Home> 歯内療法日記: 2015年6月アーカイブ

歯内療法日記: 2015年6月アーカイブ

1本の根管治療から全顎治療へ

去年抜髄をしたのだが、痛みと違和感が続いており、物が当たると特に痛い。

 

現在やり直しの治療をマイクロスコープのある歯科医院で治療してもらっているが治まらない。

CI2.jpg 

EEデンタルで5件目で、何とか治したい。ヾ(・д・。)

 

とのこと、

 

 

「ん~、難しいねぇ~~~!」I(´ ω `;)

 

毎回書くのですが、

根管治療は1回目が運命の分かれ目であり、悪くなってしまった歯は予後が非常に不安定になります。

 

とは言え、誰かが治さないと・・・

 

患者さんには治らない可能性があること、また最悪抜歯になる可能性があることをお話して根管治療

 

1か月おきに消毒をすること4回

違和感は大分減ったとのことで根管充填!

 

というのが1年前

2015 EEdental U1 (2).jpg

現在ゴールドクラウンを入れて痛み・違和感なく使えているそう( ・`ω・)ノ

 

 

こんな経験をしてしまうと、

「先生、虫歯が怪しい所は全部治しておいてください」

 

となり、銀歯を1本レジン充填してみると、

 

「先生、白い歯っていいね!」ヽ(・Д・ )ノ

 

「先生、銀歯は嫌なので白く治したい!」

2015 EEdental U1(3).jpg

となり、

 

結局全部の歯の治療を行うことになりました。

  

全顎治療 術前 ⇒ 術後

2015 EEdental U1 (1).jpg

歯内療法 1本 

ゴールド修復 1本

レジン治療 10本

 

 

また何かあったら来てくださいね!( 'Θ')ノ

(何かあっては困るんですが・・・^^;)

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

抜歯の判断の違い 歯内療法専門医orインプラント専門医

一般の方は歯科医院と言えば、

同じ基準で同じような治療が受けられると思われがちですが、

実は先生の得意分野などにより基準・治療法というのは全然違いますヾ( ̄□ ̄;)

 

ここで1つ覚えておくといいことは、歯科医院は歯を残す科歯を抜く科があります。

歯を残したければ、保存科、歯内療法科、などが得意な先生の歯科医院にかかるべきです。

親知らずや、折れた歯などを治療したければ、口腔外科にかかるべきなのです。

 

 

患者さんは知らないだけで実は歯科も細分化しているんです。

http://www.eedental.jp/treatment.html 

 

特に、私の専門分野である歯内療法 

一度神経を取った歯の周りの歯茎から膿が出たり腫れてきたりしてしまった患者さん

 

歯科医院にかかる時は注意してくださいね( ゚ д ゚ )

 

 

先日こんなことがありました。

歯茎から膿が出てくるという患者さん

2015 EEdental M (1).jpg

この場所に大きな病変があり、ここの歯が原因で歯ぐきから膿が出ているようです。

 

1件目 インプラント専門の歯科医院で

「抜いてインプラント2本を入れましょう、 費用は80万」

 

  

患者さんは思います、80万!。。。 

この歯抜かずにすむ方法はないのか!?

 

ネットで色々調べ、 

2件目にEEデンタルに、

話を聞いてまず思わず言った言葉が

「えっ!これ抜歯言われたの!?」

「いやいや、これは一度根管治療してみて残す治療した方がいいよ」

「もし治療するとなると仮歯まで作って、治療費は全部で14万ぐらい」

  

 

という説明をさせてもらい、治療をさせてもらいました。

 

当然患者さんは自分の歯が残せるなら、抜いてインプラントより根管治療とい方法を選ぶと思います(>ω・)ノ

 

そして今週、治療から1年が経過してのレントゲン診断でした。

2015 EEdental M (2).jpg

見事に病変が治り、びっちり骨が出来てきてくれています!(っ・∀・)っ

 

 

こんな風に、歯科医師によって抜く基準というのは違うのです

 

積極的にインプラントをしている先生の歯科医院(=ネジ屋さん)であれば、

ガンガン抜いてインプラント(ネジ)に置き換えるという「怖~い」治療方針

*ネジは儲かるし、根管治療より手間かからないからね・・・ ← あっ、これ言っちゃいけないのか( `∪´ ;)ゞ

 

元はと言えば、保険治療の根管治療費が安過ぎるのが問題なんです。

(海外の1/10で結果なんて出せる訳ないじゃん!)

 

 

歯科医院といえば同じようにみえるのですが、

保存科、歯内療法が得意な先生であれば今回の場合、多くの先生が歯を残す治療を試みます。

 

ですので、患者さんは歯科医院にかかる時に設備以上にその先生の得意分野が何か!?

ということを知っておいた方がいいと思います。

 

 

誤解のないように、

インプラントが得意な先生でも歯を残す治療を試みてくれる先生はおられます。

 

ただ、一般の方が相反する治療である「インプラント」と「歯内療法」両方得意とする先生を探すのはかなり難しいと思います(★。★)

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

金属の土台が起こすトラブル パフォレーション

歯茎から膿が出てくるとのことで患者さんが来院

  

レントゲンを撮ってみると

2015 EEdental yok (1).jpg

赤丸の部分の骨が溶けており、今回の膿は上の赤丸の部分から出ているよう(´ Д`;)

 

 

日本では神経を取った歯は金属の土台で補強を行うことが多いのですが、

個人的にはわざわざ削って入れる金属の棒が害になることが多いような気がしています。

 

「メタルコア VS レジンコア デメリットの観点から考察」

http://eedental.jp/ee_diary/2013/12/post-882.html 

「根管治療後の支台築造(メタルポスト)を考える! 前歯の大きな根尖病変」

http://eedental.jp/ee_diary/2015/03/post-1131.html 

 

 

日本の歯科医師というのはどちらかと言えば、

歯の長持ちさより歯科医師自身の作った詰め物が取れないような配慮ばかりして治療をしている気がします。

(かなり偉そうなこと言っていますが^^;)

 

また取れないように配慮した詰め物というのは外す時にも厄介です(´ヘ`;)

 

昨日も、根管治療で金属の土台の除去をした患者さんに

「何件も歯医者をまわって、どこの歯科医院でもこの土台は取るのは不可能と言われたんですけど取れたんですね!」と

 

まぁ、根の専門であれば大抵の土台は外せます!( ̄∇ ̄)ノ

  

ただ、土台の除去に1時間半かかることも今年ありましたが・・・

http://eedental.jp/ee_diary/2015/03/1-4.html  

 

 

 

今回の患者さんの歯に関しては、

たぶん土台の形成中に歯に穴を開けそこが感染して、骨が溶け膿が出てきたと推測されます。。。

  

まずは穴の開いた位置を顕微鏡下で確認してパフォレーションリペア

2015 EEdental yok (2).jpg

白いものがMTA

 

その後通法の根管治療を行い10か月後

2015 EEdental yok (3).jpg

ある程度骨が戻ってきてくれました。

 

また治療後膿も痛みも全くでていないことより、今後被せ物を作って治療が終わりになります(・ω・)ノ

  

2015 EEdental yok (4).jpg

昔と違いいい材料が出てきているのですから、そろそろメタルポストは見直した方がいいと思うのですが・・・( ̄Д ̄;)

 

こんな所で小物がいくら言っても保険のレギレーションが変わらない限り変わらないんですけどね(笑)

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

根管治療で奇跡的に保存できた1ケース

細菌感染したやり直しの治療を【感染根管】 といいますが、

成功率は低く専門医の先生でもだいたい70~80%ぐらいといわれます。

 

統計とは全体の数でみるもので、難しいケース、簡単なケースを含めてですから

中にはこれよく残せたね!というケースも含まれています。

 

個人的も術前時にこれは難易度高いなぁ~と思う歯はよくあります。

(専門でやっているとそういう歯の遭遇率は必然と高くなります)

また、そんな歯に限って問題が多いのでオプションの治療が必要になることもあります。

 

 

ただ、私の現在の感想は、

根管治療はやってみないと残る・残らないは分からない

また、

簡単な根管治療は存在しない!

と感じます。

 

 

そんな奇跡的な1例

2015 eedental  kar.jpg

仮歯で1年経過しましたが、順調に骨が出来てくれました!(^ω^ )/'''

 

 

チャレンジケースだったので、残ってくれて患者さんも非常に喜んでくれました!

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

裸眼治療では限界のある上顎第2大臼歯の根管治療

下顎の第2大臼歯に比べると、上顎第2大臼歯はあまりクローズアップされないのですが、

実は上顎第2大臼歯というのは色々な根管の形態があり、

根管の位置がほぼ決まっている第一大臼歯より治療難度が格段に高いと思っています!!( ̄Д ̄)

  

奥歯から膿が出てくるという患者さん

2015 EEdental sa (6).jpg

どうやら一番奥の歯が原因になっているようなのですが、

以前の根管治療がうまく行っていないようです。

(あまり綺麗なGPの入り方ではないですね...(((;´ω` ))

 

そこで根管治療を初めてみると

2015 EEdental sa (4).jpg

「!?」

 

この部分パフォレーション!? 外部吸収!? と思うような厄介そうな所見が・・・

 

なんてことはない、治療を続けるとこの部分から根管が出てきました( ̄。 ̄;)

2015 EEdental sa (5).jpg

この部分の手つかずの神経管に細い0.1mmのファイルを先端まで差し込むと・・・

 

ジワジワ膿が溢れてきました(p・Д・;)

 

もしかしたらこの手付かずの根管が今回の感染の原因になっていたかもしれません。

  

私は大学で第2大臼歯は第1大臼歯と同じような神経管は3本と教わり方をしてきましたが、

顕微鏡治療を始めて10年、第2大臼歯の根管の複雑さから感染根管は裸眼での治療の限界を感じます。

 

上の症例もこんな部分から神経管が出てくるとは習いませんし、

ましてや教育の段階で前例など見せてくれないと想定もすることができません。

 

 

昔、英語で発表といわれ、発表を辞めてしまったスライドから第2大臼歯の根管の多様性

2015 EEdental 7.jpg

上の歯全て上顎第2大臼歯です。

①1根管2根尖

②2根管

③3根根中央部までイスムスで繋がった歯

④変な位置にある遠心頬側根

⑤今回のケースと似た四角形の位置関係にある4根管

⑥遠心頬側第2根管

⑦近心頬側と遠心頬側根が繋がった根管(根尖でMB2も合流)

⑧3根集まったケース

⑨5根管 

私の経験では神経管が1本~5本まで出現しました。

 

 

上の前歯など神経管の数が100%1本だと治療はラクなんですが、

第2大臼歯は、歯の神経管の形も人それぞれで、治療は困難を極めます。

 

 

だ・か・ら!

奥歯の根管治療は視野の拡大を行い1本ずつ丁寧に治療を行う必要があると思うのです!

 

 

 

とブログを書く前に、21日の顕微鏡講演のスライド仕上げなくては・・・( ーДー;)マヂで

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

Home> 歯内療法日記: 2015年6月アーカイブ

購読
Powerd By

Return to page top