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クラウンを変えてから調子が悪い
- 2023年7月14日 09:04
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
奥から2本目の歯が硬いものを咬んでから激痛になった。
今は痛みも引いており、かかりつけの先生には「痛みが引いたから問題ない」と言われた。
この歯は2ヵ月前に銀歯から白い歯に変えたのだが、咬み合わせが悪く何度か調整をした。
前の銀歯の時は問題なく咬めていたのに・・・
レントゲンを撮らせてもらうと
左奥2本に根尖病変が確認できます。
患者さんには痛みの原因はクラウンではなく、根の先の炎症であること
白い歯に変えてたまたま痛みが出てしまったのではないか!?と説明
ただ、先生のおっしゃられた「痛みが引いたから問題ない」はちょっと・・・
また疲れたり、ストレス溜まったりして体の抵抗力が下がるとまた症状が出る可能性がたかいことを説明
先日もありましたが、患者さんの素朴な疑問で
「なぜ根の先まで治療していないのか!?」と言われますが、
根の治療ってかなり難しい治療なんです。
上のレントゲンでも、過去の先生がかなり頑張って治療した痕は見られます。
歯科医師って、手先が器用だから歯科医師になった訳ではなく他の学部と同様に
偏差値的に歯学部に入れたから歯科医師になった先生が殆どです。(私も、偏差値的にギリ私学に入ったくちですが・・・)
ですから、どこの先生にかかっても根管治療の精度が良いなんてことは残念ながらありません。
まずは第2大臼歯の根管治療(2回法)
口蓋根はかなり削られていたのでMTAを使用
近心頬側根はオリジナルの根管を探し発達したフィンがあったのでその部分を超音波で切削
その後第1大臼歯も根管治療(2回法)
白い被せを入れた際のセメントが歯茎の中から結構でてきました。
この歯も口蓋根、近心頬側根が大きく削られていたのでMTAを使用
治療後3か月ぐらいまで、咬むと多少ズキズキする感じがあると言われていました。
この時点では弱い痛みであれば様子をみてとお話しました。
術後10ヵ月、
患者さんは「歯茎の縁が食べた時に痛い感じ、普通にしている時は痛くはないが、触ったり当たったりすると多少の痛みはまだ感じる」 とのこと
レントゲン的には感染は治まり骨が出来ているように見えます。
患者さんには、前ほど痛みが出ていないし本歯入れて様子をみましょうと説明を行い、
患者さんと話し合ってゴールドクラウンを作ることに
*患者さんは審美性より長持ち優先を選ばれたのでゴールドクラウンにしました。
術後1年、根尖病変は綺麗に治ってくれています。
前ほど患者さんも痛みは訴えられなくなっているのと、ここまで骨が出来てくれれば弱い違和感は徐々に消えていくだろうと推測
根管治療は歯科治療の中でも難しい治療です。
ただ、その治療の成否で歯が残る、失う決まってきますのでなるべく歯を残したい方は根管治療が得意な先生に診てもらった方がいいですよ!
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