使えるまで使う歯科治療
- 2025年8月 6日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは50代女性
銀歯を入れた歯から臭いが出てくる感じがあり根管治療をしたが治らず
現在2回目の根管治療中
転院先でCTを撮ると、折れているかもしれないと言われた。
レントゲン
レントゲン的に、はやり折れている可能性が高い。
また口蓋根には根尖病変が見られます。
患者さんに歯を残す為には根管治療+分割抜歯(トライセクション)を行う必要があると説明
患者さんの了解を頂き、1回法にて根管治療+レジンコア+分割抜歯(2時間)
やはり歯根破折でした。
顕微鏡で見ると破折線はすぐに分かったのですが、基本的に破折線は非常に細い為
明るいライトの元、拡大視野で見ないと判断できません。。。
1回目の治療から1か月後に来てもらい仮歯をセット
そこから1年後
患者さんも問題無く咬めており非常に感謝されました。
歯の治療はリペアの類ではありますが、きちんと治療をすればしばらくは使えることがあります。
今回のようなトライセクション(3本のうち1本を抜く)は意外と長持ちする歯が多い印象があります。
この先20年持つか!?と言われれば、患者さんの使い方次第でになってしまう面はあります。
先週の患者さんなどは前医が起こした大きなパフォレーションがあり、
全く腫れや痛みも無かった為、私的には問題が出たら外科的介入しましょうと患者さんに話していたのですが、久しぶりに来院された際に見せてもらうと今のかかるつけ先生に膿んでいるからと抜歯されていました。
外科処置すれば保存出来たのに・・・と心の中では思ったのですが、それは今のかかりつけの先生と患者さんが出した方針なので仕方がありません。
同じ歯を見ても残すという治療オプションを持った歯科医師と抜歯しかないと判断する歯科医師
誰に治療してもらうかでも大きな差は出てしまいます。
(極端に言えば1本抜けばその負担は隣の歯に行くので隣の歯の寿命は短くなります)
歯科医師の傾向として、インプラントという治療選択肢を持っている先生の方が抜歯介入が早い傾向はあります。
(これは骨が良い条件の時に抜いてインプラントした方が予後が良いという面もあります)
今回のケースも何年持ってくれるでしょう。
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