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根管治療で治すか外科的歯内療法で治すか!?
- 2022年9月 9日 09:02
- 歯内療法日記
患者さんは40代男性
奥さんが昔からのEEデンタルの患者さんでその紹介で来院
他院でジルコニアクラウンを入れた歯が痛い
1週間前ぐらいから違和感が出てきた後、歯に物が当たると痛むようになってきた。
現在ジンジン歯が痛む 痛み止めを飲んでも3時間ぐらいで切れてしまう。
レントゲンとCBCTで診察すると
遠心根に大きな病変 また過去に2回ほど根管治療をしており神経管はかなり太く中途半端な治療痕が・・・
白系のクラウンの為かなり縁下深い場所まで削ってありましたが、マージンは全周にわたり不適
審美的に歯茎の中まで削ったらなきちんとマージン合わせるべきなのですが・・・
レントゲンを見て、この状態だと外科的歯内療法でトライするのも1つではあり、
患者さんと話し合った結果、外科は避け再々根管治療で残す方向でトライすることにしました。
治療をスタートすると、歯茎の上に健康な歯はなく過去の治療でかなり大きく削られてしまっています。
また遠心根のガッタパーチャーを除去すると、根の先から膿と血が出てくる状態。
これは膿の逃げ道がなくズキズキ痛んでいたのも納得できます。
いつもは根管治療後に抗生剤を出すことは殆どありませんが、この歯は炎症の急性期にも思えたので
念の為に抗生剤を処方
前回の治療から2週間後の治療2回目
痛みも腫れもすっきり治ったとのこと、根管内を見ても膿は出てこなくなっていたのを確認
更に3週間後の治療3回目に根管充填、土台+仮歯まで
遠心根はオリジナルの根尖まできちんと清掃・MTA根管充填
近心根はオリジナルの根管を追っていきましたが、根尖手前で石灰化で閉鎖根管になっていたのでその部分までを消毒+根管充填
仮歯を入れたのですが、全周レジンマージンにしました。
前回のクラウン歯茎の下まで削りすぎだよ!
そこから経過を見ていき根管治療から6か月後
治療した歯に痛みや違和感はなく普通に咬めるそう
レントゲンでも半年で病変はかなり小さくなってきてくれており、この状態であれば外科をしなくて済みそうです。
根管治療は手間のかかる治療の代表格です。歯を残したければなるべく根の治療が得意な先生に診てもらった方がいいと思います。
追記:無事クラウンが入りました。
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