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マニアックレジン: 2021年8月アーカイブ
気になる前歯の虫歯
- 2021年8月20日 09:14
- マニアックレジン
患者さんは40代女性
2年前に前歯が気になり近医にかかるも虫歯ではないと判断された
最近になり前歯がかけ、歯の中が黒いので「虫歯ではないか!?」とのことで来院
見せてもらうと
明らかに虫歯・・・
しかも、
虫歯が大きく、ほぼ神経に達する虫歯
隣の歯も虫歯。。。
この大きさの虫歯になるまでには推測で4~5年はかかるはずなので
2年前におかしいと思った際には虫歯はあったと思えます。
幸い患者さんには症状も無かったことより、
歯髄保存の方向で3本の虫歯治療を行い
1時間半後
色々な小手先技を使い、レジンで仕上げました。
患者さんも綺麗になったと喜ばれていました。
唇が下りると、左右対称感もあり良い感じです!
実際虫歯を削ってみると、
虫歯部分は黒く見える部分の1周りぐらい大きいぐらいの大きさでした。
虫歯は見た目より大きく進行していることが100%で、虫歯かなと思ったら
早めに診断を受けた方が神経が残せる確率は上がります。
虫歯治療は後手になってくると大変なので注意してくださいね!
この状態で一度終了し、大きな症状が出てしまった場合は後で3mmの穴を開け根管治療を行います。
虫歯が大きくても残せる神経もありますので、EEデンタルの治療方針は
1、なるべく神経保護を行う
2、なるべく削る量を少なくする方法
3、なるべく見た目の改善を行う
です! \(^_^ )
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持ってて良かった2つの専門
今回の患者さんは、40代女性
近医で虫歯治療を受けた所、神経が露出し出血したから神経を殺す薬を入れました。
と説明され、神経の治療であれば歯内療法専門医へ
とのことでEEデンタルへ来院
患者さんの話を聞いて、
露髄して出血があったのであれば、神経も生きている証拠なので覆髄すれば・・・
とは思いましたが、そこは【保険治療】
保険治療では覆髄を行い、上手く行かなかった場合、
治療費の減額というペナルティーがあるので積極的に神経を残すというより、神経を取る形になります。
*歯を長持ちさせたい患者さんは、これは知っておいた方がいいでしょう。
手間をかければ残せる神経を取るというのは、ある面仕方がないとは思います。
*理想ばかり追求出来ないのが保険治療です。
患者さんの歯
小臼歯が90度捻転した生え方で、治療的にも抜歯が妥当かも!?
ただ、患者さんは何とか残したい!とおっしゃられ
診査すると第1、第2小臼歯もきちんと咬合があり、機能している歯でした。
ただ、神経治療はまずラバーダムが難しい、
その後の補綴(詰め物・かぶせ物)をどうするか・・・
歯の位置的に治療が難しい状態でしたが、
1回法にて根管治療を行い
歯のない部分はレジンで製作
以前は4/5冠が入っていたようです。
過去、勤務医の頃 同じようなケースをメタルアンレーで修復したのですが・・・
トライアングルの部分に入り込んだセメントが除去不可能でかなり難儀をした覚えがあったので
セメント除去の要らないレジンにてフリーハンドで歯を作りました!
フリーハンドで作った割には比較的綺麗に形が出せたのではないかなと思います!(・∀・)
抜髄歯だったので、1年後にレントゲンを撮らせてもらい終了となります。
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子供の乳歯の虫歯
- 2021年8月 4日 09:03
- マニアックレジン | EEデンタル こだわり
患者さんは5歳の女の子(私の娘)
一見歯の外からは虫歯はないのですが、
仕上げ磨きの際にこの歯だけ微妙に少し色が違う(少しグレーに見える)
レントゲンを撮ると
きゃ~、虫歯! しかも神経付近まで。。。
歯科医師が仕上げ磨きをしていたのにも関わらず・・・
基本乳歯の虫歯治療はしていないので娘に普段は子供治療をしない
「特別だよ」と説明したら、
「えっ、何で出来ないの!? 頑張っていないからできないの!?」
と、ド正論で来られたので、
「専門性を上げる為に出来るけどわざとやらないの!」
と大人でも理解してもらえない回答で応戦(笑)
彼女は、初麻酔、初切削、初充填 と「初」尽くし
小児歯科では、歯科医院に慣れることから少しずつ始めますが・・・
そんな悠長なことをしている暇はない!
基本的に小児の治療は
「無痛下で恐怖心を与えないのが原則」
その為には無痛での麻酔は必須!
たまたまですが、先月2人の患者さんに
「先生の麻酔は他所の歯医者と違うことしているの?全く痛くないのが不思議なんですが・・・」
と言われましたが、麻酔は全て技術です(笑)
子供の麻酔を行い治療スタート
表面麻酔を行い、不味い麻酔液を味あわせないように慎重に無痛で麻酔を行い
5分待つ、
そこからは乳歯でも全て顕微鏡治療
虫歯の観察を行うと近心の歯茎付近から虫歯が出来中に進行していたようで
完全にステルス虫歯!
毎日仕上げ磨きしていましたが、
「こんなの裸眼で分かるか!!!」
と思いましたね(笑)
毎月顕微鏡で入念に診察するか、レントゲンを定期的に撮らないと分からないタイプの超厄介な虫歯!
途中からエキスカでもの凄く慎重に削って行ったのですが、
やはり永久歯とは違いすぐに露髄(神経が出る)!
あれだけ露髄させないように注意していたのですが・・・
乳歯の抜髄なんて20年近くしていないので、とりあえず直接覆髄を試みることに
ネットでは直接覆髄材は「MTA」、「MTA」言いますが、
個人的なトレンドにはなりますが、MTAは使用せず止血後
セラカル(レジン)で露髄面を隠しボンディング⇒レジン充填
覆髄材の材料による差というのは第3象牙質の「質」には差がでますが、
〇〇という材料を使うから成功率が飛躍的に上がるとはならないそうです。
術後のレントゲン
痛みが出ないように祈りつつ経過観察
その後、半年近く経過して、手前の歯(D)も怪しいことに気が付き
前回治療した歯(E)の経過観察でレントゲンを撮ると・・・
たぶん虫歯、顕微鏡で見てもはっきり虫歯の入り口が分からない・・・
切削診断を行い虫歯を見つけることにしました。
1mm程度の穴を開けると!やっぱり虫歯。。。
前回の治療の反省から、露髄させないように「シールドレストレーション」で治療を試みる!
*シールドレストレーション:軟化象牙質を取り除かなくても窩洞を完全に封鎖すればカリエスが進行しない、という考え方です。
基本的に神経が露出して行う直接覆髄より神経を露出させない間接覆髄の方が成功率が高いことが分かっています。
私はごく少量の虫歯の残存より、神経保存の成功率の高い方法をチョイスしたいので今は間接覆髄系が多くなっています。
ですから最近は大野先生に教えてもらったカリエス除去のダブルスタンダード術で治療を行っています。
*去年の年末の講演でこの辺りのことは説明させてもらいましたが、自分的にも虫歯の取り扱いは1つレベルが上がったなと感じます。
シールドレストレーションを成功させる為には「どら焼き」理論であんこ(虫歯)を確実に生地で包む
この外枠の生地の部分の虫歯は徹底的に除去することで封鎖性の確保ができ予後の安定が見込めます。
「シールドレストレーション」ほど顕微鏡マスト!な治療もありません!!
顕微鏡下で縁の虫歯だけ徹底的に除去して、
神経に近い場所の虫歯だけわざと残し顕微鏡下でレジン充填
術後全く痛みはなく、経過しています。
フロスした際に2日痛いと言った程度でした。
追記:術後2週間現在痛みも出ていません。
この後、約3~4年神経を取らずに、永久歯にうまく入れ替わってくれればいいのですが。。。
小児の虫歯で悲観的になる親御さんが多いそうですが、歯科医師の娘でもこんなことあるので
一般の方であれば定期的に歯科医院でチェックだけは受けておかれた方がいいですよ。
・虫歯のなりやすさは人それぞれ(遺伝もあります)
・親が出来るのは食生活因子の改善(ながら食べは危険!)
・親が仕上げ磨きは必ずする、フロスもやると良い
・定期的な歯科医院でのフッ素塗布と夜寝る前のフッ素で予防
乳歯に虫歯が出来てしまった子ほど永久歯は要注意です。
ホント虫歯になりやすいです。
以上、
虫歯を作ってしまった親と乳歯の歯髄保存でした(ー△ー;)
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