女性に多い樋状根の根管治療
- 2025年10月 3日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは30代女性の衛生士さん
4年前ぐらいにMTAで直接覆髄をした歯、3カ月前から咬合痛&フィステルが出来膿が出てくる。
とのこと
レントゲン
第二大臼歯に直接覆髄がしてありますが、根の方には大きな透過像(骨が溶けている場所)
第一大臼歯遠心根にもうっすら透過像あり。
今回のケースは珍しくフィステル(膿の出口)が2か所あります。
ということは膿の原因場所が2か所あると推測されます。
第一大臼歯はそんなに問題無いように見えるので、とりあえず第二大臼歯の治療を行うことにしました。
1回目の治療
直接覆髄がMTAでしてありましたが、完全に神経は死んでしまっていました。
虫歯の取り残しなどもなく綺麗な治療がしてあったのですが、このような結果になってしまってます。
直接覆髄法の難しい所なのですが、この方法は年々成功率が下がり大丈夫かな!?と思っても数年後に神経が死んでしまうことがある治療法です。
私も昔はよくMTA直接覆髄はやっていましたが、最近はあまりやること少なくなりました。
ただ、積極的に神経を取ることはせずに「シールドレストレーション」や「AIPC(非侵襲性歯髄覆罩)」などの神経を出さない間接覆髄法を主にしました。
理由は直接覆髄より間接覆髄の方が予後が良い!
結局、患者さんの望むことはなるべく神経を残したいという希望なので、その希望を完遂することに主眼を置きます。
1回目の治療で根管内を徹底的に綺麗にして、
治療2回目 2個あったフィステルも無くなっていたので根管充填+レジンコアまで
根管充填材はガッタパーチャー使用
*基本的に私は根管充填材はMTAが良いとは思っていませんので、ケースを選んでしか使っていません。
ネットで根管充填材はMTAが良いと情報を拾ってくる患者さんもいますが、ネット情報が必ず正しいとは限りませんのでね。
今週1年予後で来院しててもらいました。
レントゲン
綺麗に骨が出来上がってくれています!
また1本前の根尖病変に見えた歯の所見も落ち着いているように見えます。
個人的に経験を積んだ為に、積極的な医療介入は避けるようになりました。
私の持論ですが、「歯の寿命を縮める最大の因子は歯科医師の治療」だと思っているので
長く歯を使う為には、治療介入のタイミングというのは非常に重要だと感じます。
保険治療だからダメ!自費治療で治さないと治らないなどは思いませんね。
先日も「ちょっとこれ酷いな。。。」と思えるインプラント屋さんの自費根管治療を見ましたが、保険か自費選ぶ前に歯科医院(歯科医師)選びが重要だと思いますね(・∀・;)
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