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根管治療を始めてから痛みが止まらない
- 2021年7月23日 09:05
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
20年前に前歯の神経を取り、歯の色が変色はしてきていたが痛みは無かった歯
1年ほど前に歯科医院に受診した際に、悪くなっていると言われ根管治療スタート
月に2回 ゴリゴリ治療するが治療3回目に大きな痛みが出て、そこから痛みが続いている。
現在の痛み方は日によって痛み方が異なる、前は鼻の下が痛かったが現在は治療中の歯の周りが痛く
隣の歯まで痛みが出てきている・・・
レントゲンを撮ると
症状があり、1年以上治療している割には特に病変様の所見もなく
個人的には「治療する必要あったのか・・・!?」とも思える。
根尖がかなり太く削られており、疑うは根尖のパフォレーション!
CBCTを撮ると案の定そんな雰囲気。。。
何度かかいていますが、根管治療を同じ先生が半年しても改善しないのであれば
早めに転院した方が無難だと思います。
根管治療中の転院はいつでも可能です。 - EE DENTAL_Blog
歯科医師の先生も同じ歯を半年治療して治せるとお思いなのでしょうか!?
正直、自分の手に負えるものと負えないものの診断は初歩の初歩のはずなのですが・・・
患者さんには、まずきちんと根管治療をした方がいいが、
1年同じ歯を触っていると「非原性歯痛」の疑いもあり、
根管治療で改善がなければペインクリニックでの治療が必要になると説明
また痛みの改善は長期間の治療になることを説明
今回のようなケースは外科的歯内療法をしても痛みの改善は殆ど期待できません。
多くの先生は、根管治療で痛みが取れなければ外科と判断しますが、個人的には全く不可解な診断だと思います。
多くの場合は根管治療つまり歯の中の治療の不備による痛みです。
外科で歯の外を触っても原因でない場所に傷を入れているだけのような・・・
患者さんの了承を得て根管治療スタート
治療1回目
やはりオリジナルの根尖とは違う場所が削られており、
根の先の湾曲したオリジナルの根尖部分にはかなりの量のガッタパーチャーが残存・・・
1年毎週治療していたのに。。。
1回目の治療で歯の中をできるだけ綺麗にして、
ここからは、1カ月おきにインタビューをして2カ月おきに消毒のパターン
1か月後:
痛み止めを飲むような痛みはないが、歯がピキッとする感じがある。
鼻の下を押すと痛い、治療後3日ぐらいは痛みのない日もあった。
2か月後:
腫れはないが、痛みは変わらない。
痛み止めは1回も飲まずに経過
この日はラバーダム後、根管洗浄(ファイル操作はなし)を行いました。
特に膿などの所見は見られず、根管内は綺麗でした。
3か月後:
腫れはない、痛みは前より減っている
鼻の下を押したりした時の痛みは減ってきている。
痛みの頻度は減ってきているが根の先はムズムズする感じはある。
少し改善してきているので、次回MTAにて破壊された根の先を根管充填をすると説明
4か月後:
腫れ痛みはないが、鼻の下を抑えるとまだ痛みは残っている。
歯の中も特に汚れた感じもなく綺麗だったので、徹底的に消毒後に
MTA根管充填、インターナルブリーチ、レジン充填
綺麗に根管充填終了!
と言っても、充填剤が綺麗に入れば治る訳ではないんですが・・・
根充から3か月後のレントゲン診断
毎日ではにがたまにムズムズする感じは残っているが、前のような痛い感じはない
改善傾向が出てきているので、このまま待機診断で症状確認だけしていきます。
この後1年予後のレントゲンを撮って痛みが無ければ終了です。
個人的な感想ですが、、
先端が削れるファイルを使い行う治療では起こりやすい医原性の問題です。
患者さんが出来る自衛としては半年同じ歯を触って結果が思わしくない場合は、
専門性の高い歯科医院、歯科医師に転院した方がいいでしょう。
昨日も1人同じような痛みでお困りの患者さんが3件目の歯科医院の先生に
「EEデンタルで診てもらった方がいいよ」と教えてくれたと
初診で来院されましたが。。。
私のような三流歯内療法専門医でもこれだけ痛みに悩まされている患者さんを見ているので、
このような医原性のトラブルは相当多いと思いますね(★。★)
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