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問題なく痛くなかった歯が根管治療した為に・・・予後報告
- 2021年12月22日 09:06
- 歯内療法日記
根管治療を始めてから痛みが止まらない - EE DENTAL_Blog
の続き
最初に1年予後
もともとレントゲン上では何の問題も無さそうに見えていた歯ですが、
1年後も悪い所見はありません。
変わったのは症状
術前の経過
20年前に治療した痛みの無かった歯を先生に「悪くなっている」と言われ治療開始
月に2回ゴリゴリファイル操作を行うものの歯茎に痛みが出てきた。
治療3回目にかなり大きな痛みが出た後、そこから痛みが現在も続いている。
日によって痛みは異なる。前は鼻の下が痛かったが今は歯の周りも痛い。
根管治療を開始して1年が経過(痛みに困っている)
術後1年症状
歯の周りの痛みは無くなり、生活に全く支障はない。
ストレスが大きい日に多少ムズムズする感じはある。
という所まで痛みは引いてくれ、ペインクリニックへ行かずにすみそうです。
経験からの私見ですが、
根管治療=小外科手術なので痛みは少なからずあります。
ただ、治療による痛みは殆どの場合2~3日で引いてきます。
(*その間は処方する痛み止めで痛みを抑えてください)
メタ解析で7%程度の割合で大きな腫れや痛みになる「フレアーアップ」が出ることも分かっていますが、
EEデンタルの場合、この割合は2%であり、そこまで多くはありません。
1週間以上痛みが続く場合の多くは細菌感染を起こしてしまったことによる痛みだと推測できます。
残念ながら日本の根管治療は細菌感染に対する配慮が希薄で、そういった配慮なしに行うものは
「治療」というよりほぼ「作業」です。
*ただ、保険治療費は世界的に鑑みてありえないぐらい安い治療費なのでまともな治療ができないことも付け加えておきます。
ベトナムの患者さんでも根管治療を受けようとすると2万円は出すそうです。日本では数千円。。。
また根管治療は歯科治療の中でも難易度が高い為、テクニカルエラーを起こしやすい治療で
今回のように治療したが為に医原性の問題を作り、痛みを植え付けてしまうこともあります。
今回の場合は不適切なファイル操作の為に起こした根尖付近への「パフォレーション(*)」
*歯に人工的な穴を開けてしまうこと
本来の神経管とは違う所に穴を開けそこに細菌感染を起こさせてしまったと推測されます。
たぶん急ぐあまりHファイルなどでゴリゴリやったんだろうな・・・と
私のGPの効率的な除去の仕方
詳しくしりたければ、知立セミナーに来てください。
ただ、2022年は満席で。。。m(_ _;)m
*2023年もやりますので、その際はよろしくお願いします。
1年も根管治療を続けていたのに、
絵に書いたような本来の根管とは違う場所を削ったかどうか分からないのか!?
これは顕微鏡がないと分かりません。
顕微鏡が無くても勘の鋭い先生なら根尖付近のパフォレーションと分かりますが、
その部分へのリカバリー治療までは不可能だと思います。
この状態になると治療の難易度は極端に上がり、最悪抜歯や外科処置が必要になります。
患者さんとしては痛くも無かった歯の治療でこうなってしまうと悲しいですよね。。。
今回の患者さんも、次にかかった転院先の先生に『歯内療法専門医』に診てもらった方がいい
とアドバイスをもらい、ネットで検索しEEデンタルへ来院されましたが、
一人目の先生は何を1年治療していたのか!?
今回は本来のオリジナルの根管の治療と穴の開いた部分のリペアを行いました。
*根管充填はパフォレーション部含めMTAプラスを使用しました。
術後1年の当該歯
治療内容:根管治療+パフォレーションリペア+ホワイトニング+レジンコア+レジン充填
*歯の色が1本だけ茶色だった為、審美的な改善の為ホワイトニングを併用させてもらいました。
なかなか自分でも綺麗に治せたんじゃないかな!?と思います。
後、今残っている、ストレスによる多少の違和感は許容してもらう必要があるかもしれないこと
待てば引いていく可能性もあることより、これ以上治療をするより待った方がいいと説明し終了となりました。
根管治療はトラブルの多い治療の1つです。
根管治療をスタートして半年以上やっている患者さんは転院した方が解決は早いと思いますよ。
触れば触るほど悪くしている部分が大きいです。
難しい根管治療と転院の時期 - EE DENTAL_Blog
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