歯科医師の先生の治療
- 2025年2月 8日 09:00
- 歯内療法日記
勤務医時代の問診表の項目の1つに職業欄があり、開業当時は勤務医時代のノウハウを参考にしていたので問診表にも「職業欄」がありました。
職業を知っておくとそこから話が広がったり、患者さんのステータスを知ることも出来することも出来色々歯科医院経営にとっては好都合でした。
ただ、無記入の方もおられ書くの嫌なんだろうなと薄々は気づいていましたので、10年前ぐらいに問診表にはこの項目はいらないな、むしろ、もっと患者さんに聞くべきことがあるなと思い、問診表のそこの場所は「当院までの交通手段(車・電車・その他)」に替えました。
これを見て車の方なら駐車券を渡したり、電車の方だと電車の遅延の恐れがあるなど把握しています。
ですから、患者さんがどういった職業科は分からず治療をする訳ですが、たまにあるのが治療が終わった後に同業者と分かるパターン(笑)
保険診療をしていれば、保険証からある程度の職業は知ることもできるのですが自費診療専門の為に保険証を見ることもありません。
*最初だけ本人確認の為に身分証明書を見せてもらいます。(免許証でもパスポートでも本人が確認出来れば何でもOKです)
患者さんは30代女性
2020年ぐらいにMTAで直接覆髄を行ったが、3ヵ月前から咬合痛とフィステルが出来てきた。
歯の保存を行いたい。
レントゲン
神経がしんでしまい、根分岐部まで広がる根尖病変が見られます。
ただ、この歯膿の出口が頬側、舌側に見られ何か嫌な予感・・・
*通常、根尖病変1つに対して膿の出口は1つ形成されます、2つ膿の出口があるということは2つ原因があると推測します。
1回目の治療で髄腔開口
女性に多い樋状根で覆髄をした為か凄く石灰化物が多い。
またエンド三角も発達しており、その当たりを顕微鏡下で処理
「く」の字の部分をストレートに修正
*顕微鏡下で必要最小限の切削でも樋状根の必要性最小限はこんな感じ
治療2回目
不安であった2個のフィステルチェック
幸い2つとも膿の出口は無くなっており、1回目の治療である程度感染が取れたと判断
治療3回目 根管充填+レジンコア
ガッタパーチャーを使用
*近心根と遠心根はイスムスで繋がっていたのですが、MTAよりガッタパーチャーの方を選択
ここまで治療した後に同業の患者さんと知りました(笑)
歯科医師であろうと、一般の方であろうと対応や治療は変わることはないのでいいのですが、
歯科医師と知っていれば、専門用語を会話の中で使います。
術後4ヵ月のレントゲン検診
凄っ! だいぶ骨が回復してくれています。
第一大臼歯も多少の透過像ありますが、このまま経過することも多いので
先生にはこのまま様子をみて、症状出た時に介入しましょうと説明
この状態であれば勤務先の歯科医院で補綴してもらって大丈夫でしょう(・∀・)∩
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