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根管治療は歯の先まで掃除出来ないと治らない!?
- 2025年2月12日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
かかりつけの歯科医院でCTを撮った所根尖病変が見つかった。
話を聞くと小学生の頃に神経を取った歯で今まで症状は出たことがないとのこと
レントゲン
副鼻腔を上に押し上げるよな形で根尖病変が見られます。
ただ・・・
小学生時代の神経がかなり太い時だったのにも関わらず、殆ど根管治療していない・・・
口蓋根の上だけ太く削った痕
こういう根管治療って多いですけど、患者さんはきちんとやってくれていると思ってしまいますよね。
根管治療は非常に手間がかかるので、手を抜きたい気持ちも分からなくなないですが・・・
こういう根管治療する先生に限ってインプラント押しの先生が多いイメージがあります。
一度人工物を全部外し、オリジナルの根管を探すものの根管は石灰化しており根の先まで分からない。
ここからどうするか!?
①、削れる道具で根の先まで道を作り根の先端まで消毒をする
②、オリジナルの根管が分からないので、分かる部分まで消毒する
熱量の高い先生は①を選択しますが、私は②を選択
何故か!? 細菌感染があると推測されるのは元々あった神経管部分
根の先まで人工的に穴を開けても、その部分が感染している訳ではない、むしろ根の先に出口を人工的に作りパフォレーションを作ってしまう(医原性の問題を作る)
レントゲン上でガッタパーチャーがきちんと入っているような画像が欲しければ①をやってもいいですが、成功率の観点からいえば下げている可能性もあります。
根の先までゴリゴリ削らなくても6割ぐらいは治ってくれますし、それでダメなら外科的歯内療法
①の術式で根尖付近にパフォレーションを作ると、外科的歯内療法の際にそこの処置もしないといけなくなるので、削る量が増え、ステップが多くなり術式が煩雑になります。
因みにオリジナルの根の先まで掃除出来ても成功率は8割程度です。
追える所まできちんと治療して、
土台と仮歯を入れて待ちます。
*口蓋根は過去の治療で極太でしたのでMTAをチョイス、MB,DBはガッタパーチャー使用
治療後6ヵ月
根尖病変は治ってきてくれており、副鼻腔の白い線も下がってきてくれています。
半年でこれだけ骨出来てくれていればクラウンを入れて大丈夫でしょう!
以前、私の好きな松〇先生の講演を聞かせてもらった際に〇浦先生もオリジナルの根管が無ければ、
「ラッキー、作業長はここまでね!」とすぐに割り切っているみたいです。
歯内療法専門医で外科的歯内療法が出来るからなんでしょうけど、
先に書いた①の工程は無駄な作業であって治療にはなっていない可能性が高いです。
楽して、リスクが低くなり、成功率もそこそこあるのであればそちらの方が良くないですか!?( ・д・)つ
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