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歯科医院3軒でCTまで撮ったが痛みの原因が分からない
- 2025年6月20日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは海外に住む日本人男性
2017年に左上の歯の治療を行わせてもらいました。
先日メールがあり、左下の歯茎が腫れ現地の歯科医院3件に行き、いずれもCTで確認するも異常が分からず、抗生剤の投薬のみ行われた。
抗生剤で一時的には良くなるが、すぐに左下の奥歯の内側が腫れてきてしまう。
虫歯のような痛みはなく、4ヵ月も治らない為根の方が悪いのでないかと疑いメールをしてきたとのこと。
一時帰国するので可能であればEEデンタルで治療を受けたいとのこと
またわざわざ海外から来てもらい、見させてもらうと
左下7の舌側の歯肉が腫れ、膿が出てきている。
まず小さなレントゲンで診察すると
「はい、左下7の外部内部吸収が原因で腫れている」と1秒で判断
いやいや、3件でCTまで撮って何故原因が分からない・・・!?(★。★)
患者さんには歯を残す為には、かなり難しい状態
治療をするようならCT撮って吸収場所を特定してから治療するが・・・
CTを撮ると、腫れている近心舌側の歯肉縁下に外部・内部吸収が見られました。
経験上この部分の吸収は非常に難しい・・・
治療1回目
セラミックアンレーを外して歯を削って行くと、思っていたより吸収が大きく出血が凄く止血ができない
治療の流れとしては、まず吸収部分の穴の大きさを確認して、止血を行いレジンで吸収部分の封鎖をまず行う必要があるのですが、1時間以上やっても止血できず・・・
また部位的にも舌神経があり電メスで止血するのも恐ろしい。。。
患者さんには「すみません、ちょっと保存は難しいかも・・・」と謝り
この日は穴の開いた場所にネオダインを圧接して、圧迫止血するように治療終了
治療2回目
ネオダインの影響か、出血は止まっており何とかレジンで隔壁(穴埋め)が出来る状態に
まさか、穴埋めで都合2時間半も費やすとは思わなかった・・・(文字にすると簡単そうですが、難易度はかなり高かったです)
隔壁後、3本の神経管の治療を行う。
治療3回目
食事の際に油断してしまい咬んでから痛みが続いている、痛み止めを飲まないと寝れないぐらい痛い
抗生剤を処方し中を消毒
治療4回目
前回の治療後から4日ぐらい激痛、腫れは10日ほどで収まった。
歯の中を診ても出血や膿などは見られないので、根管充填+レジンコアまで
綺麗に治療出来たと思います。
この後、この歯の経過をみて行きたいと思います。
いや、診断は1秒でできる初級レベルでしたが、ホント処置は難しかったし色々なことを考え治療する必要がありいい経験が積めました。
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