Home> 歯内療法日記 > 「根管治療する・しない」 餅屋の判断
「根管治療する・しない」 餅屋の判断
- 2025年2月25日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは60代女性
開業して1年後の2008年に私が治療させてもらった左上5
16年近く全く問題なかったが、1ヵ月ちょっと前かにうずく感じが出てきた為
近医の歯科医院にかかると根管治療が必要と言われ、治療をスタートした状態
レントゲンを撮らせてもらうと
2008年時私が治療させて頂いた歯
根尖病変があり、前医が折った破折ファイルがこの時取れなくて、
なおかつ前医が根尖とは違う場所にパフォーレーションを起こしてしまいそこを治療した歯です。
ただ、昔あった根尖病変は2024年の再初診時には根尖病変は見えません。
患者さんにも腫れなどは出たか聞きましたが、一切出ていない。
ん~~~、何でこの歯を触ったのか・・・!?
ファイルが折れているから!?
何度も書いていますが、ファイルは膿や痛みの原因にはなりません!
⇒ ファイルが原因であれば16年も痛みがないのはおかしい。
ただ根管治療初めてしまっているので、引き続き治療を行うことに
まず歯の中には歯周病の治療で使うペリオクリーンのような抗生剤が入っており、治療された先生も色々試行錯誤はしてくれていたようです。
治療1回目
16年前に取れなかった「破折ファイル」寺内先生の破折ファイルセミナーなど行き、取り方が分かってきているので、
16年前に1時間近くやっても取れなかったものがものの10分以内で除去完了!
約2.5mmの破折ファイル
*ファイルを折ってしまうのは歯内療法専門医でも起してしまうもので偶発症の1つです。
治療2回目
腫れや痛みの無いことより根管充填+レジンコア+仮歯
術後6か月検診
あれからは腫れや痛みは出ていないそうです。
レントゲン所見も悪い感じはありません。
個人的には今回の痛みは歯ぎしりや噛みしめの可能性があったと考えます。
基本的に私は抗生剤にはあまり頼りたくないのですが、このケースに関しては歯を触るより一度抗生剤で様子見がベターだったのではないかなと考えます。
痛みや腫れなどは原因があり、その原因をまず推測しそれに対し適切な処置を行うことで治癒を迎えられます。
痛みの原因はさまざまです、根管治療した歯などは古傷が痛むような痛み方をする場合もたまにあります。
昔から「餅は餅屋」というように歯科も原因が分かりずらい難しいケースはたまにあります。
治療を行うことがいいのか!?は自分で言うのも何ですが専門でやっている人間の方が経験値や知識があるので診断は長けていると感じます。
歯の治療は同じ歯を何度も治療出来ません。
治療の度に自分の歯は削られ歯の寿命は短くなります。
ただ、前医の先生は先生で考えがあり患者さんの痛みを取ってあげたいと思い治療したとは思います。
これはかかった歯科医院で差がでてしまうよい一例かもしれません。
- 購読
- Powerd By