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3件で「異常ない」と言われた歯の根管治療

患者さんは50代男性

耳鼻科からの紹介状を持って受診

  

持ってきて頂いた紙には30年前に根管治療済み

2022年A歯科医院で根管治療をせずにクラウンだけやり替えた。 

その後高さの違和感が続き、その後歯が浮いたような違和感が出る。 

2023年右頬から右耳にかけて激痛が出てしまい再びA歯科医院へ

A歯科医院は副鼻腔炎を疑い耳鼻科へ行くように言われる。

⇒ a耳鼻科ではCT検査の結果歯科医院を受診しないさいと言われる。

→ 転院してB歯科医院へ レントゲンでは右上の異常ないので右下の親知らずを勧められる

時々痛い状況が続き、→ C歯科医院を受診 レントゲンでは問題無し治療をした左上6以外の歯の原因が疑われる右下の親知らずの抜歯を行う

しばらく後、再び右頬から右耳にかけて激痛が出た為、⇒b耳鼻科へ行くと右上6が原因の可能性が高いので歯科医院へ行くようにと言われ、患者さんの希望で歯内療法専門医のEEデンタルへ

  

レントゲン

2025 EEdental SSO (1).jpg

一見問題なように見えますが、専門医がみると右上6が原因で副鼻腔炎になってしまった感じ

理由は上顎洞底線の変化(連続性)を見ます。 根尖病変があると上顎洞底線が上に持ち上げられます。

毎日この分野を治療している人間からするとすぐに分かりますが、GPの先生だと難しい診断かもしれません。

 

患者さんには右上6の根管治療をまずはやり直した方がいいと説明

歯の中の細菌感染で膿んできているのが長く続くと、副鼻腔まで炎症が広がり鼻に症状が出ることがあります。

今回はこのケースを疑いました。

 

治療1回目

鼻の原因だと思われる近心頬側根は殆ど手付かずで2本の神経管MB根、MB2根が出てくる。

1回目の治療で根管内を徹底的に洗浄

 

治療2回目 腫れや痛みの無いことより根管充填

2025 EEdental SSO (2).jpg

根管充填材はガッタパーチャー使用

 

今週、患者さんが来院されレントゲンを撮らせてもらいました。

2025 EEdental SSO (3).jpg

調子は良いようで、腫れや痛みもないそう。

レントゲンでも治癒傾向が見られ、上顎洞底線も下に下がってきてくれています。

2025 EEdental SSO (4).jpg

赤い線が青い線になってきており、治癒傾向が見られます。

*根管治療をしても骨の変化は徐々に変わってくるもので、治療したからすぐに元の状態とはなりません、この後もう1年ぐらいすると青い線から更に下に下がると思います。

 

今回のケースのように上顎洞と根尖病変が被っているような場合、GPの先生だと診断が付かない場合があり、今回のように歯科→耳鼻科→歯科→耳鼻科 などの繰り返しにることがありますが、

副鼻腔(上顎洞)が問題を持っていれば、すぐに歯内療法専門医の歯科医院へ行った方が時間を無駄にせずにすみます。

専門医的に言えば、B歯科やC歯科のように副鼻腔の問題で下顎の歯を疑うことはありません。副鼻腔炎であれば上顎の歯が必ず原因歯になります。

問題ないと言われ続けた歯から膿で上顎洞炎に・・・ - EE DENTAL_Blog 

 

今回の患者さんもう一度レントゲンを撮って終了となります。

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