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医療被曝大国!?

患者さんの中には何件か歯科医院に行ってから数件目にEEデンタルへ受診されることもあります。

  

その際たまに言われるのが、かかった歯科医院毎にCBCTを撮っており「これ以上の被爆が怖い」

という意見、年に1~2回は言われます。

*CBCT:歯科用CT 機種や撮影モードにもよりますが、小さなレントゲンに比べ10倍以上の被爆があります。

   

個人的には、「何で最初からCBCT撮る必要あるの!?」、「デンタル(小さなレントゲン)で自分で処置できる歯なのか判断しないのか!?」と思います。 

 

例えば、小さなレントゲンを撮り診断に困る場合(痛みや膿の原因歯が分からない)や、原因歯を見つける為にCBCTはありだと思います。

ただ原因歯が分かっているような場合に最初からCBCTって必要!?と思います。

 

こういうとCBCT肯定派の先生には、根管の数の把握、根管形態の把握、根尖病変の位置の確認  

など術前時に把握しておく為とか色々言われますが。

逆に聞きたいのは「CBCT撮れば成功率がどの程度上がるのか!?」 

  

私がCBCTを例えるのは、「宝の地図」と同じです。

宝の地図があっても、まず地図が読めないといけません。

またその地図を見て宝の場所までの移動手段はどうするのか!?(5000m級の山の上、1000m以上の深海)、移動後の発掘する器材などはどうするのか!?発掘の仕方はどうするのがいいのか!? 

(どうでもいいですが、最近テレビで徳川埋蔵金言わなくなりましたね(笑)) 

     

ノーリスクで得られる情報であればいいのですがレントゲンはそうではありません、もれなく被爆します。

これも保険治療の弊害というか、保険治療であればCBCTを撮ればお金になります。

抗生剤の投与もしかりで出せばお金になります。

すると、思考を停止し撮れるケースのCBCTは撮る、保険制度的に適応症でさえあれば抗生剤は出す。

 

まぁ、ぶっちゃけCBCTの設備投資に700万以上使っていますから、ボタン押すだけの簡単な検査であればバンバンCBCT撮る先生がいても不思議ではありません。  

*日本のCBCTの普及率は世界一ですが、ここまで各歯科医院で持つ必要あるのか!? 普及が多い=被爆する機会が多い とも言えます。

    

話を診断に戻して、  

 

昔ある先生に

A先生は、口の中の痛みを取る為に必要な検査を8個して全ての検査結果が出た後にを検査結果をテーブルに広げ、考え慎重に診断を下しました。

B先生は患者さんの既往歴を聞き、必要な検査を判断し3つの検査後、更に追加でもう1つの検査を行い診断を下しました。 

どちらが優秀な先生なのか!?と言われました。 

  

これって、医療では良くあることで検査を沢山すればするほど先生の診断に対する安心感は増え、売り上げも上がりますので病院的には雇うのであればA先生が良い訳です。

  

ただ、その質問をしてきた先生には「B先生のタイプになるように」指導を受けました。

8個の検査のうち要らない検査もある訳です。

今はその話を聞いておいて良かったなと思います。

  

  

今回の患者さん 40代女性 

10件ぐらい歯科医院を受診し、CBCTを何度も撮っているので被爆が怖いとのこと。

  

とりあえず小さなレントゲンを角度を変え2枚撮り判断(昔ながらの診断法)

2023 EEdental OOK (1).jpg

右下7の近心寄りに縦長の透過像があります。  

またこの歯は樋状根が疑われ、太いメタルポストが入っています。

  

右下の痛みはこの歯が最も怪しいと言うのが読み取れます。

    

たぶん多くの先生はメタルポストが大きくて治療が出来ないと判断されたのでしょうが、

ただ、メタルポストが大きいぐらいはCBCTを撮らなくても分かりますし被爆量の小さいレントゲンですぐに分かります、一体CBCTで何が見たいのか凄い疑問!? 

  

CBCTがEEデンタルに無かった時代のブログですが、 メタルコア(金属の土台) - EE DENTAL_Blog 

CBCTとメタルコア除去は全く関係ありません、大きな土台の除去はただただ歯科医師の技術・熟練度だけです。  

  

患者さんには「難しそうだけど治療は出来ますよ」と説明し治療をさせてもらいました。

 

1回目に人工物を全て外し、徹底的に歯の中を綺麗にする。

 

治療2回目には症状も落ち着いていたので根管充填+レジンコア 

2023 EEdental OOK (2).jpg

治療回数2回 根管充填にはMTAを使用しました。

  

クリアランスの問題から仮歯は入れずにレジンコアで経過を見てもらいました。

遠方の患者さんだったので、このまま半年経過をみてもらい、その間腫れたら連絡をもらうことにしました。 

 

半年後のレントゲン

2023 EEdental OOK (3).jpg

根尖病変っぽい所見は無くなってきているように見えます。

また前まであった違和感、歯の浮いた感じは一切無くなった。とのこと

  

これであれば抜かずに済みそうですね!(ノ^▽^)ノ

 

 

他の先生の批判をする気はないのですが、根管治療はまずは小さなレントゲンで診断をし

小さなレントゲンでは読み取れない部分をCBCTで補足すべきだと思いますね。(儲からないけど。。。)

   

ほんと、これだけCBCTが普及すると医療被曝って日本はかなり多いだろうなと推測します(; ̄д ̄)

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