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神経付近まの大きな虫歯 抜髄 (根管治療) 確定!?
- 2022年9月30日 09:00
- マニアックレジン
患者さんは20代男性
右下にC2ぐらいの虫歯があるので治したいとのことで来院
口の中を見せてもらうと
確かに右下6にレジンで治せそうぐらいの虫歯がありそう
で、レントゲンで確認
えぇ~、これはかなり大きな虫歯! C2というよりはステージが1つ高いC3
しかも歯が折れている(赤い線)!?
一見小さな虫歯に見えたのですが、顕微鏡で精査すると
歯が割れている・・・
これは、レントゲン撮らない先生が治療すると誤診する典型的なパターン
患者さんに歯が折れていること、虫歯の大きさがかなりマズイことを説明
現時点で10のうち8~9の確率で神経を取ることになる、その場合残る歯質が半分ぐらいになるので
クラウンになると治療方針を説明
ただ、ここまで虫歯が大きくても痛みなどの症状は一切ない。
また根尖も非常に綺麗なレントゲン所見。
今回のケースは初めて見るような歯で外側のエナメル質は残り、中で虫歯が大きく進行している。
治療計画書には
抜髄(13万)+レジンコア(2万)+仮歯(2万)
と書かせて頂きました。
患者さんは治療したいとのことで1回法で根管治療からレジンコアまで治療時間2時間を予定
治療当日
「症状ないし、神経保存トライしてみる!?」と患者さんに提案
患者さん残せれば神経保存したいとのことで、トライさせてもらいました。
まず破折片の抜歯を行い
破折片は歯茎の中で折れており、更に治療の難易度が上がる
歯茎の上で割れていればラッキーだったのですが、仕方がない。
中はレントゲン所見と同じように虫歯大爆発でドロドロの状態
この状態で考えたのはシールドレストレーション+AIPCのミックス治療
神経が出ないように慎重に削って行きます。
う蝕検知液で、染めて青く染まる部分=虫歯 色で削る部分を判断
気長にかつ効率的に、5倍速、ラウンドバー、EENOボール・スフィアで削って行きます。
なんとか歯髄付近以外の虫歯は取り切れました。
神経手前の最後1層の虫歯はわざと残します。
残した虫歯の上にテンポラリーセメント ソフトを置き、虫歯部分の強化を図る。
*虫歯部分が数か月後に強い歯に変わるという薬
その後レジン充填
基本的に私は虫歯除去後からラバーダムします。
ラバーダム信者ではないので、ラバーダムしないと成功しないとは思っていません。
ラバーダムすると開口量(口の開く量)の問題で削りにくくなります。
効率的にピンポイントで虫歯を取りきるまでは私はラバーダムをしません。
虫歯を削った後の詰める作業時にはラバーダムを行い唾液が詰める場所に触れないようにします。
術前⇒術後 のレントゲン
良い感じで治療出来ています。
2時間かけて神経の保存からレジン充填まで行いました。
虫歯1本の治療で2時間かける歯科医院ってかなりレアだと思います(笑)
治療費:歯髄保存2.5万 レジン充填7.5万 +TAX
この後、短期で痛みが出ないか!?
長期的に神経か死んでこないか経過を見ていきます。
患者さんの残りの人生を考えると何とか神経が残ってくれればなと思います!(・o・)
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