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歯内療法日記: 2018年3月アーカイブ

下顎第2大臼歯の「樋状根」

根管治療の中でも一番トラブル多く、保存が難しい上・下第2大臼歯

特に裸眼だとこの奥歯は見えない為に手探りの勘頼りの治療になってしまいます。

(顕微鏡があっても全て見えている訳ではないですが、顕微鏡が「ない」より「ある」方がいいとは思います) 
  

また、教科書的な位置から神経管が出てくる割合は7割程度(私見)で

3割ぐらいはかなりイレギラーな神経管の形をしています。

  

上顎第2大臼歯の神経は本当に色々なタイプがあります。

7.jpg

過去に治療した歯の神経は1本~5本と色々出てきます。 

  

また、下の歯で有名なのは「樋状根」という歯になり、

日本人の女性に多くみられ20~30%が樋状根だそうです。 

 

それ故に奥歯の感染した歯を残すのは難しい治療になります。

 

 

患者さんは30代男性「悪い所は治したい」とのこと

2018 EEdental KK (0).jpg

緑の○:虫歯 赤○:根尖病変

 

まず口腔外科で邪魔な親知らずを抜いてもらい

根管治療スタート 

2018 EEdental KK (2).jpg

樋状根という複雑な神経管の形状で

前回のゴムを除去出来たと思ったのですが・・・

 

1回目の治療後のレントゲンではまだ白い線(ゴム)が見られます(-ω-;)

 

これはCBCTを撮って、戦略を立て直さねば! 

2018 EEdental KK (3).jpg

3Dである程度把握できるので診断には有効なツールです。

 

何とか、除去でき根管充填 

2018 EEdental KK (4).jpg

 

根管治療から半年

2018 EEdental KK (8).jpg

根の先も正常所見に近づいたので

 

ゴールドクラウンの製作

2018 EEdental KK (5).jpg

  

術前⇒術後 の口腔内

2018 EEdental KK (7).jpg

左下5:レジン充填(C色)

左下6:レジンアンレー(A色)

左下7:歯内療法+コア+ゴールドクラウン

 

綺麗に治療を行うことが出来ました! 

2018 EEdental KK (6).jpg 

樋状根は難しいですが、自分の中でだいたい攻め方が決まりつつあります(・∀・)v

でも、奥歯の根管治療はホント難しい・・・

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Cr-endodontist(クレドドンティスト)ならではの1回法による根管治療

2007年のEEデンタル開業当時

日本には根管治療を専門とする先生は5~6名ぐらいで

しかも大きな都市にいるという非常に専門医の少ない時代でした。

  

私もこの1人になろうと豊橋で開業してみたものの

流石に田舎で自費専門の歯内療法専門医は成立せず、

「これは、食えない・・・」となり

 

虫歯治療、特にレジンにも力を入れた次第であります(・∀・)ゞ

 

 

私のレジンの恩師 高橋先生にレジン症例など見てもらい懇親会の席で

「レジンとエンドの2つの専門になるならCr-endodontistだね」

と命名してもらい早10年

  

今思えばこの2つの専門を組み合わせたことにより

【独自色】を出せるようになってきたなと思います(  ̄0 ̄)ノ

  

 

上の歯の根管治療を2カ月やっているが治らないという患者さん

2回目の治療予定だった前日に

「急に左下の歯に激痛が出て痛すぎる!」

とのことで、急遽治療内容を変更して

 

レントゲン

2018 EEdental BA (1).jpg

神経にまで達する大きな虫歯・・・

 

ちょうど治療時間を1時間45分頂いていたので、

神経の処置を行い、そのままレジン充填で治療を1回で終わらせました。

2018 EEdental BA (3).jpg

レジンコア+レジン充填後

2018 EEdental BA (2).jpg

レジン充填

  

本来、歯内療法専門医とは本来歯内療法だけを専門に行います。

*ただ、アメリカなどの専門医はインプラントまでやっちゃっていますが・・・

 

 

歯内療法専門医は分業制であり、根管治療後被せ物担当の他の先生が引き続き治療を行います。

多くの場合被せ物を前提で治療をしますので健康な歯が半分以上残っていても

最後は「ドバッ」と削って被せで咬み合わせの復活を行います。

   

現状自費の根管治療を受けた患者さんの多くは、

できるだけ自分の健康な歯を残したいとの希望が多い気がします。

  

2つの専門を持つことでそういった患者さんにもマッチング出来ているかなと思います。

 

以前、あったのは他の歯内療法専門医で抜髄+レジンコアまで行い

レジンで治して欲しいと来院された方がおられましたが、

 

これは無理なんですね・・・

 

最終的にレジンで治す前提で根管治療を行うのか、

最終的に被せ物で治す前提で根管治療を行うのかによって

同じ根管治療でも削り方が大きく異なります。 

 

患者さんには「ここからレジンは無理です」と返事をしました。 

  

歯内療法専門医で治療を受けられるのであれば、

その後咬めるようにするにはどの方法を選択するのかにもより歯科医院選びは代わってきます。 

 

と言っても、「Cr-endodontist」は造語でこんなカテゴリーありませんので

根管治療後にレジンで修復してくれる先生を見つけるのは難しいかもしれません。。。(>。<)

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歯の神経を殺すペリオドンの誤った使い方。。。 根管治療

日本に住んでいると、

医療は世界でも比較的新しいのものが受けられている

と多くの方が思われていると思います。

    

ただ、歯科医療においては、どうも雲行きが怪しく。。。

 

私の専門の「根管治療」

これはかなり日本オリジナルな方法が根強く

世界的な根管治療とズレている部分も多々あります。

   

世界の根管治療費でも群を抜いて安い日本では、

ガラパゴス化された基準での治療となってきております。

  

客観的に言ってもこの保険治療費では、まともな治療が難しい所まできていると思います。

  

日本では3000円程度の負担で済む根管治療がフィリピンの専門医7万円

ベトナムでも一般歯科で2万円以上するそうです。

 

http://eedental.jp/ee_diary/2016/03/post-1352.html

 

 

私が思うに日本の根管治療は問題・トラブルを「薬」(貼薬)で何としよう。

とか、

最終的に入れるガッタパチャーが先端まで入っていればOK

とかなり世界基準とは異なった物差しでの治療となっています。

 

ですので、

成功率は40~50%程度と神経を取った半数以上で問題が起こってしまっている現実があります。。。( ̄ロ ̄lll) 

 

それでも日本人は医療に関しては非常に恵まれていると思いますよ。

 

  

さて、話を戻すと、

日本では1人に1時間とかの治療時間の確保が行われていない為、

根管治療では歯の中に薬を入れ仮の蓋をしてしばらく後に薬の交換 

の繰り返しというガラパゴスな治療が行われています。

 

貼薬剤には色々な種類が存在しますが、共通して言えるのは「臭い」です。

    

貼薬剤は菌を殺す作用を期待して、入れる薬ですが人にも害が出てしまいます

菌だけ殺し人には無害という「選択毒性」は今の所ありません。

 

  

日本ではまだまだ現役のホルマリンクレゾール(FC)

このホルマリンクレゾール【シックハウス症候群】の原因である

ホルムアルデヒドを希釈したものがホルマリン溶剤であり

この劇薬を歯の中にいれ菌を退治する治療が行われています。

  

家には使わないのに、

希釈したホルマリンクレゾール(FC)を歯に入れるのはOK!

  

歯に入れたホルマリンは、24時間で

血液、リンパ節、副腎、腎臓、脾臓、 肝臓、脳に移行しているとの報告もあります

また、根尖から出たホルマリン化学的障害で痛みが長期化することもあります

 

こんな怖い薬を歯の中に入れないと治らないのか!?

 

そんなことはありません、

私は「貼薬」に全く重きを置いていないですが、治るものは治ります。

*貼薬とは根管治療後次の治療まで歯の中に入れる薬のことです。

 

じゃあ、私は歯の中に何をいれるのか!?

 

⇒「何も入れませんという無貼薬派」

(しいて言えば次亜塩素酸Naが根管壁に付いているぐらい)

 

無貼薬と聞くと大丈夫か!?と多くの先生が思われますが、

2018 PERIODON2.jpg

私はデメリットの方が気になるので、貼薬剤はほぼ使用していません。

 

貼薬剤入れなくて本当に大丈夫!?

成功率が落ちるんじゃない!?

 

これが、大丈夫なんですねぇ~!

システマチックレビュー(科学的根拠の強い論文)でも

貼薬しても・しなくても成功率に差は出なかったと結論が出ています。 

 

 

 

さて、この貼薬剤の中でも特に厄介なのがFCより害の大きい「ペリオドン」☠

これが歯の外に漏れ出すと大きな問題になります。

  

日本ではまだまだ現役の薬なのですが、

AAE(アメリカ歯内療法学会)では

「意味のない薬使うな!」というスタンス

2018 PERIODON.jpg

怖いことを話すと、

このペリオドン仮蓋があまく漏れ出すと歯肉が腐るように溶けてしまいます。

歯の中に入れたペリオドンが浸透し過ぎてしまうと骨が吸収してしまい、

同時に化学的な作用によるダメージで長期間の痛みが出ることがあります。

 

 

今回のケースは、 

A歯科で歯髄保存療法を行う

⇒痛みが出た為転院

B歯科医院で抜髄(神経の治療)

治療3か月経過しても痛み・違和感が取れない為 EEデンタルへ

 

レントゲンを撮ってみると

2018 EEdental SA (3).jpg

何か違和感のある所見

折れているようにも見えるのですが・・・ 

 

とりあえず残す方向で治療をスタートすると!

「ハイ!出ましたペリオドン貼薬」

歯の中から立ち込める独特の匂い

 

何で3か月も治療して今更ペリオドン!?

と専門でしている私は思ってしまいます。。。

  

患者さんに話をして、

ペリオドンが漏れ出してホルマリン化学的障害になっている恐れが強いことを話し

解決策はよく洗って待つしかない。

待っても痛みが無くならなければ「ペインクリニック」で治療を受ける必要がある

と説明 

 

治療2回目徹底的に次亜塩素酸Naで洗い根充

すると・・・

2018 EEdental SA (2).jpg

わずか2カ月で骨は回復してきてくれています。

 

ただ、痛みは3か月経過した現在も残っており

硬いものは咬めない、ジィ~ンと鈍い弱い痛みがある、歯ブラシで響く感じ、

 

救いとしては、前より悪くなっている感じはなく多少マシであるとおっしゃられているのでもう少し経過をみて行く必要がありそうです。

 

体は損傷した部位(骨)を治そうと頑張ってくれています、

ただ神経毒による痛み・違和感は治るのに時間を要します。

 

ホント歯の保存の為に使う薬で健康被害になっていては・・・

と思います。

 

【激安の保険治療費】 

お財布には優しいかもしれませんが、その代償は大きいこともあります。

 

正しい医療を行うにはそれなりの費用はどうしても必要になります。

【崩壊している日本の歯科保険治療】立て直す為にはまず適正価格にならないと・・・

 

こんな末端兵士が何言っても無駄ですが、このような怖いケースもあることは知っておかれてください。

 

因みに私も勤務医時代

残髄していたのでファイルに付けた極小量のペリオドンを歯の外に出してしまい、

患者さんに2カ月咬めない経験をさせてしまったので人のことは言えないんですけどね。。。(★。★;)

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EENO フラット使用 【親知らずによる第2大臼歯の大きな虫歯】

動画編集1つ終了

4月発売の錦部製作所の「EENO フラット」を用いたカリエス除去

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ドクッスベストで治療したが。。。 根管治療+レジン充填

他の問題で歯科を受診した所、虫歯と言われ

ドクッスベストで治療を行ったが、その後違和感が出て

冷たいものがしみる、舌で触るとシクシクする、温かい食べ物が多少気になる

日によって症状が異なる。

 

という患者さん、

レントゲンで見てみると

2018 EEdental SY (0).jpg

神経付近まで削った形跡と虫歯の残存

*ドクッスベストは多少の虫歯を残存させ、金属イオンで菌を抑えつける治療法です。 

 

顕微鏡で歯を見てみると

2018 EEdental SY (0).jpg

画像が見にくくてすみません^^;

 

この部分から沁みているのかもしれませんが・・・

とりあえず症状が大きくなったらまた来てください

で、経過観察

  

私見ですが、直接覆髄法の成功は

1、神経が健康な状態生きている歯 (←今の所正確に診断できるツールはない)

2、神経付近の歯の削り方(菌を入れないように)(←菌が入った入っていない分かる診断ツールはない)

3、削った部分を綺麗・緊密に詰めれているか(死腔や隙間がない)

  

次点、

第2第3象牙質(歯の中の保護層)に気を使えば、薬剤はMTA系

*菌がいなければ、薬剤なしでも歯の保存は可能です。

2018 gaisyou.jpg

↑露髄面には直接レジンを充填 

 

治療写真を動画から切り取り

2018 EEdental SY  (1).jpg

私が虫歯を染出し液で染めながら削ると

2018 EEdental SY  (2).jpg

神経が露出 この状態であれば私は神経の治療を行うと話し

健康な歯がまだまだ多いことより被せず根管治療後にレジンで治療することに

 

2018 EEdental SY  (3).jpg

隔壁をかねた隣接面の隔壁

 

2018 EEdental SY  (4).jpg 

ラバーダムをして根管治療スタート

 

2018 EEdental SY  (5).jpg

因みにこのピンク色のが神経

 

2018 EEdental SY  (6).jpg

MB2も出てきました。

 

根管充填を行い  

2018 EEdental SY  (7).jpg 

レジン充填

 

2018 EEdental SY (8).jpg 

レントゲン

2018 EEdental SY (3).jpg

 

治療回数2回

根管治療+土台+レジン充填

  

歯内療法専門医とレジン専門医の合わせ技!!

 

神経は取る処置となってしまいましたが、歯は多く残せました(・∀・)v 

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ビッグパーフォレーションリペアから1年 ⇒セラミッククラウン

大きな穴が開いてしまい、抜歯する他ないと言われた患者さん

根管治療から1年が経過しその間腫れ・痛みも無い為補綴を行いました。

2018 EEdental HA.jpg

セラミッククラウンSet

 2018 EEdental HA(0).jpg

*今年から審美的なセラミックの治療依頼は断ることにしました。

(根管治療後の被せ物の依頼は難しく無ければ引きうけています)

  

レントゲンをよく見ると、

根分岐部の部分から長期間排膿があり、その部分の骨の回復はしていません。。。

 

ただ生活に支障なく病的な所見も無い為、これでフィニッシュとなりました!

「成功率」と「生存率」の違い⇒ http://eedental.jp/ee_diary/2017/07/post-1623.html 

 

引っ越し頑張ってくださいね!(  ̄▽ ̄)ノ

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