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成功とは言えないが痛みもなく使えている歯
- 2024年12月14日 09:00
- 歯内療法日記
以前書いた 成功率と生存率
根管治療のクライテリア 『成功率』と【生存率】 - EE DENTAL_Blog
治療を行うと、完全に治った(白)、治っていない(黒)、治ったとは言えないが症状なく使えている(グレー)
の3つに分けられますが、
歯科医師は誰が見ても問題無い歯、つまり白を目指して治療をしますが、患者さんも白を希望されますが、全てが上手く行く訳ではないので痛みなく自分の歯を長く使いたいという一部白色よりのグレーでもOKというものも出てきます。
今回のケースは自分的にはどちらかと言うと白よりのグレーケース
50代女性患者さん
歯周病健診に行った歯科医院で、何も痛みや違和感は無かったものの、「根に膿が溜っているので今すぐ治療をした方がいい」と言われ殆ど何の説明もないままクラウンと土台を外され、
先生に「抜くしかない」といきなりの抜歯宣告を受けショックを受けたとのこと
ネットで根管治療のことを知りEEデンタルへ
レントゲン
かなり歯の残存量が少なく、根尖病変、根分岐部病変が見られます。
患者さんも何の痛みも無かった歯なので、抜きたくはないのは分かります。
自分の歯を長く持たせたい患者さんが知っておいた方がいいのは、根管治療は治療の度に自分の歯が削られていく治療なので、
1本の歯で治療出来て2回、上手く行って3回で打ち止め抜歯になります。
つまり安易に治療をするより、治療する先生を吟味してから治療をスタートした方がいいと思います。
仮蓋を除去すると、まず出てきたパフォレーションが2か所
とりあえず1回目の治療でパフォレーションリペア
レジンを使用しています。
治療2回目
腫れも痛みもないことより、根管充填+レジンコア+仮歯まで
治療後6か月
患者さんは、問題無く使えていて調子は良いとのこと
根尖病変も小さくなり骨も出来てきてくれています。
術後1年
根尖病変は治ったように見えますが、根分岐部の骨は戻っていてくれていません。
たぶんこの部分はパフォレーション部に感染が起こり、その後歯周病の病態も合併した為に
骨の治りが悪いように思います。
個人的にこのケースは最初に書いた、白・黒・グレーで言えば「グレー」に入る歯です。
ただ、患者さんは何の問題も無く使えているのでこれはこれで良いかなと思います。
根管治療は歯科治療の中でも、技術的に一番、二番を争うぐらい難しい治療なので、先生選びは慎重に!d(ゝc_・ )
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