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歯内療法日記: 2023年6月アーカイブ

抜髄は1回法で

最近、ちょくちょく根管治療中の患者さんが転院されてきます。

その中でチラホラおられるのが、根管治療を半年以上していて治らない・・・

 

むか~し、書いたブログですが、

難しい根管治療と転院の時期 - EE DENTAL_Blog

 

正直、私の経験で根管治療でそんなに長引くのは「非原性歯痛」で転院されてきて、

治療しても痛みが引かない場合のみ、その場合でも半年で治療を打ち切ります。(ペインクリニックで先に治療をしてもらい、その後通常の根管治療を続けます)

*この「非原性歯痛」も不適切な根管治療で歯科医師が作った医原性の病気なんですが・・・ 

「エンド専門医に治せない歯痛」 セミナー 【非歯原性歯痛】 - EE DENTAL_Blog

  

抜髄(神経の生きている歯の神経を取る)スタートで、治療後1週間経過しても痛みが続いている、腫れている場合は殆ど細菌感染をさせてしまった場合、すなわち痛みが長期化する可能性があります。

  

  

私の考え方は、神経治療はできるだけ1回で処置を行い開けた穴は接着性のある材料ですぐに塞ぐです。

仮蓋というのは接着性材料でない為、封鎖性が落ちます。

封鎖性が乏しければ、歯の中すなわち体の中に細菌が入りやすくなります。

  

元々、日本の根管治療費設定はちょっと意味不明な治療費の付け方で、この費用で問題ない歯を作るというのは個人的には難しいと思いますし、貼薬(薬の入れ替え)で治していくという術式も旧式(竹槍スタイル)過ぎて・・・

*多くの歯科医師を敵に回す書き方していますが、個人のブログなので。。。(笑) 

  

根管治療を例えれば、盲腸の手術と似たようなものです。

盲腸の手術であれば、炎症を起こした盲腸を切り取り、切開部を縫合してその日のうちに手術が終わります。手術部の痛みも数日で癒えてきます。

  

盲腸の手術を何回も何回も同じ場所を触りませんよね!? 

  

根管治療も体の外と中を触る処置なのですから、目的を達成したらすぐにでも外と中は塞ぐべきです。

特に口の中は体の中でも2番目に汚い場所(菌の多い場所)なのですから、細菌に対する配慮はより必要です。

    

  

私の経験上出した結論は、「抜髄は1回で治す!」

2023 EEdental ED.jpg

ただし、奥歯などは神経管が複数あるので1回で治療を行おうとすると2時間近くかかります。 

知り合いの上手な歯内療法専門医の先生にも「臼歯部の抜髄1回法を行う場合の予約時間は!?」と聞いたことがありますが、「2時間は時間貰うね!」と 

 

当然患者さんは長く使える歯(成功)を求められます。

ただ、1日20~30人の患者さんを診ないといけないシステムだと1人に2時間もかけていたら休みなく働いても次の日になってしまいます。

ですから、日本の根管治療は少しずつ少しずつ治療を繰り返すのですが・・・

  

これが失敗の原因(長く続く痛みの原因)だと私は考えます。

  

後は、穿通のやり方を知らない歯科医師が多い、(すみません、上から目線でm(_ _;)m)

「穿通」って根管治療の超・超基本なのですが大学でも一切教えてもらえません。

*野球で言えばボールの投げ方を教わるのと同じようなものです。  

 

穿通ですが、私のやり方で良ければ聞きに来てください(CM) 

2024年 超実習型エンドハンズオンセミナー 受講者募集のお知らせ - EE DENTAL_Blog

正しい穿通が出来ない ⇒ レッジを作る ⇒ 根管治療の難易度が上がる ⇒ 時間がかかる ⇒ 細菌感染が起こる ⇒ 痛みが続く です。 

 

個人的には、虫歯が大きく症状のない歯などは「断髄で良くない!?」と思っています。

わざわざ治療の難しい根尖で神経を切る意味は!?(?。?)  

 

昔のように、患者さんが「悪くなった歯なんて抜いて入れ歯でいいよ!」という時代なら保険治療で十分対応できたと思いますが、今の時代の「自分の歯は長く持たせたい」「一生自分の歯で食べたい」というニーズだと今の日本のシステムでは対応は難しいと個人的には思いますね。

(今時、日本の治療費で日本と同じ設備で歯科治療をしてくれる国ってないと思いますね)

 

こんなこと書いていますが、転院してくる患者さんには、「多くの問題は、今の保険治療では仕方がないこと」と説明しています。

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開業以来初ケース!?

患者さんは40代男性 2011年に来院された方

某歯科大学で顕微鏡で根管治療を受けるも違和感が取れず転院されてきた患者さん

結局、極細のMB2を治療すると違和感は取れました。

  

その後に治療をさせてもらった右下6

2023 EEdental SKa (1).jpg

今回は自分が治療させてもらったこの歯 

  

2023年1月 1か月半前に寝不足の際に3日間ほど歯が浮いた感じがした。

その後も1カ月違和感が続いている、頬を押したりすると違和感を感じる。

 

とのことでレントゲンを撮らせてもらいました。

2023 EEdental SKa (2).jpg

 すると、左下6近心根 側面に透過像が見られます。

 

以前のレントゲンと比べると、 

2023 EEdental SKa (3).jpg

今まであった歯槽固線も消失しており・・・

疑うのは歯が折れた、もしくは側枝からの感染

患者さんには、「外科的歯内療法」もしくは「ヘミセクション」mの治療を行う可能性があることを説明 

   

ただ、折れている時に出る、咬んだ時だけ痛いという症状は今の所ない。 

 

と言うことで少し待って待機診断を行うことにしました。

  

大きな違和感に変わったらすぐに連絡をもらう前提で4か月後にまた来てもらうことに

  

5か月後の来院時

開口一番「先生あれから調子いいんですよ!」

あの後から、歯茎のポケットに毛先を入れ込むように頑張って磨いていたら、違和感なども徐々に無くなりました。

とのこと、 

 

とりあえず、レントゲンを撮らせてもらうと

2023 EEdental SKa (4).jpg

明かに透過像が小さくなっている!

 

こういったケースは開業以来初ケースであり、何が原因で治ってきたのか!?

さっぱり分かりません。

歯茎を磨いて、収まったということは歯周病によるものが考えられますが、

歯周病でここまで深い場所の骨が無くなることはないので・・・

 

ん~、分からん!

 

とりあえず患者さんにはレントゲン上で良くなっている所見に変化しているので、

このまま頑張って歯磨きを継続してもらうことで、今回は治療なしで終了とさせて頂きました。

 

人の体ですから、何が起こっても不思議ではありませんが、こういうケースを見ると

次に同じ症状の患者さんが現れた場合、過去の経験として歯ブラシで改善がある可能もあることは説明できますね!   

 

歯科治療は奥がホント深いです。

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歯根が折れた歯の保存と骨の回復

患者さんは60代男性

以前から通院して頂いている患者さんで、

  

2020年に左下4の歯根破折を起こし来院

2023 EEdental HAS (1).jpg

歯根が折れて(ヒビが入って)時間が経っているようで歯茎の下の骨も大きく減っています。

赤い線のようにクレーター状に骨が大きく目減りしています

大臼歯がないことより「先生何とかならんの!?」と言われ、

何とか残す方向でトライしてみますか!?

   

ということで、折れた歯の破片を抜き昨日上げた動画のような治療を行いました。

 

フロアブルレジンを使い歯根のような筒状の隔壁を作り、その後ファイバーコア

 

 

術前 ⇒ 術後 レントゲン

2023 EEdental HAS (2).jpg

歯の保存を行い、仮歯まで入れさせてもらいました。

    

腫れたり痛んだりしたら連絡して下さい、何も症状なく生活出来ていたら半年後にレントゲン撮りに来てくださいね!と言って終了

 

仕事の忙しい方で、全く音沙汰なく・・・

(一度は電話連絡するのですが、あまり連絡を何度も入れるのも嫌がられるので1回しかしていません)

  

 

先日、休診日に医院でセミナースライドを作っていると、電話が鳴り

「あっ、先生!? 左下の白いキャップが割れた!」

『へ~、結構長く持ちましたね!』

「え!?」」

『Hさん、仮歯だからレントゲン撮りに来てよっていいましたよね(笑)』

「あっ、そうなんです!? じゃあ先生予約入れてよ!」

  

と言うことで来てもらいレントゲン撮ると

2023 EEdental HAS (3).jpg

お~、少し骨出来てきていますね!

患者さんが言うには「芋けんぴ食べていたら白いものが割れた」

芋けんぴ食べれるぐらい弱った歯を使えていたんだなと安心しました。

   

まだ歯の方は使えそうです。

 

で、被せ物どうします!?今回

私の考えはかぶせ物はまた仮歯みたいな弱い材料を入れた方がいいと思いますよ。

(今回患者さん、歯ぎしりが凄く強いので) 

  

結局、この歯に関しては咬む力をどうリリースするかで寿命が決まると思います。

今の状態は・弱った根っこ(基礎)・ファイバーコア(プラスチックの骨組み)・その上に作る被せ物の3ピース

ここに健康な歯でも弱った歯だろうが、同じ咬合力はかかります。 

  

力(咬合圧)が加わればこの3ピースで弱い部分に「歪」が起こる、で被せ物を強くすれば被せ物は安泰だが、根っこかファイバーコアが悲鳴をあげダメになることは容易に想像が付きます。

次に根っこ or ファイバーコアに問題が出たら・・・、その時は【抜歯】!

   

例えれば、『プレハブの基礎の上に名古屋城のような天守閣作りますか!?」と同じ

  

歯科医師的に言えば被せ物がダメになるのは避けたいが、患者さんの心情的には1日でも長く自分の歯を使いたいでしょ!?

ですから、上の被せ物が悲鳴を上げるのを織り込み済みでOKを出してくれるならまた仮歯を入れます。

ただ、割れる度に費用はもらいますけどね(笑)

 

と説明

 

患者さん 

「なるほどね、じゃあそれでお願い!」ということで今回も仮歯を入れる運びになりました。

  

  

前回の仮歯ちょうど3年持ちました。

  

EEデンタルのセラミック16万なので、仮歯であれば費用的には5回以上入れれる計算になります。

ただ、歯科医師的に言えば、1回で済むものが5回以上手間がかかるので、経営的にいえば1回でセラミックいれさせてもらった方が何倍も利益は大きいのですが、そこは信用商売、患者利益を第一に考えます。

    

弱った歯を残すのは、ある種の戦略なので教科書通りの治療が「吉」とはならないのは経験則からよく分かります(・⊆・)

歯を1本残すのでも歯科治療は難しいのですよ・・・

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被せ物の下の大きな虫歯 と歯の保存

患者さんは50代女性

被せ物の横に詰めてあったレジンが取れ、大きな穴が開いている。

痛みはないが、歯が折れてしまいそう。

 

とのこと

レントゲンを撮らせてもらうと

2023 EEdental AK (1).jpg 

被せ物の下、歯茎の中に大きな虫歯

神経を取っている為大きな虫歯でも痛みはありません。

 

患者さんには、教科書的には既に抜歯適応の状態

残そうとすれば、根管治療+矯正治療で引っ張り上げ、その後歯周外科(歯茎を切って骨を整える)が必要になる。

ただ、歯根が短い為そこまでやっても今度は歯が揺れてきてしまう恐れはある。

これらの治療も保険適応ではない為、治療費は40万ぐらいはしてくると思う。

そこまで出すならいっそインプラントの方が予知性は高い。

 

全く教科書的ではないが、自分の歯がこの状態であれば、

凄くマイナーな縁下カリエス(歯茎の下の虫歯)の治し方 - EE DENTAL_Blog

このような方法で残す治療をしますね。

歯茎の中にレジンは今の歯科界では嫌われますが、自分の臨床では全くトラブったことありません。

「歯肉弁根尖側移動術」をやらなくなって早10年 - EE DENTAL_Blog 

歯茎の中のレジンが問題を起こすのは、レジンに段差があるから汚れが引っ掛かる ⇒ プラークが長いこと付着 ⇒ 炎症で腫れる

という流れだと推測しています。 

 

一通り説明を行い、治療をすることに

2023 EEdental AK (2).jpg

虫歯を削って、フロアブルレジンで隔壁

幸い近心側に1壁だけ歯質が残ってくれており、このパターンはある程度強度が期待できる!

後、この治療は隔壁が肝というかここがいかに精度良く段差がないように出来るか!?が予後のポイント

 

歯内療法専門医とレジンを専門にしていて良かったと思う瞬間!

CR-ENDODONTISTですから(笑)

 

ただ、フロアブルを持って行く方法では側面がソフトクリーム状に僅かに凸凹が生まれます。 

この部分はプロフィンを使って整えて行きます。

 

その後、ラバーをして根管治療+ファイバーコア+仮歯

(*久しぶりにファイバーコア作りました)

2023 EEdental AK (3).jpg

綺麗に治療出来たと思います! 

 

今回のケースは仮歯のまま3カ月程度使ってもらい問題無ければ本歯に入れ替えて行きます。

出来れば10年ぐらいは使いたいですね(^。^)

顕微鏡が無かった時代なら残せない歯も拡大視野で治療することで保存できる歯というのは確実に増えていると思います!( ̄○ ̄)ノ

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