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EEデンタル こだわり: 2023年11月アーカイブ

教えてください!シリコン印象材

師匠に聞いて使っていたY社のシリコン印象剤

自分史上1位、2位を争うぐらい良いシリコンだったのですが・・・

  

製品の輸入が終わった為か、次は後継のものはコレですと渡されたプリント

*基本的に井野の好きな材料・製品マイナー過ぎて無くなる説

  

今のがあるうちに、次の後続販売の製品買って使ってみたのですが、

「全然ダメ!というかお話にならない・・・」

頬側 

2023 imp (1).jpg

気泡説明写真

2023 imp (3).jpg

口蓋側

2023 imp (2).jpg

気泡説明写真

2023 imp (4).jpg

赤い部分が気泡 緑の部分はテクニックで改善できると思われる気泡

 

1つの印象でこれだけ気泡入っていたのは初!

この印象剤で5回ほど印象採りましたが、印象OKとなったのは1ケースだけ。。。

*4人の患者さんで使わせてもらいましたが必ず気泡が入ってくるので2回目には前の印象材に代えて再印象しました。

  

    

メーカーに聞きたいのはどういう理由でこの材料を採用したのか!?

 

自分的には、選択ミスだと思いますね。

*多くのメーカーは輸入業者で海外からの買い付けを行い国内販売しています。 

 

そもそも製造会社のHPなどには寸法変化や親和性、流動性など謳っているんですが・・・

 

臨床家としては、そんなことより「製品内の気泡をゼロにしてくれ!」と思います。

どんなにシャープに印象が採れた所で、マージ部に気泡が入った時点で再印象(個人的には0点)

気にしない先生は最強ですが、技工士は想像でマージン設定しないといけないので大変ですし、なによりクラウンやインレー・アンレーには段差が出来やすいです。 

 

これって商品開発の人間は色々試行錯誤してより良い材料を作ろうとしていると思いますが、

製造ラインの人はバイトであったり、そういった何が必要なのかの知識がない人が作っているとは思いますが、研究室で良くても現場で同じものが提供できなければ絵に書いた餅 

  

はっきり言えば、「ウチの製品は気泡ゼロ!」という方がうたい文句になると思うのですが・・・

  

別に補綴専門医ではないのですが、自分の作る・携わる物は80点以上のものは最低限提供したいのでそこは拘ります。

そう言えば、印象時を使わない口腔内スキャナが色々出てきていますが、

EEデンタルではそちらに手をだすつもりは今の所ありません。

 

理由は、1日4~5人の治療では投資しても回収できないから。

この気泡だらけの印象トレー

EEデンタルの場合、マージンに気泡など入っていると担当技工士から電話がかかってきて

「先生マージンに気泡が入っていて、模型作れないのですが。。。」

「つきましては再印象して頂けると助かるのですが!?」と連絡が入ります。

*言っていただけるだけありがたいです。

   

ただし、患者さんの来院回数は増え、私もまた同じ治療をしないといけない!

  

私は自費専門医なので、正直使う材料代などは完全に無視していい立場です。 

ですので、費用を出して改善でき自分がラクできるものなら1000~2000円高くても普通に購入して使います。

  

 

また、色々シリコン調べて使いやすくエラーの出にくい材料を探す旅に入ります。

印象剤に詳しい先生いましたら、お勧めの商品をメールで教えて頂けると助かります(笑) 

 

結論的に、師匠と同じもの使うのが正解なんですけどね ε=(>ε<) 

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大きな金属土台の歯根破折と歯の保存

患者さんは60代女性

昔から治療させて頂いている患者さんで今年の2月に土台ごと歯が取れたと連絡がありました。

 

レントゲン

2023 EEdental YF (1).jpg

太い金属の芯ごと抜けてきています。

 

土台ごと外れてくる理由はだいたい3つ

①、歯根破折

②、虫歯

③、セメント(接着剤)の劣化

  

このうち③、セメントの劣化なら歯は残すことが出来ますが

取れた歯の再装着という治療はやめておいた方がいいと思います。

再装着したことで咬み合わせが高くなり、①歯根破折になることがあります。

 

今回のケースは、①歯根破折で抜けてきたようです。

2023 EEdental YF (2).jpg

近心根には立派な破折線が見え、根側面の骨も大きく減っています。

また遠心根にも顕微鏡でみると破折線がありました。

 

根管治療を2回ほど行うと歯茎の上の歯が無くなり、根は良くなったが、健康な歯質が減ったことにより咬み合わせに耐えられなくてこうなることもよくあります。

ですから、根管治療はなるべく1回で成功させる、再治療の際もなるべく削らない治療(健康な歯は残す)をした方がいいです。(難しいですけどね)

 

 

今回のケース、

患者さんには「残念ながら、この歯は抜歯した方がよい」

どうしても残したいのであれば、近心根を抜いて遠心根半分残すヘミセクションを行うか!?

ただ、遠心根も薄っすらクラックもあるので、そこまで長く持たないかも!? 

 

患者さんは今は抜きたくないとのことで、折れている根だけ抜くヘミセクションを行いました。

折れている側の半分抜いて、仮歯で様子を見ることにしました。 

2023 EEdental YF (3).jpg

口腔内 

2023 EEdental YF (4).jpg

いい感じで経過しています。

 

基本的にヘミセクションした歯は隣の歯とブリッジを作ったりしますが、

今回の残した歯に関しては、少し問題があるので使えるまで使って問題が出たら

残りの歯も抜歯する予定で、周りの歯は触らないように計画しました。

 

出来れば5年ぐらいは使いたいですね( ^ _^)/  

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大きな虫歯の歯髄保存1年予後

去年治療させてもらった歯の1年予後 

上顎の奥歯はここに虫歯が出来やすい(シールドレストレーション) - EE DENTAL_Blog

 

かなり大きな虫歯でしたが、シールドレストレーションで神経保存を試みました。

シールドレストレーション:部分的に虫歯を残し治療する方法

わざと虫歯を残す治療法「シールドレストレーション」 - EE DENTAL_Blog

治療後のレントゲン 

2023 EEdental ITT (1).jpg

  

1年ぶりの再来院、症状はなく歯磨きもきとんと出来ています。

レントゲンを撮り、神経が死んできていないかチェック

2023 EEdental ITT (2).jpg  

1年前と変わりなく神経も死んできていないので、このまま様子をみてもらうことにしました。

 

基本的に、私は虫歯は全部削る派です。

ただし、そこは考え物で虫歯を全て取ると神経が露出してしまい予後が悪いと判断すればこんな方法で神経保存を行います。

歯の治療は一生持つわけではないので、将来的に次の治療が必ず必要になるでしょう。

ただ、今神経を取るのか!?10年後神経を取るのか!?20年後神経を取るのか!?でも歯の寿命は大きく変わってきます。

  

歯内療法専門医なので、人より神経を取るのは慣れています。

セミナー次の日の3mmの穴からの根管治療 - EE DENTAL_Blog

ただし歯内療法専門医と言えど成功率は100%ではありません、抜髄でも少なからず失敗はあります。

  

ですので、私は歯を長く残せるような考え方をします。

 

一応、タンニンという材料を歯の中にいれていますので、理論上は残した虫歯部分はまた硬い組織に変わってくれているとおもいますので、もし歯がかけた場合で治療が必要になった場合次も歯を神経を残せる可能性は僅かながらまだ残っていると思います。

 

歯を長く持たせる為には、ある程度戦略は必要です。

*中に入れる材料で予後が決まる訳ではありません。

今書かれている教科書的な治療が必ずいい訳ではありませんし、医療は日進月歩で10年後には教科書の内容も変わります。

また審美性を重視するのか、歯の長期保存を重視するのかにもより介入方法、介入時期は異なります。

 

ありがたいのはEEデンタルに来られる患者さんの中にはブログである程度私の考え方を知って来てくれている初診患者さんもいるので説明がラクになることも多々あります。

因みに、同患者さんの下顎6の大きな虫歯も 

神経付近まの大きな虫歯 抜髄 (根管治療) 確定!? - EE DENTAL_Blog

2023 EEdental ITT (3).jpg 

こちらも問題無く経過しております!(同日にレントゲンを撮らせてもらいました)

  

 

まぁ、こういった治療って手間の割には医院の医業収入って上がらないので一般的な治療法にはなりませんが、患者さん側からしたら神経を残すメリットってメチャクチャ大きいですよ。

現在、一度取った神経を再生させる治療が出てきてはおりますが、治療費は80~90万ぐらいします。

残せる可能性のある神経を1万円(3割負担で3000円)で取って、後で何十倍の費用で再生させる。

 

ん~、何か凄い矛盾を感じる。。。

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