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日本の歯科医療は生産性が低い

毎回興味深い話をしてくれる、寺内先生の講演を聞いてきました。

 

毎回寺内先生は世界と日本の歯科医療の格差を例に取ってお話してくれます。

 

「お金にまつわる歯科医療」

  

  

日本にいると意外に思えてしまうのですが、

国によっては医科より歯科の方が人気があり

医者より歯科医師になるのが難しい国も多々あります。

 

それは何故か?ヽ(  ̄▽ ̄)ノ

 

歯科が儲かるから!

アメリカでは内科医の先生の数倍が歯科医師の収入) 

   

何と!

アメリカの歯内療法専門医の年収「1億~3億円」もいるそうです!!(◎ー◎;)ビックリ

  

日本では 年収300万の歯科医師もいるのに・・・

(私も勤務医時代ボーナスなしの年収240万でした^^;)

  

 

因みに、お隣韓国の歯科治療費は日本の3.5倍だそうです。 

先進国の中では治療費もダントツに安い治療費で日本人は治療を受けられいます(・ω・)ノ

   

 

年収というのは入ってくるお金だけで決まるものではありません。

出て行くお金も日本の場合大きく、

海外の約3倍のコストで器具・器材を購入し治療しています。

 

つまり、

世界一安い治療費の国が世界一高い材料を購入しやっている訳です。

 

個人的な経験でも、

「海外で30ドルで買える材料なんで日本で1万円するの?」 

などよく経験します。

 

ただ、この辺りは材料を売る方も企業なので利益を出さないといけないので

海外で売れている商品を購入し日本で使えるように何千万もかけ薬事を通し売っているので仕方がない面もあります。 

 

ある材料屋さんと話していたら

「日本の場合、良い材料でも高いと売れない、むしろ安いことが重視される」

と話されていましたが、保険治療費が安過ぎるので高い材料は使えません。

 

*昔は道具といえば「ドイツ」という時代でしたが、今や中国製・韓国製の商品が席巻しています。

 

 

基本的に日本の歯科マーケットは規模が非常に小さく(3兆円産業)大企業が参入してこない状況です。

ペット産業が5兆円ですから、ペットの方が投資に対してのリターンが得られやすい状況ですし

訴訟問題の面からも企業のリスクは少なくて負担はすみます。

(人間の訴訟では億単位になることもありますが、動物では1千万越えることはまずありません)

   

 

その他、歯科関係者の収入をみてみてもうらやましい限り、

     

海外のように歯科医院の収入が多いと働くスタッフの給与もいいようで、

歯科助手の年収が800万を超える方もいるようです。

日本では歯科助手の給与は200~250万ぐらいですから、相当いいと思いますヽ(゚∀゚ )ノ

 

日本で歯科医師するよりアメリカで歯科助手した方がいいかも?  

 

 

日本は長い間のデフレで多くの職業が生産性の低いものになっているそうです。

  

今や歯科はタクシーより生産性が低い部分があり

その代表格が「歯内療法(根管治療)」

 

EEデンタルのある豊橋の【タクシー】初乗り600円(1200m) 

以後255mごとに90円・1分35秒90円の加算になります。
 

お買いもの程度で「2Km」乗ったとすると:880円

 

一方歯科

奥歯の根管治療2回目以降 

再診料430円+400円(どれだけ時間がかかっても費用は据え置き)

830円になります。

 

人の体よりタクシー2Kmの方がもらえる金額は大きいです。

 

 

では、「乗り物」を比べてみましょう。

タクシーの車両代、コンフォート1台170~224万

治療する椅子300~500万(高いものは1000万)

*EEデンタルの椅子は450万ぐらい

  

歯科医院の椅子はざっくりコンフォート(車)2台に匹敵(´Д`;)

  

また歯科治療は患者さん間の感染を防ぐ消毒・滅菌対策が必要で、

患者さんを乗せた後には毎回綺麗にした後乗車してもらう必要があります。

*このコストは安く見積もっても1回800円程度かかるそうです。

 

 

歯科治療をタクシー換算すれば椅子に座った時点で既に初乗り料金以上の費用を頂かねばなりません。

(利益なしでの消毒対策費800円ですからね)

 

その他、

タクシーはLPガス(2Kmなら数十円)が諸経費としてかかりますが、

根管治療の場合、ラバーダム(100円)、ファイル100円×6~10本ぐらい

Ni-Tiファイルになると1本1300円×複数本 

その他、薬剤費や電気代、歯科医師以外の人件費がかかってきます。 

   

 

つまり、歯科治療をタクシーに例えれば

ベンツ、ジュリエッタに乗った瞬間に1杯800円のシャンパンサービス、

スタッフ一人(歯科助手)付きでその人が観光案内をしてくれて

車内での飲食(薬剤・材料)は全て込み込みでどこまで乗っても料金は830円!( ̄ω ̄A)

    

乗る車を選べば、超高級マッサージチェア(マイクロスコープ:200万~1000万)も使える。

   

 

消費者としては安いにこしたことはなでしょうが・・・ 

 

 

こんな商売がまともに成り立つものでしょうか? (・ω・;)

 

*なので必要のない歯石取りなどとセットメニューにしたりすることで歯科医院は売り上げを上げることをします。

  

 

国民に歯科治療がいかにコストのかかるものなのか知って頂く必要があると思います。

海外では根管治療はざっくり10~20万近くします。 

  

 

国としては、歯が無くなってから行う

「インプラント(1本40万)で利益が出ているからいいでしょ?」

的なスタンスだそうです。

国はあなたの歯のことなど考えていません(((゙◇゙;)))

 

 

安過ぎる治療の結果、歯が無くなって体にインプラント(ネジ)を入れるより、

自分の歯をきちんと丁寧に治療・メンテナンスした方がいいのは言うまでもありません。

 

ただし、悲しいかな歯科医院も零細企業なので儲かる分野に力をいれざるを得ない現実が・・・
 

歯の保存を行う【歯内療法学会】    : 2000人
歯を抜いた後に行う【インプラント学会】:13000人

 

多くの歯科医師は歯を抜いてからのことを熱心に勉強しているのを表しています。

  

つまり今の日本の医療システムは歯が無くなった後に保険治療の赤字費用分を回収するシステムなのです。

歯科医師が悪いのではなく、国が黙認している経済システムなのです。

 

 

60年以上前に作られた保険制度、その当時の虫歯大洪水時代でニーズにもうまくマッチしていたのですが、

現在の「自分の歯を長持ちさせたい」というニーズにはマッチしなくなってしまっています。。。

 

 

と、こんなブログで下っ端歯科医師が何言っても世の中は変わらないのですが。。。

  

 

「治療の『質』は一切問わない」制度で国民の歯の寿命が短くなっている面もあります

安い治療の恩恵の裏には社会的事情があることも知っておかれた方がいいでしょう( ̄Д ̄;)

 

 

ただし、費用対効果で見た場合、日本はぶっちぎりで世界一の医療システムだと思います。

(入れ歯も保険適応ですしね!)

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