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開業して行った根管治療のやり直し
- 2024年9月10日 09:00
- 歯内療法日記
歯内療法専門医の抜髄の成功率 おおよそ90%
今の1つの基準は術後4年後の成否で成功率を出します。
ただ、口の中は細菌まみれで毎日使っていれば力も加わり悪くなってきますので
はっきり言ってしまえば、成功率というのは年々下がっていくもので、4年後に問題無い歯が一生安泰とはなりません。
また、私のような開業医は実際4年後まで予後を追うことはほぼほぼ不可能で、
自分なりの成功率も出したいのですが、患者さんの負担なしにデーターを取ることができません。
*根管治療後に膿や症状が落ち着き、半年後のレントゲンで治癒傾向が出てくると4~5割ぐらいの患者さんは安心したのか1年予後のレントゲンは無料でも撮りに来てくれません。。。
患者さん心理として、忙しいんだからわざわざ治った歯の為にレントゲンを撮りに行く時間を割けないといもの重々承知です。
ですので、開業医できちんと成功率を出せるのはかなりハードルが高い!
今回のケースは開業してすぐの2008年に抜髄をさせて頂いたケース
患者さんは50代女性
私が抜髄を行った右下6
*この当時アナログのレントゲンで2008年からデジタルに移行したため2009年の1年予後のレントゲン
2021年に全顎検査をさせてもらった際のレントゲンで「あれ、根尖病変 or 歯根破折!?」的な所見が出てきてしまいました。
幸い症状はなかったので、患者さんにそのことを説明し少し様子をみることに。
ただ、悪い予感というのは大体当たるもので、2024年に入り痛みが出た後に歯茎から膿が出てきてしまいました。
そうなってしまったので、再根管治療を行うことにしました。
根尖病変は少し大きくなってきています。
治療回数は2回で根管充填+レジンコア+仮歯まで
自分のやった根管治療(抜髄)で再治療するのは久しぶりなのですが、過去の治療のどこが悪かったのか!?を見ることができ経験値が積めます。
術後6ヵ月後
腫れや痛みなどの症状もなく骨も出来てくれており一安心!
昔と比べて、根管治療は殆どコンセプト、内容に関して替えていませんが、
昔と変えた所は、レジンコアのスタートの位置(根管口よりだいたい2mmしたぐらいから接着に頼ります)、後はレジンコア材料の変更(ディアルキュアはダメだと実感)などあります。
一般的にはレジンコアにはディアルキュア(光・化学重合型)が用いられますが、
これって1回で詰めるのでレジンの収縮による浮きが存在してしまい、その隙間から唾液感染があるんじゃないか!?と思い、ディアルキュア系のコア用レジンは使わなくなりました。
*海外の先生も同じようなこと言っていた先生がいましたが、光重合型レジンに比べディアルキュア型レジンが優れていれば、世の中の商品の殆どがディアルキュア型になると思いますが実際はそうではありません。
何度か過去の自分の行ったディアルキュア系レジン外しましたが、たまに浮いたような超微妙な隙間を見てしまい、こういう考え方になりました。
以前のセミナーでもお話しましたが、今は充填用のフロアブルレジンを12~15回ぐらいに分けて積層し、レジンの収縮の補正をしています。
(1回で詰めていたものを、15回に分けるので手間といえば手間ですがそこはこだわるポイントかなと思います。)
ちょうどYouTubeに上げた動画があったので、
昔の土台の作り方
最近のレジンコア(覚えていませんが10年前ぐらいからディアルキュア系レジンは使っていません)
手間も時間も材料費もかかりますが、長期成功を目指すには必須かなと今の自分は思っています。
変わっていないようで、毎日少しずつ感じたエッセンスを取り入れ替えています。
「変わらない為に変わり続ける」語源は誰が言ったか知りませんが、結局先人が説いた言葉が真理なんだろうなと思います。
今回のケース何とか病変が治ってくれて一安心!(p・Д・;)
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