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固めるとレジンは動く

先日参加した技工士学会 

面白かった技工士学会 - EE DENTAL_Blog  

 

そこで奥森さん(入れ歯のプロ)が講演の中で言っていた、「レジンは固めると動く」

凄く印象的な言葉でした。

 

実際、歯科分野でも同じことは言えますし、これをどう理解し補正していくか!?

 

例えば、私が2012年に外科的歯内療法を行わさせて頂いた患者さん

2024年年末に腫れてきてしまった為見せてもらうと

2025 EEdental TOS (2).jpg

レントゲンで破折線が確認でき、患者さんと話し合い近心根を抜歯して遠心根を残しましょうとなりました。

 

ヘミセクションさせてもらい抜歯した近心根を観察すると

2025 EEdental TOS (1).jpg

側面はきちんと接着しているのですが、下底部(赤部分)はレジンが浮き上がり隙間が見られます。

この当時は一般的なデュアルキュア系コア材料を使用して1塊でレジンを填入していましたが、

詰めるレジンの量が多いのと、Cファクターがマックスの為固めると浮き上がりが発生してしまいます。

 

こうやって浮いてしまうと術後感染(コロナルリケージ)も起こりやすくなってしまいます。

  

なるべくこういったことが起こらないように現在レジンコアは

 

1塊で詰めるのでなく、10回~15回以上にレジンを少しずつ詰め、収縮量の極力小さい充填用レジンを用います。(コア用レジンは収縮量が大きい)

また下から積層すると浮き上がりが出てしまう為、横積層や詰める場所をランダムに動かしたりしています。

 

たぶん顕微鏡を使ってレジンコアを作っていない先生は分からないと思いますが、少し透明系のレジンを使うと詰めた部分のレジンが浮いているかが分かります。

浮いた場合は詰めたレジンにホワイトラインが出ます。

ただ、ランダムに詰めることによりそこはある程度補正をかけることが可能です。

患者さんの中には保険の歯科医院と自費の歯科医院は何が違うのかたまに聞かれますが、はっきり言えば手間のかけ方とこだわりが違います。

材料などは殆ど同じですが、個人的には材料の差で予後が大きく変わることはまずないと考えています。 

 

  

やっぱり、その道のプロがいう言葉には臨床のヒントが隠されているなと感じます。

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