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歯の為に知っておくと良い「歯と歯の間の虫歯」の治し方 

大人の虫歯は歯と歯の間に出来る場合が多いです。

 

歯と歯の間の虫歯を治すには2つ

1、インレー(金属、セラミック、レジ系材料)

2、レジン(CR・プラスチック)

   

私がインレーをしない理由

1、削る量が圧倒的に多い

2、仮詰め期間中(インレーが出来上がるまで)象牙質への細菌感染がある。

3、削った部分にプラーク(菌)を付着させたままくっ付けてしまう。

4、インレーを付ける為のセメント操作が難しい(セメンティング・セメント除去)

5、材料の特性上大きな虫歯まで気づかないことがある

 

この5位の理由を動画にしました。

 

適合の良いインレーは短期~中長期的に見ても予後がいいと思います。

ただし、中期~長期的に見ると機能咬頭側の歯に問題を起こしやすいです。

上顎でいうと、口蓋側咬頭(舌側の山)

下顎でいうと、頬側咬頭(頬側の山)  

  

これは何故起こるか!?

  

歯と歯の当たる場所に物性の違う2種類がありこれも力の関係で、

「弱い方が負ける」

歯のエナメル質は水晶と同じような固さを持つ「石材」のような組織です。

一方ゴールドは柔らかいと言われますが、「金属」です。

例えると、「強化ガラスの道路に金属製のマンホールの蓋、そこに毎日100回ボーリングの玉が落ちてきます」

10年後そこは入れたままの状態を保てるでしょうか!? 

人の体は経年変化で徐々に変わっていきます。

咬み合わせも年々歯ぎしりなどで擦れて低くなっていきます、「18歳の頃と40歳では明らかに歯の形が違います」

2023 EEdental SAN.jpg

先日仮歯を入れさせて頂いた77歳の患者さん

天然歯は歯ぎしりなどですり減り凹んできていますが、この変化は人工物(セラミック、金属、レジン)では起こりません。

    

強化ガラスの道路にマンホールの蓋の境界部には差が生まれます。

つまりこれが動画の小さな穴なのです。

そこから虫歯が始まりしらないうちにインレーの下で大爆発します。

(ただし、そんなに多くはないです) 

 

インレー治療でこれを避けるには簡単です。

「機能咬頭付近は削らない、不必要な予防拡大などはしない」

*ただし、一回インレーを入れるとやり直し3回目にはこのような状況にはなってしまいます。

  

1908年に提唱されたBlackの窩洞形成の原則

Quint Dental Gate - キーワード (quint-j.co.jp)

  

凄いですよね、115年前の技術の基礎が今も教科書で伝わる原則になっています。 

今は2023年ですから、当時の材料や設備とはことなります。

レジン治療の登場と接着技術の向上により、ファーストカリエスならBlackの窩洞形成の原則にのっとる必要はありません。 

  

2級インレー治療と同じC2・コンタクトカリエスをレジンで治す場合

【私がブラック先生の原則に当てはめると】

(1)窩洞外形 ⇒ 殆ど気にしません。むしろエナメル質がより多く残るような内開きの削り方をします。
(2)抵抗形態 ⇒ 殆ど気にしてません。
(3)保持形態 ⇒ 削って行くと必然的に得られる形態になります。
(4)便宜形態 ⇒ 極稀にコンタクトを0.3~0.5mm調整することはあります。
(5)う蝕象牙質の除去 ⇒ 非常に気を使っています。(インレー、レジン共通)
(6)窩縁形態 ⇒ 0.1~0.2mmのベベルを付けます。
(7)窩洞の清掃 ⇒ 削って得ようとは思いません。
(8)予防拡大 ⇒ しません。

このようにインレーに比べレジン治療は圧倒的に削らず治療が可能です。

  

ですから歯と歯の間の治療というのは、レジンを第一選択肢にした方がいいというのが今の歯科治療の見解なのです。

 

ただ、日本の場合はやはりインレーが多いという現実があります。

理由は多くの患者さんを診るにはインレーの方が効率的だから。。。

 

肌感覚では今の若い先生はレジンを好みますし、年配の先生はインレーを選択することが多い気がします。

これを患者さんに言うと驚かれますが、時代時代で教育が変わるので世代世代で考え方、方針、治療法が変わってくるのが歯科治療です。

 

ですから、自分の希望する方法があればその治療が出来る歯科医院を探し受診してもらった方が歯科ではいい訳です。

  

医科の先生の名言「歯科医院選びほど難しいものはない

 

 

歯と歯の間の虫歯、あなたはどう治しますか!?

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