抜髄は1回法で
- 2023年6月21日 09:00
- 歯内療法日記
最近、ちょくちょく根管治療中の患者さんが転院されてきます。
その中でチラホラおられるのが、根管治療を半年以上していて治らない・・・
むか~し、書いたブログですが、
難しい根管治療と転院の時期 - EE DENTAL_Blog
正直、私の経験で根管治療でそんなに長引くのは「非原性歯痛」で転院されてきて、
治療しても痛みが引かない場合のみ、その場合でも半年で治療を打ち切ります。(ペインクリニックで先に治療をしてもらい、その後通常の根管治療を続けます)
*この「非原性歯痛」も不適切な根管治療で歯科医師が作った医原性の病気なんですが・・・
「エンド専門医に治せない歯痛」 セミナー 【非歯原性歯痛】 - EE DENTAL_Blog
抜髄(神経の生きている歯の神経を取る)スタートで、治療後1週間経過しても痛みが続いている、腫れている場合は殆ど細菌感染をさせてしまった場合、すなわち痛みが長期化する可能性があります。
私の考え方は、神経治療はできるだけ1回で処置を行い開けた穴は接着性のある材料ですぐに塞ぐです。
仮蓋というのは接着性材料でない為、封鎖性が落ちます。
封鎖性が乏しければ、歯の中すなわち体の中に細菌が入りやすくなります。
元々、日本の根管治療費設定はちょっと意味不明な治療費の付け方で、この費用で問題ない歯を作るというのは個人的には難しいと思いますし、貼薬(薬の入れ替え)で治していくという術式も旧式(竹槍スタイル)過ぎて・・・
*多くの歯科医師を敵に回す書き方していますが、個人のブログなので。。。(笑)
根管治療を例えれば、盲腸の手術と似たようなものです。
盲腸の手術であれば、炎症を起こした盲腸を切り取り、切開部を縫合してその日のうちに手術が終わります。手術部の痛みも数日で癒えてきます。
盲腸の手術を何回も何回も同じ場所を触りませんよね!?
根管治療も体の外と中を触る処置なのですから、目的を達成したらすぐにでも外と中は塞ぐべきです。
特に口の中は体の中でも2番目に汚い場所(菌の多い場所)なのですから、細菌に対する配慮はより必要です。
私の経験上出した結論は、「抜髄は1回で治す!」
ただし、奥歯などは神経管が複数あるので1回で治療を行おうとすると2時間近くかかります。
知り合いの上手な歯内療法専門医の先生にも「臼歯部の抜髄1回法を行う場合の予約時間は!?」と聞いたことがありますが、「2時間は時間貰うね!」と
当然患者さんは長く使える歯(成功)を求められます。
ただ、1日20~30人の患者さんを診ないといけないシステムだと1人に2時間もかけていたら休みなく働いても次の日になってしまいます。
ですから、日本の根管治療は少しずつ少しずつ治療を繰り返すのですが・・・
これが失敗の原因(長く続く痛みの原因)だと私は考えます。
後は、穿通のやり方を知らない歯科医師が多い、(すみません、上から目線でm(_ _;)m)
「穿通」って根管治療の超・超基本なのですが大学でも一切教えてもらえません。
*野球で言えばボールの投げ方を教わるのと同じようなものです。
穿通ですが、私のやり方で良ければ聞きに来てください(CM)
2024年 超実習型エンドハンズオンセミナー 受講者募集のお知らせ - EE DENTAL_Blog
正しい穿通が出来ない ⇒ レッジを作る ⇒ 根管治療の難易度が上がる ⇒ 時間がかかる ⇒ 細菌感染が起こる ⇒ 痛みが続く です。
個人的には、虫歯が大きく症状のない歯などは「断髄で良くない!?」と思っています。
わざわざ治療の難しい根尖で神経を切る意味は!?(?。?)
昔のように、患者さんが「悪くなった歯なんて抜いて入れ歯でいいよ!」という時代なら保険治療で十分対応できたと思いますが、今の時代の「自分の歯は長く持たせたい」「一生自分の歯で食べたい」というニーズだと今の日本のシステムでは対応は難しいと個人的には思いますね。
(今時、日本の治療費で日本と同じ設備で歯科治療をしてくれる国ってないと思いますね)
こんなこと書いていますが、転院してくる患者さんには、「多くの問題は、今の保険治療では仕方がないこと」と説明しています。
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