難しそうな根管治療
- 2023年7月22日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
一度悪い所を調べて治療したいとのことで全顎検査をさせて頂くと、
フルジルコニアクラウンが入っている、右下6に根尖病変が見られました。
レントゲン
遠心根は一般的な透過像ですが、近心根は右下5との間に広がるようなレントゲン所見・・・
患者さんには近心根の影の形があまり見たことない所見であり、通法の根管治療で治らなければ
外科的歯内療法の必要がある。
右下7・8と傾いて生えており、右下6が抜歯になると咬むのがかなり不自由になる可能性があるので
一度残す方向で治療してみてはどうか!?と説明
患者さんの了承を頂き、
1回目の治療で人工物を全て除去し根管内を徹底的に掃除(洗浄)
術中のレントゲンを撮ると、近心根側面に外部吸収様の所見にも思える所見があります。
治療2回目
前回の治療後「多少の違和感が出たが痛み止めを使うほどではなく、今は治まっている」
もう一度近心のイスムス部を徹底的に清掃し根管充填+土台+仮歯まで
*根管充填はガッタパーチャー使用
遠心根はやはりもう1本神経管が出てきました。
(左側の根の白い線がよく見ると2本になっているの分かりますかね!?)
顕微鏡との出会い 奥歯の神経は基本4本 - EE DENTAL_Blog
そこから仮歯で様子をみてもらい、5か月後仮歯が割れてしまったとのことで来院
その際にレントゲンを撮らせてもらいました。
レントゲン(術後5カ月)
透過像は分かりにくくなってきており、骨もできつつあります。
この状態であれば、もうしばらく経過をみていけば大丈夫と判断。
*外科処置はしなくて済みそうです。
ふと、気が付くと
今年前半あまり、いや、殆ど外科的歯内療法やっていないな!と
基本的に私のスタイルは根尖病変は外科ではなく、通法の歯内療法でまず治す!
というスタイルなので、多くの歯のファーストチョイスはクラウンを外し根管治療を行います。
それで治れば外科的歯内療法はしなくて済むので、私はその方がいいと思っています。
「外科的歯内療法が少ない=歯内療法で多くの歯が残っている」
と言えるので個人的には喜ばしいことだと思います。
自分が患者でもなるべくなら外科は避けたいなと思いますので、今後も歯内療法の質にこだわって行きたいと思います( ・ω・)ノ
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