MTA根管充填に関して
- 2026年1月 7日 09:00
- 歯内療法日記
たまに患者さんに根管充填後に
「ネットでは根管充填材にMTAセメントを押している歯科医院もあるのに、何故私では使わなかったのか!?」
と聞かれることがありますが、正直このMTAって凄く良い材料だとは思いますが、全てのケースで使う必要はないと考えます。
特に私は初回根管治療(抜髄、ネクローシスパルプなど)では殆ど使いません。
理由は、
①MTAを入れやすくするためには結構歯(根管)を削ります。⇒将来、歯根破折のリスクが上がる
②MTAはきちんと硬化すると除去が難しく、再根管治療より外科的歯内療法になることが多いです。
⇒つまり2回出来るはずの根管治療券を1回分捨て外科に移行します、外科的歯内療法が失敗すれば次は抜歯になります。
患者さんが勘違いしているのは、根管内にMTAセメントを入れれば大きく成功率が上がる訳ではありません。
毎回書きますが、歯科治療において材料に差というのもは極々僅かです、成功の最も大きな因子は歯科医師の知識を技術です。
歯内療法専門医の抜髄の成功率は古今東西おおよそ90%、MTAを使って成功率が上がった所で1~2%上がれば良い方だと私は思います。
NTAセメントを使わずガッタパーチャーを使用して失敗に終わった場合でも、再根管治療をすれば80%前後は治ります。
つまり、100本治療した場合
MTA根管充填をした場合10本が失敗し外科的歯内療法へ、
ガッタパーチャーを使った場合は10本が失敗し、再根管治療で80%が治るので2本が外科的歯内療法へ
歯を長く残したいならどちらを選択しますか!?
また、歯内療法専門医の立場的にもショッキングなデーターなのですが、
40年前の顕微鏡、ニッケルチタン、超音波、MTAセメントが無かった時代
最先端の機器がある現代の根管治療
実は、成功率は大きく変わっていません。
抜髄90% 感染根管(再治療)70~80%
つまりこれらの現代エンド(顕微鏡、MTA)の神器を使わなくても細菌感染に対する原理原則(隔壁・ラバーダム・仮蓋)を守れば成功率は比較的高いと言えます。
私が患者なら一番の希望は「歯を長持ちさせたい」これに尽きます。
じゃあ、何でネットでは根管充填材にMTAセメントが良いと触れられているのか!?
私が推測するに保険医療機関で自費の根管治療を行う為には便宜上、治療のどこかで自費材料の使用が必修です。
10年前のブログですが:自費治療で行う根管治療 - 自費治療専門・歯内療法専門医 EEデンタル
保険医療機関では原則、保険治療で出来ることは保険で対応が義務だと昔は教えられました。
*プラスチックで治せるところをセラミックにすれば自費治療と同じです。
ただ、今の保険治療費は格安すぎて、自費である程度費用を頂かないと時間をかけて治療出来ません。
1回300円の治療費でラバーダム(原価80円)&顕微鏡(300~800万)&ニッケルチタン(8000円)使用はできません。
MTAセメントを用いてもそれほど成功率が上がる訳ではありませんが、きちんと治療するには歯科医師の時間を買ってもらう必要があります。
その為にMTA根管充填という名目で時間を確保さえてもらうように思えます。
追記:ちょうどネットニュースにも
「銀歯治療するほど赤字」 貴金属高騰で歯医者ピンチ 1本あたり3000円自腹
というニュースがでてきていましたが、保険診療はホントカツカツの状態だと思います。
自費治療で治療を受ければ保険の根管治療より良いとも言えませんが・・・
これでいいのか?自費根管治療 - EE DENTAL_Blog
先日も大学病院からのセカンドオピニオンで来院された患者さん
某インプラント歯科で「保険治療の根管治療はダメ!信用できない、バイオセラミック(MTAなど)で根管治療しなおさないといけない(自費治療)」と言われ根管治療をしたようなのですが・・・
レントゲンを見ると、根尖寄りのガッタパーチャーは以前の物が残ったままだし、殆ど意味のない中間部にMTAが少し入っており除去不可能ぐらい長いファイバーポストが入っている。
大学病院の先生も外科的歯内療法ぐらいしか残す治療がないということでした。
たぶんそのレントゲンを歯科医師が見れば、「えぇ~、このクオリティーで自費!?」(心の声)
バイオセラミックじゃないといけないという割にガッタパーチャーも取れていないし、何の為に再根管治療したの!?
根管治療は2回しかできないので、私は保険治療だろうが自費治療だろうが根尖病変さえなければ再治療はあまり勧めません。
ネジ屋さん金儲け考え過ぎだわ。。。
というケースがありました。
因みに、私もファイバーコアが長過ぎて除去は困難を極める為、大学の先生と同じように「外科的歯内療法が良い」と判断しました。
バイオセラミック(MTA)、ファイバーコア、良いとされる材料使ってもこんなものです。
先に書いたように歯科医師の知識と腕の方が成功に与えるインパクトは大きいです。
患者さんからしたら歯科医院のホームぺージなので正しい情報だととらえられますが、これはEEデンタルのサイト含めホームページは集患ツールなのですから、真偽はかなり専門的な情報を洗わないと真実は分かりません。
年に1~2名ぐらいの患者さんに質問される「MTA根管充填」
あまり材料に期待しない方がいいですよ(笑)
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