年配の患者さんの石灰化根管
- Posted by: eedental
- 2021年12月10日 09:10
- 歯内療法日記
患者さんは70代の男性
左上が1週間ぐらい凍みた後、痛み始めた。
レントゲンを撮ると
過去と比べ悪くなってしまっている。
2本の歯に透過像が見られます。
症状的に言って、左上6の歯の神経に問題がありそう。
ただ・・・
歯髄腔、根管と石灰化が著しく根管治療ができるか!?
レントゲンではこんな感じ
治療1回目、石灰化がかなり進行しており琥珀色の石灰化物だとおもわれる象牙質をひたすら顕微鏡で削って行き、DB根、P根は穿通拡大終了
治療2回目、腫れが出てきており根管内からも膿が出てくる。
直感的に石灰化部分をもう少し積極的に削り原因根管にアプローチしなくては・・・
また怪しい所を削って行くと、髄床底と思われた部分はフェイクで、更に下の方に髄床底があることに気が付く。
*CBCTで術前にこのケースは診査しましたが、全く分かりませんでした。
治療2回目終了後のレントゲン
頬側に張り付けてある不適合レジンがレントゲンを更に見にくくしていることに気が付く。
MB、MB2、を探し根管拡大、DB根、P根は更に拡大
治療3回目
腫れや痛みも無くなったことより根管充填
綺麗に治療できました。
*MB2はNi-Ti穿通法を使い治療を行いました。
個人的には、ハンドファイルでの穿通法より穿通率が高い気がしています。
高齢者になると、殆どの方の歯髄は石灰化が進行しております。
特に今回のように膿んでしまった石灰化根管は顕微鏡で丁寧に治療をしないと、非常に予後が悪い歯です。
この後半年程度仮歯で経過観察を行い、クラウンを入れていく予定です。
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