Home> 歯内療法日記 > この歯抜いてインプラントにするの!?
この歯抜いてインプラントにするの!?
- 2025年4月12日 09:00
- 歯内療法日記
今回のケースの患者さん
60代女性 歯茎から膿が出てくるということで根管治療を行い、痛かったがそのままセラミッククブリッジを入れたが、3日後にはまた腫れてきてしまった。
抗生剤を処方されるが収まらず、転院したらその先生に
「ブリッジの歯を抜いてインプラントにする必要がある。反対側の歯も悪いから左下の歯もインプラントにした方がいい」 と言われた。
患者さんの娘さんがEEデンタルの患者さんで、一度豊橋まで行った方がいいと言ってくれてお母さんを紹介して頂きました。
レントゲン
第一大臼歯の遠心根に根尖病変があり、ここが原因になっているようですが、
見るからに過去に2回ほど根管治療しているようですが、根管全く触っていなさそう・・・
ただ、レントゲン上ではオリジナルの根管が見えます。
個人的には、「え~、折れてもいないこんなしっかりした歯抜いちゃうの!?」
はっきり言ってしまえば、ネジ屋さん(インプラント屋)に行けば、「メンドクサイ根管治療なんてやってられるかよ!、悪くなった歯なんて抜いて40万のインプラント入れればヨロシ!」
という感じでしょうね。
私からすると同じ歯科医師ライセンスだけど
*歯を残す歯科医師
*歯を残す気はあまりなく歯を作りたい歯科医師
と表札分けてくれよ と思います。
患者さんには「難しそうだけど、残す治療出来ますよ。」
「と言うか、たぶんこの状況であれば7~8割近くの歯科医師は頑張って歯を残そうと言うと思いますけどね。」と説明
残念ながら、歯科はあまり横の繋がりがないので出来ない先生が出来る先生に患者さんを紹介するなどは口腔外科の親知らずの抜歯ぐらいしかありません。(ホント残念ですが・・・)
歯内療法専門医など存在自体、歯科医師にも認知されていませんし、たぶん信用もされていません(笑)
これが現状なので、根管治療で困った患者さんは自ら歯科医院を探す必要があります。
治療1回目
人工物を取り、隠れた神経管を探索し、徹底的に歯の中を綺麗にする。
治療2回目
腫れや痛みの無いのを確認して根管充填
手づかずの根管でしたが4本の神経管がありました。
昔治療した先生も根管治療苦手だったかもしれません。
根管治療は非常に細かい治療の連続になるので、やはりそこは設備と治療の得意度は大きくもの言う治療分野です。
膿の出る歯でも折れていなければ根管治療出来ることもありますので、抜く前に歯内療法専門医に相談するのも1つですよ。
年に数回歯が残せた患者さんに「他の歯も昔抜く前に相談くればよかった」など言われますが、抜歯基準は先生毎にマチマチなのでA歯科でダメでもB歯科なら保存できることは極々一般的にあります。
今回の患者さん、次回仮歯を入れ経過観察をして行きます。
今回の根管治療が上手く行かなければ、最後は外科的歯内療法で歯の保存を行います(σ・Д・)σ
- 購読
- Powerd By