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歯内療法日記: 2016年12月アーカイブ

歯の中からの歯内療法で治らない感染根管⇒外科的歯内療法

歯ぐきから膿が出るという30代男性患者さん

レントゲンを撮ると

2016 EEdental KM0 (1).jpg

根尖病変が2本の歯に見られます。

  

ブリッジが入っていましたが、まずは奥歯から治療スタート

 

 

が!

 

2度治療をしても膿が治まりません。

2本のうちもう1本が原因になっているか確認すると

2016 EEdental KM0 (2).jpg

やはり歯ぐきから出ている膿の原因は奥の歯

 

患者さんには歯の中の治療には限界がありそう

外科的歯内療法が必要になりそうであることを伝え

 

治療3回目 膿は止まらず。。。

 

MTAを詰めて外科処置に踏み切ることになりました。

(その間に手前の根管治療を行いました)

2016 EEdental KM0 (3).jpg

 

外科後膿はすぐに止まり、違和感も無くなってきたとのこと

 

その後のレントゲン診査

2016 EEdental KM0 (4).jpg

少し骨が出来てきてくれているみたいです!

 

今回のように膿の出る歯に関しては

ファーストチョイスでは歯の中のクリーニング

それでも治らなければ

セカンドチョイスとして外科治療を選択しなければなりません。

 

多くの歯は歯内療法で収まる傾向が現れますが、
このように治療中に外科判定を下すことが極々たまにあります∪(・ω・)ノ

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続・穿通できなかったケース報告

以前、書いたブログ

【感染根管治療、穿通なしでも治る時は治ります。】

http://eedental.jp/ee_diary/2016/09/post-1473.html 

 

更に3か月経過した今週定期診断を行いました。

2016 EEdentalFT0.jpg

ええ感じですやん!ヽ( ̄▽ ̄ )ノ

 

本来の神経管と違う感染していない場所を頑張ってネジネジしても

医原性の問題を作るだけなので、専門医は開けれる所まで開けて

治らなければ外科的歯内療法で対処します。

 

ただ、今回の様に上の感染源をきちんと取ることで治ってきてくれる歯も

極たまにありますので、その辺は待機診断が有効な手法です( ・ω・)ノ

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感染根管治療の治癒傾向

膿が出てきて近くの歯科医院で感染根管治療を受けたが
またすぐに膿が出てきたという30代男性患者さん。

   

レントゲンを撮ってみると

2016 EEdental UY (1).jpg

レントゲンに収まらないぐらいの大きな病変。。。

 

再治療を行った為か大きな金属の芯まで入っています。

 

とりあえず患者さんに残す方向で治療をしましょうと説明して

 

治療スタート

被せ物・土台を外すと歯の中からは膿がダクダクでてきました。

また部屋全体に充満する悪臭 

 

1回目の治療が終わると患者さんは

自分の歯から出たいた匂いと知りショックを受けていました(;・з・)

*極たまにこういった非常に匂う歯はありますし、細菌感染が原因ですがきちんと歯の中を綺麗にすれば匂わなくなるので安心してください

 

100万円の業務用空気清浄機と大量のファブリーズで次の患者さんまでには匂いを取ります。 

(匂いが残っていると次の患者さんはビックリされます) 

 

1回目の治療から2週間後

大きく腫れてきてしまったと連絡がはいりました。

フレアーアップか。。。

http://eedental.jp/ee_diary/2014/10/post-1042.html 

文献的には8.4%の確立になっていますが、

EEデンタルフレアーアップの割合非常に少なくて年に2~3人で

全体でいえば平均2%ぐらいなのですが、ゼロ%には残念ながらなりません・・・

 

とりあえず抗生剤を5日飲んでもらい腫れを引かせて、

 

その後、治療2回目

前回よりましですが、まだ膿が少し出てきます。。。
とりあえず3本の神経管のウチ膿の出ていない2本の神経管に関しては根管充填

2016 EEdental UY1  (2).jpg 
白い線が根充剤

  

術前とのレントゲンを比較すると、

2016 EEdental UY (2).jpg

膿は出る物の病変は小さくなってきているようにも見えます。

 

そこから2週間後

もう膿出ていないだろうと治療してみると!

まだ少し膿が出てきます。。。

⇒根管充填延期

   

とりあえず期間をあけてようすをみることにしました(・Д・;)

 

 

更に1ヶ月後

膿がようやく止まり根管充填

前回の治療で根の先が大きく削られていた為MTAを使用

 

根管充填から3か月後

2016 EEdental UY (3).jpg 

大きく骨が無くなっていた場所に骨が出来てきてくれている所見が見られます!(・∀´・)

 

フレアーアップが起こっても、成功率には大きく下がるということはありません。

このフレアーアップ根管治療には付きものの偶発症であり、

初診時にお渡しする歯内療法資料の中にも書いてありますので、治療を受けられる患者さんは目を通しておいてくださいね(・∀・)ノ

 

今回の患者さんも術前時に説明をしていたので、そこまで不安にならず通法通りの治療で終えることができました。

 

この後もうしばらく経過を見てゴールドクラウンを入れる予定です(∇ ̄)

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痛くなければ口の中は健康!?(感染根管治療+パーフォレーション)

50代女性患者さんは、

痛くないが悪い所を治したいとのこと

  

左下のレントゲンを撮ってみると・・・

  

2016 EEdental SK5 (1).jpg

問題だらけ。。。 

これだけ問題があっても症状はありません。

 

口の中の疾患の多くは慢性疾患で、

糖尿病や高血圧のような病気と同じで日に日に少しずつ悪くなり体が感知するのは、だいぶ酷くなった後

もしくは体の抵抗力が下がった時(風邪を引いたり、疲れが貯まった時、ストレスが限界の時) 

などです。

  

今回の歯の問題の多くは医原性であり、もうちょっときちんと治療をしていたら・・・・ヽ(´ω`;)

 

歯を残す為には1本ずつ1か所づつ問題を全て問題を解決しなければなりません。

かなり難易度の高いケースですが、

2016 EEdental SK5 (2).jpg

とりあえずできる限りのことをさせてもらいました。

後は、定期的にレントゲンを撮り経過観察を行います。

 

歯の治療は0.1mm以下の単位での治療の連続です。

この連続する細かい治療を1つずつ積み上げるようにして治療が成立します。

 

その為には顕微鏡というのは細かい物を見る・確認する為にはマストアイテムだとも私は思います。

 

 

裸眼の治療と顕微鏡下での治療

どちらが問題の起こりにくい予知性高い治療になるでしょうか!?

  

医療全体で見ても今まで見えなかったものまで顕微鏡の登場で見ることができ医療が発展しています。

いわば顕微鏡の発展の恩恵というものを医療は多大に受けています。

 

歯科だけ顕微鏡なしの裸眼で十分なんてことはないと思うのですが。。。

kokuritu (2).jpg   

国立科学博物館に行けば昔の顕微鏡が見れます。

kokuritu (3).jpg

        ↓

kokuritu (4).jpg

日本では江戸時代に既に拡大の世界はスタートしています。 

   

なぜ、今あるテクノロジーを使わないのか!?

(江戸 VS 平成)  

  

患者さんとしては自分の体ですから

なるべく丁寧に治療してもらいたいものですよね(・∀・)ノ
 

ただ、拡大視野で治療しても成功率が100%にならないことも事実。。。

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感染根管治療後の歯根破折とヘミセクション

報告が遅れましたが、

「歯内療法専門医の意地と攻め方!」

http://eedental.jp/ee_diary/2014/09/post-1025.html 

のその後報告

【レントゲン】 

2016 EEdental  A1.jpg 

  

治療後、メタルTEK(金属の仮歯)で生活してもらっていたのですが、

治療を終えて1年後

2016 EEdental  A12(1).jpg 

頬側にまたフィステル(膿)が出てきてしまいまい、

歯内療法専門医の意地は脆くも崩れ落ちました。。。( ̄ロ ̄lll) 

 

患者さんと話し合い、折れている可能性が大

(術前時に話していたので患者さんも納得してくれていまいた)

 

インプラントはなるべく避けたいとのことで、

歯の前側半分抜いて手前の歯とブリッジにする案を出し

 

半分抜く「ヘミセクション」を行いました。

2016 EEdental  A12(2).jpg

 

抜歯した歯

2016 EEdental  A12(6).jpg 

今の所、歯に入ったヒビを検査する方法・器具などは存在しません。

ですので、折れているかは最後術者が破折線を確認した時

『歯根破折』という病名が付きます。

 

 

逆に言えば、根管治療がうまくいかず

「この歯は折れているかも」

と言われる場合も多くは折れていません。

 

根管治療中に先生に「折れているかも!? 抜歯しましょう」と言われたら

抜く前に専門の歯科医院に転院した方がいい場合もあります。

(きちんと根管治療したら残る可能性はあります)

  

今回の患者さん半分歯を抜き

抜歯した場所の歯ぐき・骨の治癒を5カ月待ち

2016 EEdental  A12(3).jpg

ゴールドブリッジをSetさせてもらいました。

 

歯根破折か分からず、患者さんには定期的に何度もレントゲンを撮らせてもらいました。

 2016 EEdental  A12(4).jpg

 

歯根破折診断器が開発されれば100万でも買いますけどね。

(誤差10%以内であれば)

 

以上、根管治療はメチャクチャ手ごたえあったのに残らなかったケースです。

(正確に言うと半分残した(-ω-;)ゞ)

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大きな病変 歯内療法(根管治療) VS 外科的歯内療法

40代男性

近くの先生からの紹介

 

痛み止めがかかせないというぐらい大きな痛みのある患者さん

 

術前時

2016 EEdental MT2 (1).jpg

かなり大きく骨が溶けており、歯茎は大きく腫れた状態

 

左上1:外科的歯内療法

左上2:神経が死んでいた為根管治療

 

そして、今週外科後1年

2016 EEdental MT2 (2).jpg

綺麗に骨が出来てきているのが確認できます。

 

患者さんは週に2~3回1分程度の違和感はまだあると

おっしゃられていましたが、歯茎の腫れもないことより

もうしばらく経過を見ることとなりました。

 

根が悪くなった歯の治し方、一度専門にご相談ください。

 

 

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