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歯内療法日記: 2009年11月アーカイブ

メタルコア(金属の土台)

CI3.jpg 


 

7番(一番右の歯)の根管治療を依頼されたのですが・・・

(*一番右の歯の「白い部分が金属」です。



ん〜〜〜、長いポストだ!!(Д`)



ポストとは鬼の角のような突起です。

歯の中に金属の芯が入れてあるのです。



歯内療法(根の治療)を行うにはまずこの長いポストを外さなければいけません。



また、 患者さん20代前半の女性で開口量も少なく(口が大きく開けれない)。。。



「ん〜、難しい!!」

と言うかメタルコアを入れた先生ははたしてこのコア取る自信があるのだろうか・・・

保健の流れで金属の芯は入れないといけないのですが、これが歯の補強になっているとは考えにくい!!

http://www.eedental.jp/buildup.html

ただ保健は国のルール通り仕事をしないといけないので極々一般的な治療です



根の再治療を専門に仕事をしていると思うのですが、

歯の治療とは再治療のことまで考えて治療する必要があると思うのですよね・・・



特に根の治療においては4割ぐらいが再治療になっていると考えると、難攻不落のものは作らない方が・・・

ピラミッドの様に「一度作ったら中に誰も受け付けない」

個人的には、歯では作る必要ないと私は思うんですよね。



虫歯が大きくなると、

神経の治療(基礎工事)をして⇒メタルコア(骨組み)を入れる⇒更に大きく削ってクラウン(被せ物)を入れる。

 

図.jpg  

実際根の再治療になった時には(基礎工事に問題が起こった時)

被せ物を削って外す⇒メタルコアを削って外す⇒神経の治療を行う。



すると歯ぐきの上の健康な部分は3割ぐらいしか残りません ガ━(Д;)━

 

メタルコアを外すのは結構歯を削ります。

場合によっては歯に穴を開けたり、歯にヒビを入れたりと結構リスクがあります。



ですから再治療を考えた設計でコアを入れた方がいいと思うのですが・・・

実際、私は健康な歯質が多く残っている場合はレジンで蓋をする程度の土台しか入れていませんが、

きちんと接着処理してやればまず問題は起こらないと思っています。

http://www.youtube.com/watch?v=66AMRwHg78c 

 

実際1ケースも外れてきたことありませんし(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)

現状、国の方針もありメタルコアで治療を行うことが一般的ですが、そろそろこの治療法は見直す時期にきているのではないかなと思います。



  

あっ、最初の鬼のように長いメタルコア



CI5.jpg

取れました!!+.(・∀・*)♪

 

除去にはマイクロ見ながら1時間近くかかりましたけど。。。

メタルコアを入れるのは5分ぐらいで終わっていると思います・・・

 

 

 

保健治療だとメタルコア除去、治療費500円⇒3割負担で150円 

因みに、

1500円の削る道具2本廃棄になりました(*-ω-)

 (その他色々道具使いました)

 


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いぃ〜んじゃない!?根管治療

昨日、インプラント治療をお願いしている石川先生の歯科医院に見学に行ってきました。

色々症例を見せて頂いたのですが、日本のトップレベルのインプラント医の凄さを目の当たりに。。。


いやいや、凄いです。

どこがインプラントか分らない・・・


診療後23時近くまでお邪魔してしまい、ご迷惑おかけしました。



さてさて、私はと言うと最近、エンド症例を編集しています。
そのうちまたHPの方に症例集を作る予定です。

今回はその1症例を


7番 病変1.jpg

 

患歯は右下7番
病変は親指の頭ぐらい大きく広がっていました。

http://www.youtube.com/watch?v=VylhjFoUAH4&feature=channel

この方は近医の歯科医院を受診した際に右下に大きな病変があると言うことを指摘され、
⇒口腔外科へ


ここまで大きくなった病変は私も久々・・・

年に2ケースがらい見る症例なのですが、まずこのレントゲン写真を診たら100人の歯科医師のうち95人は、

『抜歯+外科処置』

と言うと思います。
(私も95人の方に入りそうなぐらい大きな病変です)


ただ病変が大きいと言っても、この場所の抜歯は神経管にも近いですし、知覚麻痺などのリスクのある非常に難しい手術になると思います^^;
(見方によっては病変の直下に神経管があるようにも見えます)

またうまく抜歯+病変の除去は出来たとしても、
抜歯後は大きく骨も無くなり、うまく骨が出来なかった場合、転倒した際には簡単に下顎の骨が折れてしまうような細い下顎の状態になっていたかもしれません。



この患者さん非常に幸運だったのが、出会った口腔外科の先生(知り合いの先生です^^)

この先生口腔外科が専門なのですが、他科の知識量がハンパではなく
患者さんが始めて来院された際に30分近く説明をおこなったのですが、

「○○先生に殆ど聞きましたので大体把握しています」

「・・・、そ、そうですか」^^;
(かなり専門的なことまで)


と言う流れで治療に入らせて頂き
治療回数7回
治療期間4ヶ月


膿が歯の中から出てくる期間もありましたが、治療後6ヶ月でかなり骨が出来上がってきてくれています。



いやいや、良かった良かった。


大きな病変があってもまず、根の治療で何とかならないか判断された先生と、それにかけた患者さんの勝利ですね。
(遠い所何回も来院してもらいすみませんでした^^;)
 


後半年もすればもう少し骨の密度も上がってくると思います(゚▽゚)

術前・術後6ヶ月

 

7番 病変.jpg


 

 

 

大きな病変

術前(左) 術後(右)

根管充填はコンテ二アスウェーブで^^



実は、この歯年に1本あるかどうかの歯でかなり時間がかかっています。
長期治療と言っても水酸化カルシューム入れて放置しているだけなのですが(笑)

治療期間8ヶ月ぐらいかかっています。

治療スタート時には毎回膿が出ていた歯なのですが、治療の後半では全く膿も出なくなってきました。
根の治療から根管充填まで時間が経過しているので根管充填時には骨が出来てきています。



何とか治ってくれぇ〜!!

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流注膿瘍

qqq.jpg

流注膿瘍(レアケース症例)

根に病変が出来ると根の先から膿が出てくる時があります。
口の中を見た時にニキビやイボ様のものが見られたら・・・

要注意です。

これを 『フィステル』と言います。
関連動画
http://www.youtube.com/watch?v=7zPbUMRRVgM

動画の最初のフィステルが写真と同じものになります。



フィステルが出来ていると排膿ロが確保されており大きく腫れてくることはありません。

難しいですかね。

根の病変は
①歯の中に細菌感染が起こる ⇒ ②根の先に膿の袋が出来る ⇒ ③膿の袋が大きくなる ⇒④袋に治まりきらなくなると腫れる、ズキズキ痛む

と言う流れを作る訳ですが、 フィステルが出来ていると③⇒④に移行することはまずありません。
言い変えると小さな箱の中(骨)に風船(膿の袋)があるような状態で、病状が進行している場合、この風船の中にどんどん水が入っていっている状況です。
これが③の状態です。

水がどんどん入り過ぎてしまうとどうなるでしょう。。。
風船は破裂しようとしますが、箱の中にあるので風船は割れないまま中の圧力だけ上がっていきます。。。

体で言うとこの圧力が痛みに感じます。
また風船の圧力が上がり破裂すると。。。


体でこれを言うと、大きく腫れてきます。


ですが、この風船と箱に穴があいていれば風船の圧力も上がらず、水も箱から漏れ出てきます。
この状態を作っているものが『フィステル』です。

言わば、体の防御システムの1つがフィステルなのです。


フィステルの説明はここまで

通常フィステルは原因歯の近くに出来ます。

ですからもし、口の中にニキビやイボの様なものが見られれば近くのの歯科医院でレントゲン撮影をすることをお勧めします。
フィステルは原因の歯の根の治療を行うことで多くの場合治ってきます。
動画

http://www.youtube.com/watch?v=0ApsqJwfL3g&feature=channel


ただ、C4や歯が折れている場合、歯周病の際にもフィステルは見られますが、多くの場合、根に問題を起こしている時に見られます。

写真は初診来院時です。
第2大臼歯(7番)の横の歯茎の盛り上がりがフィステルです。
他院で7番の病変を疑い治療を開始したのですが、いつまで根管治療を行っても治らないということで
私の歯科医院来院されました。

ただレントゲンを撮ってみると。。。
フィステルの横の7番が原因になっている訳ではなさそう。。。

既に7番は治療されていたので、まずは7番の治療を行いました。
しかし、7番の根の治療後もフィステルは無くならないので、私が原因だと疑った銀歯(5番)の治療を開始しました。

すると・・・、

根管治療を1回行い1週間経過すると7番の横のフィステルは見事に無くなりました。

(実は初診時に特殊なレントゲン撮影で検討はつけて患者さんには5番の可能性:大であることをお話しておきました)


今回のように隣の歯の横にフィステルが出来ることを『流注膿瘍』と言います。(すみません、最近この言葉私知りました・・・^^;)
歯2本分も離れた場所にフィステルできた流注膿瘍は私も数回しか見たことがありませんでした。

レントゲンは術後1週間⇒術後2ヶ月

赤丸内の黒い部分を見てください。

左のレントゲンが術前

右のレントゲンが術後


赤丸の部分の黒い面積が減っているのが分るでしょうか!?

黒い部分が減る=病変の面積が減っている=骨が回復してきている になります^^v

 

転勤で海外に行かれてしまったのでこの先のレントゲンは帰国後なのですが、
術後2ヶ月で病変(赤丸の中の黒い部分)は少し小さくなってきています。

術後の推測ですが、
黒い病変部分が歯の横に残っているので、今回の原因は歯の横に出来る神経の枝の側枝(木で言うと枝、葉のようなかなり末端の部分)の感染が原因だったのかもしれません。
目で見えないぐらい小さな部分に細菌感染が起こっても、このように大きな問題を引き起こすことがあります。



いやいや、体とは不思議です。
数年後に日本に帰られたら是非レントゲンで確認したい1ケースです。




EEデンタルで根管治療を受けられた方の6ヶ月後レントゲン診断(10分)は無料で
行っておりますので、治療を受けられた方で6ヶ月経過した方は一度来院ください。
 

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