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マニアックレジンの最近のブログ記事

親知らずの治療は大変!

患者さんは50代女性

かかりつけの先生に親知らずに虫歯があると指摘を受ける。 

(症状などは一切ない)

 

基本的に私はあまり親知らずの治療をしません。

理由は無理して治療しても磨きにくい場所に生えている為また虫歯にしてしまうから・・・ 

 

ですから私は親知らずに関しては、「次に問題出たら抜いてね!」と説明しています。

今回のケース、

レントゲン

2023 EEdental TAM (1).jpg

歯と歯の間にかなり大きな虫歯があります。レントゲン的には縁下(歯茎の下)にまで虫歯が進行していそう・・・

 

今回の患者さんは、右上8(親知らず)がきちんと右下7と咬んでおり右下6が欠損の為

この歯を抜くと極端に咬みづらくなると推測し話し合って親知らずの保存治療を行うことにしました。

 

症状はないことより患者さんに

「とりあえず神経残す方向で1回目治療してその後症状出たら後で歯の神経を取ります」と説明

メタルアンレーが入っておりの金属の面積が大きく当初はゴールドアンレーと説明していましたが、

 

いざ治療を行うと、メタルで歯を作るよりレジンの方がいいなと判断しレジン充填を行いました。

2023 EEdental TAM (2).jpg

縁下からフリーでレジンで立ち上げ、マージンを縁上にしてからマトリックスを入れカウントゥアーを作る。

小柄な女性の親知らずということもありなかなか道具が入らず難しかったです。

 

術後

2023 EEdental TAM (3).jpg 

3分の2はレジン(左側全部)

 

なんとか綺麗に治療出来て良かったです(^。^) 

頑張って奥まで磨いてくださいね! 

 

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健診の位置づけと虫歯の発見

健診に行っていたのに虫歯があったというケース

実は、虫歯って患者さんが思っているほど簡単には見つけれません。 

  

検診に行っていたのに・・・

  

患者さんによく言う例えは

「ドラム缶に泥水が入っています」

「泥が沈殿した後の上澄みを見えない所で、そぉ~とすくった水だけ見たら」

「綺麗な水」

「ドラム缶の底から水をすくってくれば泥水と分かります」

これと同じでどこまで深く診査したか!?

  

歯科で言えば、

虫歯がない前提でうわべだけ見たのか!?

レントゲンを細かく撮って、顕微鏡で1本ずつ拡大して観察して場合によっては特殊な検査機器を用いて検査をしたのか!?

  

つまり【虫歯を探しに行く検査をしたのか!?】

 

で、当然虫歯の発見率は異なります。

  

 

今回の動画は歯科医師の先生(久しぶりに動画作りました)

沖縄から久しぶりの来院だったので、顕微鏡で口全体をチェックすると

「あれ、虫歯じゃないか!?」

 

レントゲンを撮ってみるも

2024 EEdental m7.jpg 

はっきり虫歯の所見はなし。 

 

ただ、経験上これは様子をみていては神経を取ることになると判断し

患者さんに説明後介入すると、大きな虫歯が出てきました。

術後の動画説明の際に患者さんの先生に「こんなに小さく処理してくれたんですね!」

と言われましたが、さすが歯科医師の先生

治療の難易度を分かってくれるのでやりがいがあります(笑) 

 

  

こういった奥歯の虫歯を3ヵ月に1回検診していても、かなり虫歯を見つけるのが得意な先生でないと痛みが出てから、「虫歯がありますね!」というケースになりかねません。

  

歯科でよくある検診に行っていたのに大きな虫歯が見つかる件に関しては

ある面保険診療では仕方がない部分があると思います。

歯が無くなる原因と歯の長期安定因子 - EE DENTAL_Blog

  

個人的な意見では、3ヵ月おきの裸眼での検診より2~3年に1回虫歯を本気で探す検査を受けた方が虫歯発見にとってはいい気がします。(超私見)

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歯に穴の開いた!虫歯かな!?

患者さんは歯に穴が開くと虫歯かな!?と思って来院してきてくれる方がいますが、

実は、この状態治療でいうと、既に【後手】の治療になりやすい。

  

私の中では治療というのは、適切な治療介入の時期があり、治療は早くてもダメ!遅くてもダメ!と思っています。

  

ただ、この辺りはあまりシビアに考えなくてもいいのですが、2つ言えるのは

・後手になると治療の難易度があがり予後が悪い

・後手になると歯を削る体積が増え、抜歯が近づいてくる・・・

  

なので、私は患者さんに年に1回ぐらいは他の歯科医院で診てもらってください。と説明しています。

その方が早目に虫歯を指摘してくれるので、後手の治療になりにくいと思います。

*すみません、EEデンタルメンテナンスや管理はしていません。

 

今回の患者さんは13年前に他の歯の治療さえて頂いた患者さんで、13年ぶりの来院

 

歯に穴が開いたことより、虫歯かな!?と思い来院、現在普通にしている時は現在痛みなどはない。

2024 EEdental OOM (1).jpg 

少し大き目の穴が開いています。

  

レントゲン

2024 EEdental OOM (2).jpg

かなり大きめの虫歯が確認できます。 

  

治療後の削ったイメージに照らし合わせると

2024 EEdental OOM (5).jpg

穴の開いた場所の3倍以上の虫歯が中にありました。

  

ここまで大きな虫歯は既に2~3年以上前からレントゲンを撮っていれば確認出来ていたと思います。

虫歯の性質は、入り口(エナメル質)は小さく中(象牙質)に入ると大きく広がります。

 

今回のケースも典型的なパターンで、歯と歯の隙間から小さな虫歯が出来長年かけて中で大きく広がり

中が空洞化してしまい、卵の殻のように残った天井部分が咬んだ際に地盤沈下を起こすように下に落ち穴が開いた。

というものが想像できます。

 

レントゲン的には抜髄も1つですが、神経が虫歯を嫌がってか前側に逃げてくれているので

患者さんにはとりあえず1回目の治療は神経保存+レジン治療 

その後痛みが出なければフィニッシュ!、もし痛みが出たら後で3mmの穴を開けて抜髄(神経を取る)と説明。

  

個人的には症状が無く、レントゲンで根の先に影がなければ虫歯が大きくても1回は歯髄保存を行います。

神経抜くのは後でもできますが、神経を残す処置は1回だけのチャンス!

後、神経を抜いた歯と言うのはトラブルに遭いやすくなりますので神経を残す価値というのは大きいです。

正直な話、ここまで虫歯が広がると神経取って被せた方が歯科医師的には手っ取り早いです。

その方が治療の難易度もさげれますし、治療費的にも5倍以上医業収入があります。

 

今回のケースのレジン治療の難易度は歯肉縁下にも虫歯が広がりその部分の切削、歯肉縁下からのレジンの立ち上げ、なにより虫歯で開いた歯の中に歯肉まで入っているので難しいに分類されると思います。

 

治療時間 1時間30分

口蓋根付近にピンクスポット(神経が透けて見える)がありましたが、覆髄を行いレジン充填

2024 EEdental OOM (4).jpg 

レントゲン

2024 EEdental OOM (3).jpg

歯肉縁下から綺麗に立ち上げられました。

縁下からのレジンの立ち上げ方は色々方法がありますが、今回のケースはマトリックスをトリミングして縁下のマージン形状に合わせレジン充填を行いました。

後、ウエッジもカスタムするのと、入れるタイミングとセパレーティングする為に大・小2本を入れマトリックスを固定

 

頻繁(3ヵ月に1回)に歯科医院に検診に行く必要は私はないと思っていますが、年に1回ぐらいは歯科医院で検診を受けた方が後手の治療にならず済みますよ(・∀・)ノ 

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歯肉縁下にレジン充填 術後12年

むか~し、ブログにさせて頂いた

ある1つの提案 「外科的レジン治療」 - EE DENTAL_Blog

歯ぐきの再生能力! - EE DENTAL_Blog

2023 EEdental OOM (1).jpg

 

 

久しぶりに患者さんが別件で来ていただいたので、レントゲンを撮らせてもらいました。

2023 EEdental OOM (2).jpg

術後12年 口腔内

2023 EEdental OOM (3).jpg

マージンに着色はあるものの、全く問題無さそうです。

 

歯周外科や矯正などしなくても、予後の良い治し方はあります。

「歯肉弁根尖側移動術」をやらなくなって早10年 - EE DENTAL_Blog

 

今の時代レジンを縁下に詰めても問題が起こることは殆どありませんね。

ただし段差なく綺麗に詰めれていればですけど・・・

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隣の歯も削ってしまう現実と起こってしまう医原性の虫歯!?

たまに同じ内容のこと書いていますが、

自費治療のセラミックインレーは歯の寿命が延びる!? - EE DENTAL_Blog 

 

以前、初診で来られた患者さんに

患:「ブログ見ましたけど、先生は顕微鏡を使用してやっているから削らないですよね!?」

と質問を受けましたが。

私:『いや、どんなに気を付けても6割ぐらいは自分も隣の歯は微妙には傷付けていると思いますよ』

患:「えぇ~!!」

私:『顕微鏡でないと分からないもの凄く微々たる量ですけどね。奥歯の治療で隣の歯を削らないのは難易度かなり高いですよ。』

*一応、言っておくと私の削る量は裸眼ではまず識別できない単位です。 

 

というやり取りがありましたが、隣の歯を削らず治療するのであればまず見えてないといけません。

たぶん、裸眼では120%隣の歯を削ってしまいます。。。

(そんな手先の感覚できるような簡単なものではありません)

 

    

今回の患者さん  

適合の良いインレーが入っているのですが・・・

  

口腔内

2024 EEdental KAK (2).jpg

緑の丸部分が何も触っていない本来の豊隆(丸み)

赤丸部分が問題の場所:

第2小臼歯近心はガッツリ削られ、第2小臼歯の敷地内(元合った所)に第一小臼歯(隣の歯)のセラミックが入ってきています。

第一大臼歯も同じように削られています。

 

2024 EEdental KAK (1).jpg

歯と歯は卵と卵(曲と曲)が点状に接触した状態が理想なのですが、人の手が入ると殆どこの状態が壊され、線と線、凹と凸の形状になりやすいです。

また削られた場所は虫歯に非常になりやすく、今回のケースもガッツリ削られた第2小臼歯近心面に虫歯がありました。

 

 

患者さんには、 

第2小臼歯の敷地内に入ってきている白い詰め物を削ってある程度丸みを整えないと物が詰まりやすくなりやすいと説明し(凹と凸パターンは物が詰まりやすい)

今回のケース治療方針としては、

第一小臼歯の詰め物を修正(トリミング)してスペースメイキング、その後第2小臼歯をレジン充填

  

で、治療後のレントゲン

2024 EEdental KAK (3).jpg 

凹状からストレートからちょっと丸みを付けれました。

 

こういうのを見ると、

歯科治療はセラミックインレーが良いとか、ゴールドインレーが良いとかの議論ってあまり意味ないような気がします。

結局歯科治療って、材料ではないんですよ(・∀・)ノ

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歯茎の下の虫歯

歳を取るということは、誰でも体の変化はあるものです。

これは口腔内でも例外ではなく、30代、40代では問題無かった方でも50歳超えた辺りから

疲労を受けた歯がかけたり、割れたり、歯周病で骨が無くなったり、歯茎がやせてきたりします。

 

これはある面仕方がないことであると思っています。 

  

医学の進歩でそれに抗うような再生治療もありますが、長期的にみてどの程度患者さん利益があるのか少し疑問がありますが、医学とはより良いものを目指して発展し続けます。

   

  

話が脱線しました(笑)

 

今回の患者さんは40代 女性 主訴は虫歯を治したいとのこと

レントゲンを撮ると

2023 EEdental MAE (1).jpg

歯茎の際から歯茎の下にかけて大きな虫歯が確認できます。 

推測になりますが、加齢により歯肉の退縮が起こり歯根面を磨いていなかった為に出来てしまった虫歯にも思えます。

 

個人的には口の中で最も治療が難しい場所に虫歯が出来てしまった感じ・・・

 

可能であればこういったアプローチ

 

をしたかったのですが、歯茎の中過ぎてこのアプローチは不可能

 

一度神経の残す方向でトライはするがカリエスも大きく、患者さんには根管治療になる可能性があること 

もし神経を取るようならクラウンになると説明し

 

 

患者さんにOKをもらい、

歯髄保存の方向で露髄させないように慎重にアプローチ

2023 EEdental MAE (2).jpg

電気メスを駆使して何とかレジン充填で治療を行いました。

縁下はフリーハンド、縁上までレジンを詰めそこからマトリックス操作

顕微鏡がないとできない方法ではありますが、30年前にはできなかった治療が今は可能な方法となりました。  

 

患者さんには、痛みが出たら神経を後で取るから言ってください。

後、1~2日ぐらいは安静にしておいてください。 と説明し

 

次回来院の1か月後

2023 EEdental MAE (3).jpg

症状は一切出ていないそう。

 

この状態であれば、このまま経過観察していけばOKかな。

 

歯茎が下がってくる40代以降は奥歯には歯間ブラシ(小さめ)をいれてもらう癖をつけた方がいいと思います! ( ・д・)ノ

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なかなか良い感じ!

術前写真のない左下7  治療後のレジンアンレー

IMG_4988.jpg

最初、体積的にも部位的にもゴールドアンレーを予定していましたが、

術前時に患者さんに「詰めれそうならレジン(プラスチック)でいいですか!?」と聞き

何とかレジンで修復しました。

 

ゴールドもいいのですが、他面に虫歯が及ぶ場合健康な歯の切削量が大きくなるので

詰めれそうで、レジンでも強度的に無理がない場合このように治療計画をかえることが稀にあります。

 

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大きな虫歯の歯髄保存1年予後

去年治療させてもらった歯の1年予後 

上顎の奥歯はここに虫歯が出来やすい(シールドレストレーション) - EE DENTAL_Blog

 

かなり大きな虫歯でしたが、シールドレストレーションで神経保存を試みました。

シールドレストレーション:部分的に虫歯を残し治療する方法

わざと虫歯を残す治療法「シールドレストレーション」 - EE DENTAL_Blog

治療後のレントゲン 

2023 EEdental ITT (1).jpg

  

1年ぶりの再来院、症状はなく歯磨きもきとんと出来ています。

レントゲンを撮り、神経が死んできていないかチェック

2023 EEdental ITT (2).jpg  

1年前と変わりなく神経も死んできていないので、このまま様子をみてもらうことにしました。

 

基本的に、私は虫歯は全部削る派です。

ただし、そこは考え物で虫歯を全て取ると神経が露出してしまい予後が悪いと判断すればこんな方法で神経保存を行います。

歯の治療は一生持つわけではないので、将来的に次の治療が必ず必要になるでしょう。

ただ、今神経を取るのか!?10年後神経を取るのか!?20年後神経を取るのか!?でも歯の寿命は大きく変わってきます。

  

歯内療法専門医なので、人より神経を取るのは慣れています。

セミナー次の日の3mmの穴からの根管治療 - EE DENTAL_Blog

ただし歯内療法専門医と言えど成功率は100%ではありません、抜髄でも少なからず失敗はあります。

  

ですので、私は歯を長く残せるような考え方をします。

 

一応、タンニンという材料を歯の中にいれていますので、理論上は残した虫歯部分はまた硬い組織に変わってくれているとおもいますので、もし歯がかけた場合で治療が必要になった場合次も歯を神経を残せる可能性は僅かながらまだ残っていると思います。

 

歯を長く持たせる為には、ある程度戦略は必要です。

*中に入れる材料で予後が決まる訳ではありません。

今書かれている教科書的な治療が必ずいい訳ではありませんし、医療は日進月歩で10年後には教科書の内容も変わります。

また審美性を重視するのか、歯の長期保存を重視するのかにもより介入方法、介入時期は異なります。

 

ありがたいのはEEデンタルに来られる患者さんの中にはブログである程度私の考え方を知って来てくれている初診患者さんもいるので説明がラクになることも多々あります。

因みに、同患者さんの下顎6の大きな虫歯も 

神経付近まの大きな虫歯 抜髄 (根管治療) 確定!? - EE DENTAL_Blog

2023 EEdental ITT (3).jpg 

こちらも問題無く経過しております!(同日にレントゲンを撮らせてもらいました)

  

 

まぁ、こういった治療って手間の割には医院の医業収入って上がらないので一般的な治療法にはなりませんが、患者さん側からしたら神経を残すメリットってメチャクチャ大きいですよ。

現在、一度取った神経を再生させる治療が出てきてはおりますが、治療費は80~90万ぐらいします。

残せる可能性のある神経を1万円(3割負担で3000円)で取って、後で何十倍の費用で再生させる。

 

ん~、何か凄い矛盾を感じる。。。

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症状のない大きな虫歯

患者さんは

左下6に大きな虫歯があり穴が開いています。 

2023 EEdentalUMU (1).jpg

ただ、患者さんは一切症状はないそう。

レントゲン上ではかなり神経に近い場所まで虫歯が進行しております。

   

この歯レントゲン上では根尖に透過像もないし、歯根膜腔の広がりも無い為

患者さんに「正攻法で虫歯全て削って取るなら神経を取る治療が必要になる可能性:大」

「ただ、虫歯を部分的に残すシールドレストレーションなら神経の保存治療が行える可能性はある」

「個人的にはなるべく神経を取るのは後回しにした方がいいので、今回はシールドレストレーションを勧める」と説明

 

患者さんにOKをもらい   

シールドレストレーションで神経付近の虫歯を多少残しレジン充填

2023 EEdentalUMU (2).jpg

見事に髄角ギリギリでしたが、露髄はさせていません。

*覆髄材にはテンポラリーセメント(ソフト)使用

 

 

患者さんが別件で来院されたのでレントゲンを撮らせてもらいました。

2023 EEdentalUMU (3).jpg 

症状もなく普通に咬めるとのこと

レントゲンでも神経は弱っていないように見えます。

 

今回のように、虫歯が大きい ⇒ 神経を取る1択 ではなく

きちんと診断して手間をかける治療をすることで神経を残せる場合もあります。

 

個人的には、昔はシールドレストレーション否定派でしたが、今はケースを選んでたまに行っています。

歯科の考えは自分の経験則のなかでも日々変わっておりますが、基本的に体の法則に則った治療を心がけております。

(極論:歯科で私の目指す治療は、「究極の延命治療」だと思っています。使っていれば必ず歯は悪くなります。使っていて悪くならないものはこの世の中の殆どありません。) 

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開口量と治療難度

基本的に奥歯の治療は前歯に比べ、奥に生えているので治療がやりにくいです。

   

特に小柄な女性だと男性の口の開く人に比べ、道具が奥まで入らない為

開口量の問題で難易度が1つ上がります。

難易度が上がるということは当然予後も悪くなります。 

 

患者さんは30代女性 以前虫歯治療で来院されておりその際見せてもらった時には

左上7は咬合面から頬側にかけてメタルインレー不適(銀歯が浮いている)、咬合面から近心にかけてセラミックインレー、頬側の歯頚部にかけて虫歯の取り残し+不適合レジン

という状態で最低でも3回治療を受けた後がありますが、見えない難しい治療なのである面仕方がありません・・・

  

奥の見えない所なので、当然詰め物も段差も出来やすいですし、磨き残しも出やすく虫歯にしやすいです。 

この時は、治すとすればクラウンになるかも!?と説明

  

 

先日 2年ぶりに電話があり「銀歯が外れた」と来院

2023 EEdental KAY (1).jpg

患者さんには口蓋側の機能咬頭がしっかりしているから、クラウン前に

ゴールドアンレー(4/5冠タイプ)にしてみてはどうか!?と提案

患者さんもなるべく削りたくないとのことで、ゴールドアンレー(金歯)で治すことになりました。

  

小柄な女性で、ミニヘッドの5倍速やカスタムしたダイヤモンドバー、EENOスフィアなどを駆使して虫歯を除去

 

術中(技術のない私ではラバーなど出来ない開口量でした)

*手前はセラミックインレーですが、小さな段差はあるものの今はきちんと磨いてもらえばOK

2023 EEdental KAY (2).jpg   

左上7はペラペラの近心頬側咬頭が残りました。

メタルアンレーにするにはこのペラペッラな部分を削るのですが、

30秒考え患者さんに「レジンで治してみる!?」と提案

 

患者さんからの「OK」をもらい。

 

レジンはこのペラペラの歯質でも支柱の役目をするので、ないよりあった方が良いです。

2023 EEdental KAY (4).jpg 

アンレータイプのレジン充填 

『術前⇒術後』のレントゲン

2023 EEdental KAY (3).jpg

なるべく削らない方法で修復を終えました。

 

間接修復を行う為には「便宜形態」といって、詰め物を作る為に健康な歯を削ってしまいます。

逆に言えばレジン治療は便宜形態がインレーに比べかなり小さく抑えられますので、

自分の歯を削りたくない人に向いている方法かと思いますが、治療する側がレジンを詰める技術があれば現代はこんな治療も可能です。

 

最後大臼歯にレジン充填で怖くないか!?という質問もあるとは思いますが、基本的にモノブロック処理している為か、私の臨床ではレジンでも全くトラブってきていませんね(^。^)

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