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詰め物・かぶせ物は何がいいの!?と噛み合わせについて

たまに患者さんに「詰め物の種類で悩んでいる」という人がいますが、

基本的に歯の治療というのは代替治療で、元の状態の歯に戻している訳ではありません。

今の歯科材料で言えば、【歯より強い材料を用いるか!?】【歯より弱い材料を用いるか!?】の2択です。

  

メーカー側は歯と同じ固さなどの文言の商品も出ていますが、絶対嘘!だと思っています。

   

石のように固いエナメル質に、竹のようにしなる象牙質

この2層の再現ができない限り全て眉唾物で、

硬さの基準というのも様々で、ある1点の数値で比べられても・・・とは思います。  

 

 

ですので、私は患者さんには

歯より強い材料で治すか!?歯より弱い材料で治すのか!?の2択と説明します。

 

歯より強い材料で治すメリットとしては「人工物は割れない

デメリットとしては人工物が強いが故に歯の他の場所に負担がかかり、そっちが悪くなることがある。

*最悪のケースは歯根破折 

 

歯より弱い材料で治すメリットとしては、歯の負担を詰め物が吸収してくれる

デメリットとしては人工物が割れる・すり減る、結果咬み合わせが下がりやすい。

  

 

繰り返しになりますが、歯と同じ物性ではないので仕方がないことです。

歯の治療は義足・義手と同じなのですが、こと歯の治療だけは同じものを求める摩訶不思議な現象があります。

 

 

じゃあ、何がお勧めなのか!?

   

私個人の見解としては、担当する歯科医師がお勧めする材料で治すことをお勧めします。

材料以上に歯の予後に影響を与えそうな因子は、

1、咬合(噛み合わせの与え方)

2、歯科医師のその材料への慣れ・得意度

が材料以上に影響を与えます。

  

因みに私は、1本の歯の治療でも元の咬合に戻せるのは不可能だと思っています。

理由

術前時に咬合接触点調べてますか!?術前時に側方運動時の咬合接触調べていますか!?(普段の臨床でここまでは私はできない)

咬合がなく変化した噛み合わせの歯はどう元の状態をイメージしますか!?

それを再現する為の印象法で印象していますか!?咬合器は!?それを作れる技工士の腕は!?

Set時に毎回無調整で口腔内にSetしていますか!?(咬合調整を行った時点で作ったクラウンの咬合は再現できていなかったということです)

また、歯とは異なる人工材料で、歯と同じ経年変化を再現出来ますか!?

夜間の歯ぎしりの再現はできますか!?(右にグライディング!?、左にグライディング!?、前方にグライディング!?、クレンチング!? 枕の位置、高さなどでも咬み方は変わります)

たまに前の形の悪いクラウンを除去すると、歯ぎしりが明らかに減ったという患者さんも年に1人ぐらいいます。 

 

そこまで考えて1本のクラウン作っている先生は凄い!と思いますが・・・ 

  

 

私は最初から無理だと思っているので、その努力はしません。(特に補綴が専門でもありませんし)

なるべく歩きやすい、走りやすい(咬みやすい)義足(歯)は作るが後はそれに慣れてね!というスタンスです。  

      

因みにEEデンタルの技工士さんは1本の歯でも口全体の印象法での印象を推奨しています。

その方が元の咬合の再現がしやすいとのこと。

 

しかし、私はクラウン1本であればやっていません。

技工士さんの腕と勘に頼ってます(笑)

   

  

私の今の考え方は、元に戻せない以上大きく咬み合わせを大きく変化させないをゴールにしています。

機能咬頭が残せれればなるべく残す。←ここメチャ重要だと思います。

  

最後臼歯(口の中の一番奥歯のこと)でもレジンで治療することも多々あります。

2021 EEdental NOM.jpg

私は残っている機能咬頭は残した方がいいと考えます。

*機能咬頭:食べ物を噛み砕く仕事をする大切な歯の山

 

ただ、写真のような歯の治療は大きく削ってフルクラウンにすることが一般的だと思います。

つまり、噛み合わせのカギを握っている大切な山を大きく削り、人工的な咬み合わせを想像・付与する。。。  

    

理由は一般的に一番奥の歯ほど強い力が加わります。

ですので、一番奥の歯には金属など歯より強い材料がお勧めされると思います。

教科書的であり、これがセオリーです。 

   

 

ただ、個人的にはしっかりした機能咬頭の残存と犬歯誘導さえ確保されていれば

最後大臼歯でも非機能咬頭側を歯より弱いレジンで作っても割れてくるようなことは殆どありません。

 

ただ、これ全く教科書的なことではなく経験値からの今の私の考え方です。

  

ですので、何の材料がいいか!?ということで悩むのであれば

担当の先生になるべくベストな材料で治療をしてもらった方がその先生なりの経験値からの材料選択をしてくれる訳です。

 

ただし、転院すれば先生も変わり、考え方や方針も変わるので前の治療法を否定されることもあります。 

1つ言うと、奥歯にレジン否定派の先生もおられますが、その先生なりの臨床経験からの答えであり私は年間400本以上詰めていますが、治療後5年かける割合は5.8%で個人的には悪くない治療法だと思っています。

2020年の講演スライド

2021 CR.jpg

*かけやすのは奥歯でしかも前の先生がレジンが取れやすい形態に削った歯が多いです。

このようなケース:レジンの弱点である銀歯を作る為のスライスカット - EE DENTAL_Blog

ただ、殆どの場合自分の歯にはダメージがなく即日レジンでリペア出来ます。

    

またネットには様々な情報も書いてあり、ここでも患者さんは悩まされてしまいますが、

正しい、情報の選択が出来ている人はまずいません。 

   

 

私はレジンが得意ですし間接法より感染リスクを最小限に抑えられるので、第一選択は「レジン」

レジンが大きくかけるようなことがあれば次は間接法でメタル修復(機能咬頭は残した形でアンレー修復)を勧めます。

口の中で、咬む力に対してレジンの耐久性では耐えれないという結果が出ているので、強い材料に変更します。

  

 

結局、一度治した歯は咬み合わせの問題で必ず再製の時期が来ます。

ただ、この再製のサイクルを長くするような配慮は可能かと思っています。

 

 

以上、咬合の勉強から逃げ出した歯科医師が感じる材料選択と咬合付与でした。

結局、詰め物・かぶせ物は材料より咬み合わせ(夜間の歯ぎしり)でダメになる気がしています。。。(>。<)

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