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根管治療のクライテリア 『成功率』と【生存率】

根管治療後、どれだけ歯が残っているかを示す基準は2つあり、

この2つの基準は『成功率』と【生存率】と分けれます。

 

基準の違いは!?

  

簡単に言えば、

『成功率』とは厳しい基準で、レントゲン、患者さんが生活に支障なく全てがクリアーな状態になること

【生存率】とは、ちょっと問題があっても口の中にあれば「OK」とカウントされます。

  

つまり『成功率』と【生存率】を比べると必然的に【生存率】の方が高い数字になります。

*基準がユルイから

  

 

また、成功率は色々なデーターがありますが、

・再根管治療の成功率は約80%(専門医が治療した場合)

 

一方、【生存率】は

・根管治療を行った歯の8年経過後の生存率:97% (n=1,462,936)

 salehrabi&Rotstein J Endod 2004

  

『成功率』と【生存率】には20%ぐらい差が出てきます。

 

 

因みにインプラントの成功率は98%などと言われますが、これは【生存率】です。

『成功率』で見ると73.5% という数字もあるそうです。

  

悪くなっても天然の歯が残っていれば最後のチャンスで再び使えるかもしれません。

 

 

個人的には、抜く前・インプラント前に天然の歯の治療を行った方が・・・

 

後、

「インプラントにすると周りの天然歯が守れる」と歯科医師の売り込みなんですが・・・

 

先週の歯内療法学会で韓国の先生の発表にもあったように、

インプラントの隣の歯が抜歯に至るという報告もチラホラあります。

  

  

さて、今回の患者さんは

歯ぐきのキワから膿が膿が出て他院で治療をしたが治らず、膿が出る度に切開をしているという患者さん

レントゲンを見ると

2017 EEdental MU (1).jpg

大きな影が2つあり根分岐部から排膿している状況

 

またこのレントゲン所見は歯が折れている時にも出る所見であり、

患者さんには折れているかしれないことを説明して、

患者さんは最後に残す治療をしてみたいということで治療スタート!

 

治療1回目:根分岐部にパーフォレーションがないことを確認

     遠心根から見たことのない黒い物体が出てくる

治療2回目:遠心根2根を拡大、洗浄

治療3回目:膿が出なくなっている。

     近心根の治療を試みるも穿通せず

治療4回目:膿もないことより根管充填

2017 EEdental MU (2).jpg

 

その後定期的にレントゲン診察を行い 治療2年後

2017 EEdental MU (3).jpg

病変は大分小さくなっています。

また日常生活も全く問題なくよく咬めるそう

 

ただし、この2年後のレントゲンだけ見た他の先生は病変は治っていないと判断するでしょう。

 

つまり

『成功』か? ⇒×

【生存】は? ⇒○

となる訳です。

 

我々歯科医師は成功というものを目指しますが、患者さんにとってはどれだけ残せているか?の【生存率】の方が気になるかと思います。 

 

2017 EEdental MU (4).jpg

病変は大分小さくなっているんですけどね。。。 (ノ-∀-;)

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