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被せ物の下の大きな虫歯 と歯の保存
- 2023年6月 2日 09:02
- 歯内療法日記
患者さんは50代女性
被せ物の横に詰めてあったレジンが取れ、大きな穴が開いている。
痛みはないが、歯が折れてしまいそう。
とのこと
レントゲンを撮らせてもらうと
被せ物の下、歯茎の中に大きな虫歯
神経を取っている為大きな虫歯でも痛みはありません。
患者さんには、教科書的には既に抜歯適応の状態
残そうとすれば、根管治療+矯正治療で引っ張り上げ、その後歯周外科(歯茎を切って骨を整える)が必要になる。
ただ、歯根が短い為そこまでやっても今度は歯が揺れてきてしまう恐れはある。
これらの治療も保険適応ではない為、治療費は40万ぐらいはしてくると思う。
そこまで出すならいっそインプラントの方が予知性は高い。
全く教科書的ではないが、自分の歯がこの状態であれば、
凄くマイナーな縁下カリエス(歯茎の下の虫歯)の治し方 - EE DENTAL_Blog
このような方法で残す治療をしますね。
歯茎の中にレジンは今の歯科界では嫌われますが、自分の臨床では全くトラブったことありません。
「歯肉弁根尖側移動術」をやらなくなって早10年 - EE DENTAL_Blog
歯茎の中のレジンが問題を起こすのは、レジンに段差があるから汚れが引っ掛かる ⇒ プラークが長いこと付着 ⇒ 炎症で腫れる
という流れだと推測しています。
一通り説明を行い、治療をすることに
虫歯を削って、フロアブルレジンで隔壁
幸い近心側に1壁だけ歯質が残ってくれており、このパターンはある程度強度が期待できる!
後、この治療は隔壁が肝というかここがいかに精度良く段差がないように出来るか!?が予後のポイント
歯内療法専門医とレジンを専門にしていて良かったと思う瞬間!
CR-ENDODONTISTですから(笑)
ただ、フロアブルを持って行く方法では側面がソフトクリーム状に僅かに凸凹が生まれます。
この部分はプロフィンを使って整えて行きます。
その後、ラバーをして根管治療+ファイバーコア+仮歯
(*久しぶりにファイバーコア作りました)
綺麗に治療出来たと思います!
今回のケースは仮歯のまま3カ月程度使ってもらい問題無ければ本歯に入れ替えて行きます。
出来れば10年ぐらいは使いたいですね(^。^)
顕微鏡が無かった時代なら残せない歯も拡大視野で治療することで保存できる歯というのは確実に増えていると思います!( ̄○ ̄)ノ
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