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EEデンタル こだわりの最近のブログ記事

大きな虫歯治療と歯髄保存(直接覆髄)

患者さんは40代男性 10年ぶりの来院 

どうやら、過去に治した後に歯科医院に行っていなかったみたいで

また虫歯で穴が開いてしまったみたい

 

レントゲンを撮ると

2024 EEdental INA (1).jpg

左上6には大きな穴(虫歯)

左上5は歯茎のなかに大き目の虫歯

 

この状態だと2本神経を取って、クラウンにするというのが一般的かも!?しれませんが。

 

ただ虫歯の大きさ、位置的に難易度は高い。。。

 

このケースも患者さんに事前に

左上6は神経治療 左上5は左上6を削ったスペースを使いレジン充填

と説明し2時間の治療時間をとりましたが、 

  

実際行ったのは、2本とも直接覆髄+レジン充填 

2024 EEdental INA (2).jpg 

縁下から段差なく綺麗にレジンが立ち上げられました。 

 

こういった顕微鏡を覗きっ放しで、細かい処置の連続で治療を仕上げますが、

1点、私がラクさせてもらっているのは、患者さんが私の治療スタイルをある程度理解してくれているので、

途中で、「〇〇さん、なんとなくこの歯神経残せそうなので今回は神経取らず残す治療していいですか!?」

とその場で聞いても「先生、もし神経残せれば私もその方がいいのでお願いします!」と説明をかなり簡素化できる点がありがたいです。

 

こちらのケースもそうなんですが、

治療はライブ - EE DENTAL_Blog

 

神経保存は1回だけの賭け!途中でながなが説明しているのは、成功率にも影響してきますので、

あまり説明に対して理解に時間がかかってしまう方だとこのような途中で計画を替えるは難しい面があります。

  

 

今回のケースも術後患者さんに「持続痛が出てしまったら、後で神経を取るから言ってね!」

その場合レジンに3mm程度の小さな穴を開けて治療を行います。

セミナー次の日の3mmの穴からの根管治療 - EE DENTAL_Blog

 

今回のケースはやっている本人も2本とも神経残す処置になるとは思いませんでした( - ω - ;)ゞ

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根管治療後のクラウンの精度の問題

患者さんは40代女性

右上のクラウンの縁に段差があり、そこに穴・虫歯があります。

2024 EEdental YAYU (1).jpg

 過去の根管治療はしっかり出来ているのですが、被せ物の精度が低い為か歯の中に細菌感染しているように思えます。

 

口腔内

2024 EEdental YAY (6).jpg

白い被せ物がありますが、右上5の縁(マージン)は凸凹があります。

  

思うのですが、なぜ奥歯のクラウンのマージンを歯茎の奥までわざわざ入れるかが不思議

今回のケースも歯茎の中2mm以上まで削ってあり、そこは全然覆えていない(隙間がある)

 

「歯茎の中までなぜ削り込むのか!?」

メリットは1点 歯と人工物(被せ物)の継ぎ目を歯茎の中に入れ綺麗に見せる! 

ただし、デメリットは

・歯茎の中まで削るので歯茎を傷める

・型取りが極端に難しくなり、被せ物の段差が生まれやすい

・接着剤でクラウンをくっ付けた後、セメントの取り残しが多い(のちに歯肉炎になります) 

・再治療がしにくい、場合によっては骨を削って歯茎を下に下げる手術も必要

★患者さんも歯磨きがしにくい、臭いの元になることも

ホントに、審美的な面以外あまりメリットが見えない。。。

 

なのに見えない歯茎の下の部分まで白いクラウンを入れたがる!?

なぜ、メリットの少ない治療を第一選択にするのか!?

そもそも、正しい治療なのか!? 

  

とりあえず、

自分は、クラウンの下の大きな穴を処理して根管治療を行いました。

2024 EEdental YAYU (2).jpg

骨と同じレベルまで削ってありました。

顕微鏡で治療している人間としては、裸眼で見えない部分は適当に削っちゃダメ!と思います。

  

こういうケースはこの後、歯肉、骨の手術を行います。

ただ、自分はやりません!(これもメリットに対するリスクが大きいので)

「歯肉弁根尖側移動術」をやらなくなって早10年 - EE DENTAL_Blog

歯肉ちょっと縁下で形成を行い。

2024 EEdental YAYU (3).jpg 

セラミッククラウンを準備

 

口腔内

2024 EEdental YAYU (4).jpg

入れてすぐなので、後1週間もすればもう少し歯茎が馴染んできます。

 

 

自分は補綴(被せ物)の専門医ではありませんが、歯を長く持たせる観点からすると

削る位置というのは歯茎の際辺りに設定した方が再治療の際にも、ラクになるので自分の歯ならこちらを希望しますね。

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情報は毒にもなるし、言葉は薬にもなる。

EEデンタル 心配性の患者さんが時々来院されてます。

経験上、心配性の患者さんはまじめな神経質な患者さんが多いです。

  

患者さんが気になっている場所のレントゲンを撮り診察を行いますが、悪い所見はなく

今は診断できない・しずらいような、場合もあり、その場合は

「ちょっと待って時間をあけてもう一度診断する待機診断をしましょう」と説明します。

 

逆に診断をし全く怪しい所見がないと決まって、「気にしないでいいよ」で終わりますが、

患者さんによっては、「先生にそう言ってもらうと何故か痛みが消える」という人も一定数います(笑) 

*人は思い込みでも痛みを作りますし、言葉で治す医療はあってもいいと思います。 

  

   

まぁ、こんなタイプの歯科医師なので合わない人は転院されて行きますが、これはこれで全然OKだと思います。

  

転院は全然OKなのですが、転院先の問題

 

 

先日、数年前にある歯科医院で根管治療をしないと抜歯になると言われ、

小臼歯2本をMTA根充してクラウンを入れてから体調を崩し、そこから精神的にも参ってしまい3回ほど入退院を繰り返した患者さん

入院先の口腔外科のY先生が色々してくれているが不安が先行する。

  

Y先生に「心配だったら根の専門医紹介するけどそれは僕が判断する」といわれていたのですが、やはりそこは心配性の患者さんすぐさま歯科医院を先生から聞きだし

 

EEデンタル受診

色々話を聞くと結構大変な経過があり、ストレスから痛みが出ている感じ

前回治療した所も3回根管治療をしており、本人が言うのは10カ月ぐらい痛みは我慢しながら生活していた、幸い口腔外科のY先生に出会い、痛みは徐々に引いて来ている。

  

客観的にみて前の先生が治療した小臼歯に根尖病変はなく、特に治療をする必要は無さそう。

ただ、口腔内がかなり汚れ(プラーク)ており患者さんに「痛みを取りたければまず歯を磨いた方がいいですよ、口腔内の汚れ=細菌でこれが歯、歯肉に付着していると炎症が起こり結果体が悪くなる」と説明

  

1か月後患者さんも頑張って歯磨きしてくれたようで口腔内はかなり綺麗になってきている。

   

少し虫歯はありましたが、精神的に落ちている時にわざわざ小さな虫歯を治療する必要はないと判断し今回は何も処置せず、患者さんには虫歯は1年程度で大きく変化するとは思えないと伝える

9か月後 痛みなどの症状が落ち着いて精神的にも安定してきたので治療したいと連絡

  

そんなこんなで少しずつ2年かけて治療を行い終了!

痛みもある程度落ち着けさせることができ、めでたしめでたし!だったのですが・・・ 

 

先日電話で連絡があり、

「先生、東京の〇〇歯科って知ってます!?」

『いや、知らないですね』

「院長が咬み合わせの専門で、そこの院長が発案した特許も取っている咬み合わせの治療があるみたいで試してみたいんですけど」

*一応ネットでHPは見ました。

『何の為に!?』

「咬み合わせが悪くて痛みが出るということなので」

『今痛いの!?』

「たまに少し痛む気がします」

『最初の痛みを10とするとそれに比べるとどう!?』

「1以下」

『ん~。 食べれます!?』

「食べれます」

『どうしてその歯科医院へ行くの!?』

 

「食べれるんですけど、もうちょっと良くならないかな!?と思いネットで東京の先生を咬み合わせの歯科医院を見つけて・・・」 

 

ここからは私見ですが、

ネットのない時代、痛みが10から1まで減りこれだけ収まり普通の生活が出来るようになれば、良かった良かったで終了だったと思います。

 

ただ、今の時代ネットで調べようとすると些細なことでさえ情報を得てしまいます。

 

 

患者さんが、真偽を見分けれればいいのですが、それはまず120%無理、不可能

都合の良い情報は非常に魅力的に感じてしまいます。 

 

悩んで悩んで、ネットで検索してまんまと嘘情報に引っ掛かるというパターンもあります。 

   

 

患者さんにも言いましたが、

「その先生1人しか出来ない治療=再現性がないので科学ではなく、それは宗教!」(友人の先生に昔よく言われました)

  

私は咬み合わせの学問は宗教に似ていると思っていて、これといった絶対的な治し方がないので色々な学派の考え方が乱立している。

ですから、キリスト教もあればイスラム教、ヒンズー教、仏教といったグループがあります。

でもその中でも、その一人の先生しかできない=『カルト宗教』だと思っています。 

   

だって、素晴らしい方法であれば世界中に広まりますよ、それが今のインターネット時代です。

  

そのカルト宗教で治る人もいるでしょう、ただ逆にデメリットが大きく出た場合今よりかなり悪くなることも十分考えられます。

 

ですから今回の患者さんには、

『そこの歯科医院に行っちゃダメなんてことは言いませんけど、治療すかはよく話を聞いてからにした方がいいですよ。』

『後、今よりまた悪くなっても、もう自分は治せないですからね』

とだけ伝えました。

*冷たい言い方にも捉えられますが、自分なりの意見を話します。  

   

大きく分けて医療は西洋医学と東洋医学に分かれます。

西洋医学が優れていて東洋医学は劣っているなど微塵も思いませんが、東洋医学はその先生にしかできない神業系が多い気がします。そのお弟子さんなどが師匠の技を継承し引き継がれていますが、この方法は強いエビデンスが生まれにくい環境にあります。

  

特に歯科はどちらかと言うと東洋医学より西洋医学的なアプローチの方がエラーが少ないと思います。

 

最近は「標準治療」という言葉も出てきています。

これは西洋医学、東洋医学関わらずある程度信頼性がある治療のことをいいます。

 

どこをゴール設定にするかで医療介入の有無は変わってきますが、標準治療で診療を組み立てている歯科医院が私はいいと思います。(保険診療などはその最たるもの)

 

少なくとも補綴(クラウン)で咬み合わせを治していくという治療はマジで止めた方がいい!

後で悪くなって転院されても治しようがない場合が多々あります。

(昔、愛知県の患者さんで咬み合わせが悪く東京の歯科医院で全てクラウンで治したが、咬めないという方も来られましたが、反対咬合の患者さんを補綴で何とか出来る訳ないだろ!と治療した歯科医師に突っ込みたかったですが患者さんには「大学病院に行った方がいい」とだけ伝えました。) 

  

 

今回の患者さん、しばらく後にEEデンタルに来て

「先生の話聞いて行くの止めておいた。それと後気にしないようにした。」

「先生の言うことが一番信頼できる。だって今私食べれているんですもね!」

と言われました。

*結構前向きに捉えられていて表情も明るくなった気がします。 

  

医療はホントヤバいものが存在します、特に咬み合わせの大きな治療を計画される場合セカンドオピニオンなどで確認は絶対取った方がいいと思いますよ。(全顎クラウン入れて長期に持つわけないじゃん!と自分は思っています。生まれ持って経年変化ですり減った歯でもそちらの方が予後は安定しています。矯正含め人間の作った咬合なんてそんなに長持ちしませんよ。ナチュラルが一番予後がいい) 

成人歯科矯正のリスクとデメリットよく考えてからやってね。 - EE DENTAL_Blog

 ↑ 結構反響ありました(笑)

  

 

インターネットが出来て便利にはなりましたが、はたして生活が豊かになっているのでしょうか!?

    

私が育ったインターネットが無かった時代の不便さの方が良いような気さえしています。

少なくとも不安症の人はネットとある程度距離を保った方がいいと思いますね。

  

歯なんて無くても生きて行けるんですから、そこまで深刻に悩む必要はないと個人的には思っています(笑)

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感謝の気持ち

昨日、珍しく小学校の女の子の治療を行いました。

初めて行った歯科医院で虫歯を指摘されお母さんが昔EEデンタルのスタッフであった為

まず削る必要があるか!?削る必要があれば顕微鏡治療で治療してもらいたい

とのこと

   

顕微鏡で観察すると、右上6

DSC01226.jpg

「これ、シーラントの上にレジン充填してあって、それが浮いておりそこに着色が入り込んでいて虫歯じゃないよ!」

 

当然お母さんは驚きます。

  

私は、

「しょうがないよ、先生は裸眼で診察でしょ!?」

「自分だって裸眼で見たら虫歯って判断するもん」

 

『シーラントの上にレジン充填ってありえます!?』

 

「さぁ~!? 何のためにやったんだろうね!?」

『近所のパートのおばちゃん衛生士が全部やったんですが大丈夫ですか!?』

「と言うか、その衛生士、他の6歳永久歯にサホライド塗っているけどそれ自体自分的にはあり得ないんですけど!?」

「たぶん、転院先の次の先生はこのサホライドの黒色みて虫歯って絶対判断しているよ!」

  

患者さんの女の子も治療後に歯が黒くなっており、学校でも友達に歯が黒いと指摘され嫌がっているとのこと

 

基本的に小児の治療はしていませんが、小児の治療費無料って地域。。。

家計には優しいかもしれませんが、きちんと治療しないと大人になった時ヤバいぞ!マジで

自分の子供なんか、5歳から顕微鏡治療受けています(笑)

子供の乳歯の虫歯 - EE DENTAL_Blog

  

 

とりあえず、写真の右上6のシーラントonCR(レジン)の歯 

この先も裸眼の歯科医院に行く度に指摘を受ける可能性があったので10分ぐらいで無麻酔でチャチャっと治しました。

 

治療後の動画を見て女の子も「綺麗にになった!」と喜んでくれました。

 

  

帰りに受付でもらった紙

DSC01224.jpg 

感謝の気持ちありがとうね!(^ - ^ )/ 

 

基本小児はやりませんが、小児ほどきちんと治療をしておかないと近い将来ドツボにハマりますから注意してください。

次はサホライド塗られた歯を何とかします。

 

最後に、

永久歯の咬合面にサホライド塗った衛生士 自分の子供にも同じことするのか!?

*サホライド:銀の力で虫歯の進行を抑える薬 主に治療の難しい乳歯に使用する薬 副作用として歯が黒く変色する。

自分、家族にやらないことを患者さんにやってはダメ!←これ大原則!!

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支台歯形成

歯内療法専門医といいつつ補綴までやってしまっておりますが、基本的に結構形成は好きです(笑) 

  

昔大学卒業時に1日歯科医師2人で患者さんを60名見ていた頃は形成なんてクラウンの下に埋まるんだから必要最低限の手間だけかければいいだろという考えでした。

 

ただ、師匠の歯科医院に就職したら「数より質」と求められるものが変わり、

師匠にも何度も形成のダメ出しを受け、スタディークラブの補綴コースにも参加し形成のイロハを教えて頂きました。

 

形成は最終系をイメージできていないとダメなので、師匠が使った模型をいくつも持ち帰り

色々観察して、形をトレースしてその形になるように日々練習

 

 

師匠の歯科医院を辞める頃に、飲みに行った担当技工士(大きな技工所)に

「先生が最初就職した時は模型の酷さは際立っており、ホントこの先生大丈夫か!?と最低レベルだった(笑)」

「ただ、最近の先生の形成は取引先の先生の中でもトップクラスで上手な形成になり、ウチの技工士のナンバー2、ナンバー3が担当していたんですよ」

と言ってもらえ、技工のプロからお墨付きをもらえたのがうれしかったです。

 

 

前にも書いたように、たくさんの患者さんを診る為の治療と一人の患者さんの質を求める治療は全く違います。(私見)

たくさんの患者さんを診る治療に必要な技術は、質の治療とは別の技術になります。 

  

 

形成と言えば最近は老眼も入ってきた為、形成は全て顕微鏡下で行うようになりましたが、

結果形成レベルも1つ上がったなと感じます(自画自賛)

 

  

トライセクションを行ったケース

患者さんは50代男性 夜間の歯ぎしりも強く歯が折れてきてしまって・・・

第一大臼歯はトライセクション(分割抜歯)を行い保存を試みました。

2024 EEdental OOK (1).jpg 

 

分割した支台歯模型 頬側

2024 EEdental OOK (3).jpg

咬合面

2024 EEdental OOK (4).jpg

マージンはなるべく一筆書きのようなスムーズなラインを意識しています。

と、言っても補綴の専門医の先生の方が上手だと思います(笑)

 

クラウンSet

2024 EEdental OOK (2).jpg 

分割した部分も問題無くSetできました。  

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歯科は保険治療で良い治療は受けられないのか!?

お休みありがとうございました! 今日から通常診療を行います。

今日からメール・電話の返信を行います。  

  

 

先日、ある医療系の患者さんに言われたのが、

歯科は保険治療で良い治療は受けられないのですか!?

という質問

 

たぶん、歯に困った患者さんなら誰しも思うことだと思います。 

 

ただ、これは定義の問題もあり「良い治療」というのは漠然としています。 

これを言い換えると『理想的な治療』としますが、

 

「保険治療で理想的な治療を受けられないか!?」

と言われれば、

【今の時代無理でしょうね。。。】

   

歯科の技術は年々上がっていますが、こと保険診療に関しては値上げはあっても10円単位

保険治療は治療に対しての治療費が全く合っていない。たぶん世界的な治療費にくらべ0が一つ足りていない。

40年前のような沢山の患者さんを診る時代、歯なんて無くなったら入れ歯でよければこのシステムで良かったかもしれませんが、歯を長く残すニーズになると治療費的に無理が出てきています。

 

先週治療させて頂いた金属アレルギー疑いの患者さん(歯科医師)のメタルコア除去 

過去に歯冠破折を起こしておりしっかりしたポストが確認できるメタルコアが入っていました。

2024 EEdental MIE1 (2).jpg

 

この第2大臼歯は奥過ぎて治療の道具もなかなか入りません。

また歯肉にくっ付くように縁下にもメタルが入っており細心の注意をはかり

麻酔を行い、除去バー3本を使用して超音波のブーストモード使用して除去行いました。

*かかった時間はちょうど1時間

  

その後、セメント&虫歯除去、電気メスで歯肉をトリミングし、簡易剖出をして縁下深くからレジンで隔壁を行いました。

*隔壁30分   

根管治療のポイントはココだと思っているので、このぐらいの時間は必要になることがあります。

私は麻酔だけ裸眼で行い、治療は顕微鏡下でなるべく必要な場所だけの除去を行い治療します。 

0.1mm単位での治療をすると、作業効率が悪くなり非常に時間がかかります。

ただし保険治療で見た場合、再診料56点(560円)+メタルコア除去80点(800円)+隔壁0点(無料)

トータル1360円で患者さんの窓口負担は3割510円となります。

はっきり言って、この治療費だと材料費も出ません。。。

  

なるべく健康な歯の切削はしないようにメタルコア除去→隔壁→根管治療→レジンコア

2024 EEdental MIE1.jpg

治療時間:2時間半 

今の時代、設備を整え時間さえかければこのぐらいのことは出来ます。

  

個人的にはこの流れは極々毎日やっているベーシックな治療で特別なことはしていませんし、治す為に当たり前のことをやっています。

 

どの職業もそうですが、丁寧な仕事(治療)は量産出来ないと私は感じています。

 

歯科医師としては誰も良い治療を提供したいとは思います。

ただ、保険治療では費用的に治療は厳しい部分が多々出てきてしまっています。

  

先週来院された患者さんも、かかった先生に何とか歯を残したいとの希望を話したら

「自費になるけどEEデンタルに行ってみたら!?」と言われたそうです。

診せてもらうと、かなり難しい歯でありましたが何とか治療出来そうな歯でした。

私からすると残したいという患者さんの希望に合わせてくれる良い先生にも思えます。

    

 

保険治療では叶えられない希望があること、これは歯科医師だけが悪いのではありません。

例えば、世界一歯科治療費が高いオーストラリア

治療費が高い分良い治療が受けられるかと言われれば、私からするとそうでもありませんし、歯科治療を受けられるのはお金持ちだけです。

90点目標の治療を全体の2割の人が受けられる医療

60~70点目標の治療を10割の人が受けられる医療

国によって医療制度はさまざまですが、私は日本のような全ての人が医療を受けられるシステムの方がいいと思っています。

その上で、もっと良い医療をとなれば保険を使わない選択もあります。

   

 

患者さんに保険歯科診療はここまでと1つの定義が出来るのが理想なんですが、

「保険診療で何でも出来ます!」的なスタンスを20年前まで取っていた手前

今更保険診療では出来ない治療が増えてきているということはアナウンス誰もしないんでしょうか!?

  

なるべくなら、分かりやすい保険と自費治療の線引きが出来るといいのですが。

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横向きの親知らず 手前の歯(第2大臼歯遠心)の虫歯

横向きに生えた下の親知らず

食べ物が詰まりやすい生え方をしていた場合は手前の第2大臼歯の遠心に虫歯が出来てしまうことがあります。 

 

そんな場合、私はこちら「EENO ボール」を使用しています。

EENOボール(エアースケーラー用 カボ社向け) - 超音波スケーラー用チップの錦部製作所オンライン販売WEBショップ、購入や注文はこちらから (nishikibe.com) 

 

今回の患者さんは40代男性

近医の歯科医院を受診しレジン治療を希望されるが、先生にこの虫歯治療はEEデンタルへ行っておいでと

紹介状を書いてもらい受診

 

レントゲンを撮ると

2024 EEdental OO M (1).jpg

親知らずは既に抜歯したとのこと。 

 

この虫歯は親知らずを抜いて穴の開いている3~6週後ぐらいに行うのがベターです。

あまり抜いてから時間が経つと、歯肉が回復してしまいまた歯茎を切る処置が必要となります。

 

歯茎の上の虫歯であれば、歯肉の切開はしません。

 

治療時間1時間

2024 EEdental OO M (2).jpg

 虫歯をくり抜いてレジンを充填しました。

 

ただ、この部分のレジンは咬む力が強いと取れることもあるので、

充填後に噛み合わせの調整(当たりを弱くする)を行わせてもらいます。

  

たぶん、この部分の虫歯は虫歯治療の中でも最も難易度が高い部類に入ると思います。

患者さんが受診した先の先生が良い先生で、EEデンタルでこんなことが出来ると知っていてくれたので

患者さんは希望する治療を受けることが出来たと思います。

 

虫歯の治療というのは各先生の得意な方法での治療となるので、色々な治し方があります。

出来れば低侵襲(切削量の少ない)な治療がベターだと思います。

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歯が無くなる原因と歯の長期安定因子

歯科医師になって24年(開業して18年目)

患者さんにいつも説明しているのは、歯が無くなるのは

1、歯周病

2、虫歯

3、咬む力(咬み合わせ、歯ぎしり、TCHなど)⇒ 歯根破折、痛み

 

ただ、EEデンタルに来院して頂いている患者さんはきちんと歯磨き出来ている方が多く

歯周病で抜歯になることは少ないだろうなと思います。

患者さんには、夜間の咬む力をどう逃がすか!?

歯ぎしりは無くなりません、これは仕方がないことでストレスの分解行動の1つだと言われています。

また、患者さんをみさせてもらい治療した場所が長期に安定する人・安定しない人を推測しています。

 

ここからは自分の私見ですが(毎回このブログ私見ばかりですが・・・)

①、患者さんの歯ぎしりがない・あっても凄く軽度

②、患者さんの歯磨き能力

③、患者さんの歯の質が虫歯になりにくい歯であるか

 

この3つが揃っていると、治療した歯は長期に持つ可能性が高いです。

 

ただ、このハードルが高い。。。 

 

凄く頑張って綺麗に磨いていても、虫歯が出来てしまったり

綺麗に磨けている人でも、歯ぎしりが原因と思える歯根破折。。。

 

今週2008年に来院され、全顎治療させてもらった患者さんが全顎検査で来院され見せてもらいました。

2024 EEdental SOM.jpg 

当時の修復

レジン修復11本 

歯内療法2本

ゴールド修復3本

を2009年に11月に治療終了

 

患者さんに聞くとそこから1度も歯科医院に行っていないそう(笑)

 

ただ、今回の検査結果治療の必要な本数は0本!

悪くなりそうな感じのあるは1本 という感じでした。

 

この患者さんも上記の①、②の条件を満たしています。

③に関しては患者さんの方が高濃度フッ素で対策を取っているとのこと

 

今回に関しては何も治療する必要なしと判断しました。

ただ、患者さんには1~2年ぐらいで1回でいいから、歯科医院に行った方がいいですよと説明しました。

健診なく15年この状態を維持出来ているのは奇跡に近い(笑)

*3カ月おきの保険の健診はあまり意味がないと昔から私は思っていますので、私はむしろ3カ月おきに行かないように指導しています。(3ヵ月おきに診るような方は超ハイリスク群の患者さんのみでいいと思います)

3か月おきの歯科定期検診に意味はあるのか!? - EE DENTAL_Blog 

歯さえ磨けていれば半年から1年に1回きちんと診てもらえばいいと思います。

 

3ヵ月おきに検診に行っていても虫歯なんてレントゲンこまめに撮って探そうとしなければ分かりませんからね。 

 

 

予後というのは、同じ熱量で治療をしても、予後の良い人、悪い人は出てきてしまいます。

私の感想ではやはり歯ぎしりの有無と程度というのが治療した歯の長期予後には大きな影響を持っていると思います。

 

ですので、マウスピースなどで咬む力対策は取られた方がいいと思います。

 

先日も治療した所がたまに朝痛いという患者さんが来院され診させてもらいましたが、

レントゲン上でも悪くはなく、特に削っての介入は必要無さそう。

歯ぎしりのことを説明し、マウスピースを入れて様子をみましょうと提案した所、

マウスピース装着で症状が緩和してきたケースがあります。

 

私はなんでもかんでも、咬み合わせから痛みが来るとは思っていませんが、

やはり術後トラブルの最大の因子は「咬む力」だろうなと思っていますヽ(・_・。)

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4月から歯科材料値上げだそうです。

2月に書いたブログ

値上げ&値上げ! - EE DENTAL_Blog 

 

で4月からまた材料の値上げだそうです(笑)

診療で使う道具の多くは海外製品が主なので、円安の日本では仕方がないですね。

  

ただ、このコストって歯科医院の負担もそろそろ難しくなってきていると思いますね。 

   

  

歯科全体の自費治療化の流れは必然的に作られているような気がします。

(原価の値上げに対して、国が面倒見てくれる雰囲気は全くないので・・・)

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分割抜歯(トライセクション)後16年

患者さんは70代女性 被せ物がかけたと来院

  

この歯はかなり思入れのある歯でEEデンタルで最初(開業2年目)にトライセクションを行った歯

2024 EEdental KOA (1).jpg

第2大臼歯は歯周病の為抜歯

第1大臼歯は歯周病はありましたが、保存治療を行いました。

当時、超貧乏開業だった為貰い物のアナログデンタル(笑)

毎週診療後に一人で自現機洗ってましたよ。

 

2024 EEdental KOA (2).jpg

遠心頬側根は根尖まで出ていたのでその部分は分割抜歯

 

患者さんにはこの歯を抜くと咬みにくくなるから使えると事まで使いましょうと説明 

2024 EEdental KOA (3).jpg

 

この歯なんですが、先日

2024 EEdental KOA (4).jpg

被せ物が割れてきたと来院して頂いたのでレントゲンを撮ると。

虫歯はあるものの歯に揺れもないし、まだまだ使えそうなのでまた保存治療を行います。 

 

勤務医の頃から分割抜歯は行って行っていますが、

患者さんには「持って10年ぐらいですよ」と説明しています。

今回の場合歯根破折による分割抜歯ではなく歯周病による分割抜歯なので

元々歯の負担も少なかったのが長期に持っているのかな!?と推測しています。

 

歯周病の治療をしていない為、管理などは他院任せですが悪くなった歯を再び見せてもらえると

何が良かった・悪かったが推測できるので勉強になります。

 

今の自分は最先端の機器を追うより、患者さんの体から知ることが出来る治験を積ませてもらった方がより良い医療が提供できるようになってきているような気がします。

歯科治療は最新の機器さえあれば患者さんメリットが大きくなるという考えは殆ど無くなりました。

 

最新の機器は術者(歯科医師)をラクにはさせてくれますが、その結果というのは10年以上後の臨床成績で初めて良い・悪いが分かります。

  

今回の患者さんも前回と同じように、わざと割れるクラウンで補綴しようと計画しています。

これも自分の戦術ですが、咬む力をどう逃がすか・どこで逃がすか!?ここが歯の長期保存に大きな因子になっていると考えています。 

 

未だに試行錯誤の日々ですが、たぶん医療に完成形はないと思っているのでそこが深くて面白いところですね!( ・д・)ノ

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