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LA RDT(レジスタードデンタルテクニシャン)ツアー
- 2018年5月 8日 09:18
- EEデンタル こだわり
伊奈さんの神である「Timさん」にLAの最新補綴事情を色々聞いてきました。
まず自己紹介で私が「エンド」と「レジン屋」であることを話すと、
日本にも歯内療法専門医がいることを知り大変嬉しがってくれました。
現地の歯科医師に「日本人のエンドはいつも出来ていない
エンドが出来ていないのに被せ物(セラミック)を入れてもね・・・」
と周りの先生に言われているらしいです。
万国共通で、歯の基礎工事である歯内療法(根管治療)は大切ですよね!
Timさん、非常に勉強している方で年間4つの学会に出ているそうです。
マヂリスペクトです!
因みにアメリカは技工士免許はなく技工物は素人でも作っていいそうです。
一応、技工士の実習&筆記試験テストはあるそうなのですが、義務ではないようです。
現在私はセラミックを殆どラボ(技工所)任せなのですが、
私の将来的な野望はそのうち、臼歯部補綴だけ院内でセラミック系ブロックからCAD/CAMで1Dayトリートメントをしたいと思っていたので、
その為に参考になる話を聞けました。
似たような機械は日本にも「セレック」というツールでありますが・・・
これは適合が悪いと情報を入れていたので、そこに1000万の投資はしてきませんでした。
アメリカのセレック事情を聞くと、
Timさんの周りの歯科医院・技工所(ラボ)で入れている所はないそうです。
やはり理由はやはり精度が☠いのと、その他他社からいい機械が色々出てきた為らしいです。
*注意:Timさんのラボは非常に上手な歯科医院・UCLA(大学病院)、V.A(退役軍人病院)が提携先なのでかなりのハイレベルラボです。
Timさんのラボでも300万でセレックを導入をして、
ラボスタッフ10名で講義を聞き、いざやろうと色々試してみたのですが、
精度が悪くて結局1本も臨床に使えず、すぐにセレック売ったら30万で、結局大赤字だったらしいです(笑)
他に良い道具/機会が出てきたというのが印象的でした。
EEデンタルでもたまにセレック補綴見ますが・・・
自分の歯には今の所(2018年)技工士の手作りがいいですね!(・_・;)
また、びっくりしたのは『光学印象』
(光学印象はカメラで形成後の支台歯をパシャリと1回ボタンを押すだけです)
本来は削った後に、印象材を練り⇒患者さんの口の中に入れ3~5分待ち⇒硬化後撤去
*大切な部分に気泡が入っていたらやり直し
という工程が、光学印象なら歯の写真を数枚撮影するだけ!(ただ、それだけ)
光学印象は更に非常に進化しているそうで、
カメラのスキャン精度が上がり、また煩わしい圧排もしなくても
マージンが分かるそうです。
なぜ凄いのか!?
写真を撮ると歯の硬組織だけスキャンして、歯肉などの軟組織ソフト上で処理できる所まで光学印象は進んでいるそうです。(甲殻機動隊の世界やで!)
Timさんの話によると現在この分野が最も熱く
3か月起きに新商品が出てくるそうです。
また取引のある歯科医院はここ数カ月で全て光学カメラを導入したようです。
私も日本のラボにシステムが入り次第、光学印象を導入していこうかと要検討です!( °ロ°)
現在、Timさんのラボで行われている今のシステム・流れをきました。
歯科医院で支台歯形成後、歯科医師がカメラでスキャン
メキシコのセンターにデーターを転送、
メキシコのセンターから2日後には
ラボに模型が届くそうです(←インビラインシステム)
この模型は3Dプリンターで作られた樹脂の模型
専用咬合器に穴のあいた部分をはめ込むだけで咬合器にマウントできるそうです。
で、支台歯
これが、
トリミング、分割模型化までされています。
ただこの模型、まだ表面性状までは完コピされておらず甘いのですが、
数か月するとすぐに他社から
3Dプリンターでよりリアルに作れるものが販売
電化製品と同じでどのタイミングでどの会社のものを買えばいいか難しいらしいです。
ここから技工士が、ラボで
対合模型・支台歯模型をスキャニング
スキャンが終わったら、パソコン上でクラウンの設計を行い
ディスクを削り被せ物を作ります。
つまり
ここまでは、技工士はCADオペレーターの仕事をするわけです。
フルジルコニアブリッジも全然可能とのこと
↑の状態最終補綴物の130%の大きさで出来上がるので、
出来あがったジルコニアクラウンを研摩、グレージング、色付けをして
完成にもって行くところは今までの技工士の手作業
のようです。
いやぁ~、田舎の豊橋の歯科医師から見ると
「もう未来が現実化してるじゃん!!」
今までは、1,圧排→2,形成→3,印象→4,石工模型→5,トリミング→6,支台模型→7,技工士がワックスアップ→8,鋳造→9,コンタクト/咬合調整→10,研摩⇒完成
が、
現在の、CAD/CAMでは
1,形成→2,光学印象(勝手にセンターに情報転送)その後,センターから支台歯模型が送られてくる→3,ラボでスキャニング→4,CAD/CAMクラウン・ブリッジ制作→5,ステイニング/研摩→完成
ざっくりな工程ですが、半分のステップになっています。
Timさんも
「人の手から機械へ急激な進化」と話していました。
つまり、多くの技工士がいらなくなる時代がすぐそこまで来ているそうです。
ライセンス制度のないアメリカでは素人が機械を購入してすぐに競争相手になることも考えられます。
因みにこのシステムでTEK(仮歯)も作れるそうです。
*ジルコニアディスクをレジンディスクにするだけだそうです。
Timさんのラボのコストは
TEK:45ドル
フルジルコニアクラウン:196ドル
セラミッククラウン(ジルコニアフレーム):249ドル
その他にもいろいろ聞いてきましたが、
そこはナンちゃってコンポジストが興味津津だったのが!
レジンも次の材料進化が始まっているようで、
『Peek』という材料ポーセレンフィラー含有レジン
*日本で言うハイブリットレジンとは異なります。
が出ていているそうで、このレジンは非常に硬くチップせず、
ただ咬耗・摩耗はしてくれる材料が出てくるそうです。
ヨーロッパの「ジルコンザーン」というメーカーが
CAD/CAMフルジルコニアブリッジの弱点の割れるという欠点から生み出されたものらしいです。
*ジルコニアの体積が大きくなるとジルコニアブリッジは割れるそうです。単冠のクラウンは割れることはないそう。
その他、伊奈さんの先輩の阿野さん情報によると
シーツ先生のセラミック1本3000ドル以上 仮歯500ドル以上
また、阿野さんの奥さん(衛生士)の歯科医院、アメリカ2位の大きな銀行の奥さんが治療に来ると毎回スタッフ全員に1000ドルをくれるらしい(笑)
アメリカ大手のラボは3交代制で24時間営業(グライドウェル)
まだまだ、色々勉強させて頂き仕事1つ取ってもLAは刺激的でした。
伊奈さん、Timさん、阿野さん 色々ありがとうございましたヾ(  ̄▽ ̄ )
どうやら、どこの国でもサーファーは仕事場にサーフボードを置くようです(笑)
以上、
RDT(レジスタードデンタルテクニシャン)ツアーのレポートでした。
3年後ぐらいにまた行きたいですね!(たぶん行く!)
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