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裸眼治療では限界のある上顎第2大臼歯の根管治療

下顎の第2大臼歯に比べると、上顎第2大臼歯はあまりクローズアップされないのですが、

実は上顎第2大臼歯というのは色々な根管の形態があり、

根管の位置がほぼ決まっている第一大臼歯より治療難度が格段に高いと思っています!!( ̄Д ̄)

  

奥歯から膿が出てくるという患者さん

2015 EEdental sa (6).jpg

どうやら一番奥の歯が原因になっているようなのですが、

以前の根管治療がうまく行っていないようです。

(あまり綺麗なGPの入り方ではないですね...(((;´ω` ))

 

そこで根管治療を初めてみると

2015 EEdental sa (4).jpg

「!?」

 

この部分パフォレーション!? 外部吸収!? と思うような厄介そうな所見が・・・

 

なんてことはない、治療を続けるとこの部分から根管が出てきました( ̄。 ̄;)

2015 EEdental sa (5).jpg

この部分の手つかずの神経管に細い0.1mmのファイルを先端まで差し込むと・・・

 

ジワジワ膿が溢れてきました(p・Д・;)

 

もしかしたらこの手付かずの根管が今回の感染の原因になっていたかもしれません。

  

私は大学で第2大臼歯は第1大臼歯と同じような神経管は3本と教わり方をしてきましたが、

顕微鏡治療を始めて10年、第2大臼歯の根管の複雑さから感染根管は裸眼での治療の限界を感じます。

 

上の症例もこんな部分から神経管が出てくるとは習いませんし、

ましてや教育の段階で前例など見せてくれないと想定もすることができません。

 

 

昔、英語で発表といわれ、発表を辞めてしまったスライドから第2大臼歯の根管の多様性

2015 EEdental 7.jpg

上の歯全て上顎第2大臼歯です。

①1根管2根尖

②2根管

③3根根中央部までイスムスで繋がった歯

④変な位置にある遠心頬側根

⑤今回のケースと似た四角形の位置関係にある4根管

⑥遠心頬側第2根管

⑦近心頬側と遠心頬側根が繋がった根管(根尖でMB2も合流)

⑧3根集まったケース

⑨5根管 

私の経験では神経管が1本~5本まで出現しました。

 

 

上の前歯など神経管の数が100%1本だと治療はラクなんですが、

第2大臼歯は、歯の神経管の形も人それぞれで、治療は困難を極めます。

 

 

だ・か・ら!

奥歯の根管治療は視野の拡大を行い1本ずつ丁寧に治療を行う必要があると思うのです!

 

 

 

とブログを書く前に、21日の顕微鏡講演のスライド仕上げなくては・・・( ーДー;)マヂで

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