問題無さそうなので
先生には「白い詰め物諦めて、ゴールドアンレー入れてもらった方がいいですよ」と説明させてもらいました(笑)
巷では、ゴールド修復は古い! 時代はCAD/CAM、ジルコニアみたいな風潮ありますが、
オールドタイプの歯科医師なので、新しく出てきた材料ホントに良い材料なのか!?と懐疑的に見ています。
この辺りは先生のスタイルですが、私はどうやったら長く1本の歯を持たせれるか!?を考えたいので患者さんの白い歯の希望を叶えられないこともあります。。。
- Comments (Close): 0
- TrackBack (Close): 0
根管充填材(ガッタパーチャー)の入り
- 2024年3月26日 09:06
- 歯内療法日記
患者さんは50代女性
右下6は2008年に私が抜髄を行った歯
何の症状もありませんでしたが、たまたま、2021年来院時にレントゲンを撮ると
根尖病変様の所見が見られます。
患者さんにはそのことをお話させてもらい、症状が出始めたら再診断後介入しましょうとお話していました。
2024年に入り違和感が出た後少し腫れて来たとのこと
レントゲン所見も少し透過像が大きくなってきているように見えます。
また近心根は根側面に透過像が広がり始め、折れているかも!?
とりあえず残す方向で治療を行いました。
2回法で根管治療+レジンコア+仮歯まで
4根管をガッタパーチャーで根管充填
開業当時から基本的な根管治療の流れは変わりませんが、大きく変わったのはレジンコアコアの作り方。
長期にわたり良い状況を維持するには、土台の精密さというのがあると思います。
逆に言えば、根管充填材の入りというのはさほど気にしなくなりました。
*できるだけ他の先生から指摘されないように、レントゲン上で綺麗に見えるようにはやりますよ(笑)
結局、今回の患者さんのように術前のようにガッタパーチャーが根尖付近まで入っていても予後が悪くなるケースも多々あります。
ですから、日本のようなガッタパーチャーが根の先まで入っていないから今後悪くなるという考え方は完全に間違っていると思います。
歯科医師は患者さんに分かりやすく説明する為に「薬」いいますが、実はただのゴム(正確にいうとゴムではないですが)
ですから、何の薬効もありません。
結局、根管治療の成否は細菌感染の有無で決まりますから、菌の活動性がない状況さえ作れていればそれでOKなんです。
EEデンタルではショート根充でも根尖病変さえなければ、「そのままでいいよ」と説明しています。
ただ、土台を外すような治療になる場合は必ず根管治療もセットで治療をさせてもらっています。
(この辺りは歯科医院毎に基準はことなります。)
さてさて、今回のケースやり直しをしたことで治ってくれるといいのですが(^。^;)
- Comments (Close): 0
- TrackBack (Close): 0
パフォレーションによる鈍痛
- 2024年3月23日 09:01
- 歯内療法日記
先日書いた 歯の中に出来る石
歯の外にも石は出来ることがあります。
今回は大きな歯石を取った患者さん
患者さんは70代女性 近医の歯科医院を受診して治療を始めた所
歯に穴(パフォレーション)が見つかり、歯内療法専門医に行った方がいいと先生に紹介状を書いてもらいEEデンタルへ
話を聞くと昔から鈍痛はあった、昼は痛まないが朝方弱い痛みを感じることがある。
レントゲン
1回法でパフォレーションリペアから根管充填まで行いました。
*根尖病変は無かったので穴埋めメインの治療となります。
レントゲン
*MTAを使用
半年経過して、痛みもなく仮歯でも問題無く咬めるとのことでかかりつけでクラウンを入れてもらうように指示
1年後のレントゲン
クラウンも綺麗に入っており、症状も一切ないとのこと
今回のケースは早目の専門医受診が功を奏したと思います。
この状態で長々治療をされてから転院されるよりは1回目でスパッと先生が判断したことにより安定した予後が得られたと思います!
自分で治せる範囲なのか!?専門医に頼んだ方がいいのか!?判断するのも治療技術の1つだとは思います。
後、パフォレーションを治すには現代の歯内療法ではMTAセメント1択なのですが、保険治療ではMTAは保険適応外なので保険内で治そうとするとレジンやグラスアイオノマーセメントになりますが、これらの材料は水に弱いので顕微鏡下でかなりコントロールしないと接着出来ないのでこれらの材料の予後は悪いです。
- Comments (Close): 0
- TrackBack (Close): 0
歯の中に石が出来る!?
- 2024年3月20日 09:01
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
2024年1月に激痛が2~3日続いた後から、違和感が続く
歯科医院で診てもらったら神経が死んでおり神経の治療が必要と言われた。
神経治療するなら、歯内療法専門医とのことでEEデンタルへ
レントゲン、CBCTを見ると・・・
第2大臼歯に根尖病変が見られますが石灰化が著しい。
また樋状根(日本人女性の3割ぐらいに見られる難しい神経の形態)でもかなり珍しい神経形態
黄色の⇒ 銀歯に隙間がありここから細菌感染して神経が死んでしまったか!?
詰め物の精度は予後に影響することがあります。
赤色の⇒ 銀歯に段差にあり大きくセメントが残っておりそこから歯周病が進行(骨が減っている)している・・・
セメントの周りから膿が見えます。
見えないと治療してもこのようなケースになってしまうこともたまにありますが、
顕微鏡があればすぐにセメントの取り残しはチェックできます。
私は保険の銀歯が精度が特に悪いとは思いません。
極端に言えば、経験上銀歯よりセラミックインレーの方が適合は悪いと思っています。
ただ、歯科医院では銀歯よりセラミックが良いと言われますが、これは治療費の差であり
同じ費用であれば銀歯の方が精度が圧倒的にいいと思っています。
先日、知り合いの人に
「歯科医院でセラミックを勧めてきたんですが、断ったら先生の態度が一遍したんですが・・・」
たまに聞く話です(笑)
今回の患者さんの神経
咬み合わせの問題なのか、治療したことによる防御反応なのか、細菌に対する免疫反応なのか、
神経管の中からは、石(石灰化物)がコロコロ出てきました。
大きな石化物
小さなもの(0.3mmぐらい)含めると40個以上出てきましたかね。
こういうケースは顕微鏡はマストアイテムです。
小さな石(石灰化物)の除去には
写真下の#30Hファイル形状のマイクロデブライダーが使いやすいです。
見えないものは治療出来ません。見えればそれなりの治療は可能です。
使いやすい道具があるとより効率的に治療が行えます。
1回法で根管治療+レジンコアまで 治療時間1時間30分
殆どCBCTで見ていた形態に近い形で治療ができました。
ガッタパーチャー使用
この後、仮歯を入れて経過観察をしていきます。
歯の治療はすべてにおいて1回勝負です。
口の中は体の中で2番目に細菌が多いフィールドでの治療になります。
歯を長持ちさせたい方は、可能な限り精度の良い治療を受けらた方がいいと思いますよ
d(・ω・ )
- Comments (Close): 0
- TrackBack (Close): 0
Home> 歯内療法日記アーカイブ
- 購読
- Powerd By