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痛みの取れない歯の根管治療依頼
- 2021年12月17日 09:06
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
ブリッジの仮歯を入れてから冷温水痛が出て来てしまい、口を開けるだけでも痛みが出て来た。
仮歯では痛くて噛めず、左下5(主訴の歯)の抜髄(神経除去)をかかりつけで行ったが、
再び仮歯を入れると痛みが出てしまう、仮歯を外していれば痛みは出ない。
再び根管治療を行っているが、最近歯茎が腫れてきたとのこと。
かかりつけの先生は、既に非原性歯痛を疑い既にリリカを処方したとのことですが、
服用後丸1日寝てしまい、それ以降怖くて飲んでいないとのこと
*個人的には一般歯科開業医はそっち系の薬は処方しない方がいいと思います。
痛みが取れない歯の多くは不適切な根管治療による細菌感染です、きちんとした根管治療で約半数近くの患者さんの痛みは改善します。
流れとしてはむやみに強い薬を処方するより歯内療法専門医への紹介を先にした方がいいと思います。
担当医の先生から歯内療法専門医を紹介されEEデンタルへ
レントゲンを見ると、
根の先に根尖病変様の所見あり。
痛みに関しては、治療を行ってもすぐには引かないこと、
治る場合でも半年近くは痛みが続くこともある、
半年後に今と同じ痛みがあれば、ペインクリニックの受診という形になると説明
初診で受診された後、1か月後に電話があり、
顔がパンパンに腫れてきたとのこと、受診して頂くと左側の顔がパンパンに腫れている。
3日前から痛みが出てきた後、セフェム系の抗生剤を飲み始めるも下顎が腫れ、その後上顎に腫れが広がったとのこと。
ただ来院時には腫れのピークだと思われ、原因歯だと思われる下顎の5周辺に波動を触れるので、
切開を行い減圧をはかることに。
切開を行うとダクダク膿が出てくる、10分ぐらいで一旦膿が落ち着くので
切開部にドレーンを入れ系統を変えた抗生剤を処方(アジスロマイシン)
切開をして膿をある程度出すと患者さんは非常にラクになったと喜んでいましたが、
問題の歯を治療しないと再びこうなってしまいます。
こんな感じで膿が出ることがたまにあります。
:EEデンタル【虫歯が原因で大量の膿!】 でも抜かない根管治療専門医 - YouTube
*抗生剤を点滴で入れてもいいぐらいの腫れ方でしたが、私はルート取れないので内服薬で
2週間後 腫れが落ち着いたので治療スタート
1回目の治療で根管内を徹底的に洗浄
また先生も頑張って根管治療されたようで根尖は大きく開いていました。
2週間後の治療2回目 インタビューのみ
疲れると多少うずく感じがあり腫れそうになるが、治療後腫れや痛みはないとのこと
腫れなどはないことより次回MTAで根管充填することにしました。
更に2週間後の治療3回目(治療開始から1か月後)
腫れや痛み、根管からの排膿がないことを確認して徹底的に洗浄した後にMTAにて根管充填
最近他院でMTAで根充した後、腫れや痛みが取れないと問い合わせが2件ありましたが・・・
基本的に「MTAで根管充填=次は外科処置」となるので、MTAを詰めるのであれば担当の先生が外科的歯内療法が出来るかどうか!?は確認した方がいいですよ。
昨日の患者さんはストレート根管だったのでMTAを音波で削って除去しまして根管治療しましたが、
MTA除去すると膿が出てきました。。。
MTAは魔法の薬ではないんですけどねぇ。
今回の歯の1年予後
症状もなくなり、かかりつけの先生に綺麗にブリッジを入れてもらえました。
根管治療は歯科治療の中でも特にトラブルになりやすい治療の代表格です。
開業医の先生もありえないぐらい安い保険治療費の中で頑張っておられると思いますが、
自分の根管治療に限界を感じる場合は、何度も闇雲触るより速やかに大学病院や歯内療法専門医に
紹介した方が患者さん、先生お互いの為にもいいと思いますよ(^。^)
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