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治療すると歯が悪くなる!?
- 2023年8月16日 09:00
- EEデンタル こだわり
患者さんは30代女性 旦那さんからの紹介
左上の歯が気になるとのこと。
レントゲンを撮ると
ん~~~。。。
銀歯が合っておらず隙間がある+虫歯の取り残し
なにより、手前の健康を歯を大きく削っている・・・
申し訳ないですが、治しているんだか壊して(悪くして)いるんだか。。。
実際、奥歯の虫歯治療は裸眼ではぼんやりとしか見えてません。
歯と歯の間の虫歯を削る場合、必ず隣の健康な歯は98~99%の確率でもれなく削られます。
削られて凹になるとそこは将来的に虫歯が出来ます。
1本の銀歯治療から年々銀歯が増えていく訳(推測) - EE DENTAL_Blog
これが銀歯を入れた隣の歯が将来的に虫歯になるからくりです。
銀歯を入れた歯の隣に虫歯ができる訳 - EE DENTAL_Blog
裸眼で治療していて「隣の歯は削っていない!」と言える先生は事実が見えていないだけです。
(すみません、もの凄く上から目線で^^;)
ただし、難しい所で正直に日本の保険治療費では手間はかけれないのでこれは日常的に仕方がないとは個人的には思います。
1mm以下の単位の仕事して、完成形まで作って利益が2000円も出ない仕事って・・・
患者さん的に言えば、健康な隣の歯を削らず治療は当たり前のように思えますが、隣の歯を削らず虫歯の歯だけ削るってもの凄く難しい技術です。
私のやり方は、隣の歯を削らないように削る道具を3段階に極細→細い→所定の太さと3段階に分けます。
ケースによっては4種類のバー(削る道具)を使い4段階に分けることもありますが、削る時間は一般的な時間の3~4倍かかります、また患者さんの開口量(頑張って口を大きく開いてくれるか)にも時間と難易度は関係します。
最初から一度に太いバーでガァ~と削る方が圧倒的に治療時間は早いですが、近い将来また再治療が必要になります。
ここまでしても、微妙に削る道具が隣の歯の表面に触れてしまいことは日常茶飯事です。
ですから、ここまでやっても隣の歯を削っていないとは言えません。
つまり凄く時間と手間をかけても少なからず歯の表面は削ってしまいます。
ただ、程度の問題はありますが今回の様にレントゲンに写るようだと結構削られています。
患者さんに了解を頂き、元の形態に近くなる様に、きちんと掃除しやすくなるように治療を行いました。
第1大臼歯の削られた所は案の定虫歯になっていました(医原性疾患とも言えるでしょう)
第2大臼歯も神経を保護してゴールドアンレーを段差がないようにSet
小臼歯にもコンタクトカリエス(歯と歯の間の虫歯)がありセパレーターテクニックで修復
レントゲン的にも綺麗に修復出来たと思います。
個人的な意見ですが、
日本の保険治療は痛みを取るという、歯科治療の本質はカバー出来ていると思います。
ただ、長く問題なく使えるようにしたいと言うことになると、今の制度では難しいと思います。
保険治療の7割は以前の治療のやり直しの治療という現実、そしてこの7割の中には治療を受けることで更に歯を悪くしてしまうというものも多いと思います。
歯科治療は患者さんが思っている以上に技術と時間が必要になる仕事になります。
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