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歯内療法日記: 2015年10月アーカイブ

奥歯に多い歯の破折と診断の難しさ

根管治療をしているが違和感が絶えずあり、歯茎から膿も出るとのこと

 

レントゲン診査を行うと

2015EEdental H.jpg
根の先に透過像(骨の溶けた所)があります。

 

ただ・・・

根尖の骨の溶け方が歪・・・

 

 

患者さんには折れている可能性もあることを話し治療スタート

(折れていたら抜歯という前提で)

 

治療してみると

2015 EEdental H (9).jpg

頬側のクラックが歯の中の方まで入り込んでいました!!!!( ゚ ロ ゚ ノ)ノ

 

実際、表面に見えるクラックは多くの場合でエナメル質に限局するものが多く

中の方まで入っていたケースというのは初めてでした。

 

 

患者さんに事情を話し、

治療1回目で「膿」も「違和感」も止まったということで歯を保存する方向で治療を継続

 

 
術前 ⇒ 治療4ヶ月後

2015 EEdental H (4).jpg

根の先の骨もしっかり出来てきてくれています。

(この歯は被せずにレジンコア+レジンで治療 咬合だけ落としています)

 

 

さてさて、この歯いつまで問題なく使えるでしょうか?

それを知るのは神様だけですけど、出来る限りの治療はさせてもらいましたm(_ _;)m

 

 

ホント、破折、クラックの入った歯の診断と治療は難しい・・・  

 

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歯を抜く前に歯内療法専門医に相談するという選択肢

国内の根管治療は成功率が30~40%ぐらいという文献があります。

 

なぜこんなに成功率が低いのか!?

 

①治療のコンセプトが間違えているから

②保険の治療費が安すぎるために手間をかけれない

だと個人的には思っています(p・Д・;)

 

 

根管治療の予後は治療の最後に詰める

ガッタパチャーという薬が綺麗に詰めれれば結果は良い!

という考え方が日本では支配的で、薬を綺麗に詰める為のメソッドが色々試行錯誤されています。

 

 

しかし、

このガッタパチャーという薬実はただの『ピンク色のゴム』であって

成功を約束する因子ではないことは世界的な共通理解なのですが・・・

  
 

現在の考え方は

歯の中に細菌が入らないようなことを行い根管治療を行う!

(目には見えない細菌を相手にするので治療は非常に手間がかかる) 

 

そんな状況でも日本では、
毎日4万5000本の歯の神経の治療が行われています。

konkan.jpg

ただし、成功率は30~40%。。。(゚Д ゚ ;) 

 

 

歯を長持ちさせたいという方にお知らせ

1、神経を取らずに済むようにC2の時点できちんとした治療を受けること

 (拡大鏡、顕微鏡、虫歯の検知液はマストアイテム)

2、悪くなってしまった歯の神経治療に固執しない

 治療後に大きな症状(ズキズキ痛む・温かいモノで痛む)が出た際には速やかに抜髄する

3、根管治療は1回目が歯の寿命を決めるポイント!

 (抜髄時にキチンと細菌が入らないような治療をしてもらいましょう)

 

 

その他、

専門医の行う根管治療でも成功率は100%ではないので

再治療が可能な配慮は必要だと個人的には思っています。 

  

 

先日来院された患者さん

大学病院でCTを撮って、上顎洞に膿が貯まっていると指摘される

鼻の調子も良くない

歯科医院に 行っても、早目に抜いて「インプラント」か「入れ歯」

1年前に再治療したが良くならない・・・

 

 

術前のレントゲン

2015 EEdental Ha (2).jpg

極太の金属の芯が・・・

しかも周りには虫歯が残っている。。。( ノω < )

 

 

患者さんもまだ若かったので、一度再々治療を行うことに

2015 EEdental Ha (1).jpg

治療回数5回 (2本)

色々問題だらけでしたが、一応仮歯まで入れることはできました。

  

今後3ヶ月後、半年後とレントゲンを撮って経過を見て行きます。

 

治ってくれると信じて!( ・∀・)ノ

 

 

個人的には歯周病などで揺れている歯でなければ、

抜く前に一度『歯内療法専門医』に相談するのがいいと思います。

 

 

自分の歯とインプラントでは全く違いますからね( ^ 3^)ノ

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