歯を残す治療の上に審美治療
- 2024年4月 5日 09:00
- 歯内療法日記
現在、日本歯科専門医機構が専門医制度を作っており、
歯内療法学会の歯内療法専門医は「歯科保存専門医」と名称が変わるような動きがあります。
この歯科保存専門医は今の所、歯科保存学会の専門医と歯内療法学会の専門医が対象になっているようなのですが、この先さらに他の学会の専門医も含まれるような動きがあります。
正直、政治の話なので全く興味はありませんが、少し疑問なのが審美歯科学会の専門医まで「歯科保存専門医」に申請をしているような書き方がしていましたが、
先日のある先生と話していると、「歯科保存専門医」に審美専門医は違うんじゃないか!?
私もホントそう思います。
審美治療とは綺麗な見た目を得る代わりにある面歯の寿命を短くしてしまう治療法です。
*凸凹の前歯をセラミックで治すのは一般人は止めた方がいいですよ、30~40歳ぐらいで前歯のトラブルが続出して60歳ぐらいで前歯無くなります。
患者さんの綺麗にしたいというニーズと、歯を長く残したいというニーズは全く別物です。
根の病気を治したい患者さんが審美の先生の歯科医院に行っても・・・
と言っても歯科医師10万に対して、2700人しかいない歯内療法学会では患者さんニーズへの対応は難しいとは思いますけどね。
ぶっちゃけ、根管治療なんて全く儲からないので力を入れている先生の方が変わり者
今回の患者さんは50代女性
若い頃かかっていた先生に「前歯綺麗にしてあげる」と言われ
神経を取って被せ物を入れられてしまったとのこと。
先日も60代の女性患者さんで同じようなことを言われ神経を取って被せ物を入れた方おられましたが、
そういう時代もあったのかもしれません。
レントゲン
大きな金属の土台が入っており根の先には根尖病変(膿)
抜髄の割にはかなり長いポストが入っています。
1回法で根管治療をして仮歯まで
根充材はMTA+を使用しました。
仮歯
このケースは仮歯が難しい・・・
*1本目の仮歯ではそこまで形は合わせられません。
患者さんに説明をしてセラミックを作る技工士に仮歯を製作してもらいました。
形成
仮歯の色が白すぎたので、レジンを使いステイング
*仮歯は基本的に単色(1色)なので色は合いません。
この状態で生活をしてもらい
根尖病変は綺麗に治りました。
この後、クラウンの作成
かなり色合わせの難しい歯で何回か技工士さんに作り直してもらいました。
レントゲン
綺麗に治療が出来ました。
審美治療ってきちんとした下処理の上にやらないとそんなに長く維持できませんから
やはり歯の保存を重視された方が良いように思えます。
さてさて、どうなるんでしょうかね「歯科保存専門医」
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