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歯根破折とパフォレーション(穿孔)所見はよく似ている
- 2023年8月15日 09:00
- 歯内療法日記
台風がきています。
医院は開いておりますが、危険だと判断したらキャンセルの電話を入れてください。
改めて、予約の時間を取らせて頂きます。
患者さんは50代女性
以前、他の歯の治療で来てもらった際に右上のレントゲンを撮りました。
ん~~~、破折を予感させる所見。。。
2021年時点で患者さんは問題なく咬めており、機能している。
患者さんには「怪しい影があるが、今触ると抜歯になりそうなので痛みが出るまで使って、問題出たら再診断しましょう」と説明
つまり問題の先送り
そして、先日とうとう
歯茎が痛い、普通にしていてもジンジン痛いということで来院
*咬んでも痛みは全くない
予想通り痛んだのは前回指摘した第2小臼歯
根側面を囲むような所見があり、患者さんに現時点で2つの予想できる
1、折れている ⇒抜歯
2、削り過ぎによるパーフォレーション(歯に穴を開ける)⇒保存治療を行うが難易度は高い
と説明
患者さんは残せれば残したいとのことで、治療スタート
太いスクリューピンを除去した瞬間、歯の中から出てくる血・・・
また破折線などはなく、今回の痛みの原因はパフォレーションと思われる。
1回法で根尖からパフォレーション部までMTAを入れレジンコアまで
治療時間1時間40分 綺麗に治療ができました。
治療後患者さんに動画で説明を行い、
「何でこうなってしまうのですか!?」と質問を受けました。
⇒ 見えていないから闇雲削る
もそうですが、レントゲンを見ると抜髄で無駄に神経管を削り過ぎていると思います。
私も大学の頃、ライター(指導医)に削れ削れ言われましたが、
今になってあのライターは何をもって歯の中を削れと言っていたのか!?
凄く疑問です。
最近の根管治療のトレンドは不必要に削らない方向になっています。
基本的に根管内の菌は臨床ツールでは見ることができません。
菌の培養検査で菌の有無を調べはできますが、根管内の菌をゼロにすることは出来ません。
*今の考え方は根管内の菌数が7割削減出来れば根尖病変は治るという考え方もあります。
また患者さんにパフォレーションの説明をしていると、
「やったな!こいつ!という感じですか!?」
と聞かれたので、
『パフォレーションは根管治療ではどうしても起こる偶発症の1つで仕方がないです。特に裸眼の治療では仕方がないです』
『ただ、言えるのはパフォレーション起こしたらほぼ気づいているはずなので患者さんには告知すべきだと思いますね』
『歯に穴開ければ120%根管内から出血があるので、根管治療をしている歯科医師であればまず分かります』
『ですから、やったな!こいつ!ではなく、《言えよ自分のミス!》でしょうね(笑)』
最後患者さんに、
『自分的にはかなり手ごたえあったのですが、治るかどうかは、後は天命に任せる!』と、
綺麗に治療出来たので治ってくれるといいんですがね (・ ∀・;)
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