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知っておいてもらいたい根管治療

歯チャンネルで書いてあったのですが、なかなか良い質問で書き込みをしたかったのですが、
最近忙しいので回答しないまま終わってしまいました。。。

ではここで、
『俺チャンネル』━━━(=゚Д゚)ノ

スタートです【σ´エ`】σ

質問
1.神経をとる治療が不完全だと,必ず膿がたまる?
2.レントゲンで,膿はどのように確認できる?
3.痛みがないけど,膿があるという可能性はありうるのか?
4.このまま,放置するとどうなるか?


1.神経をとる治療が不完全だと,必ず膿がたまる?

不完全と言う定義が難しいのですが・・・
歯の中の神経は複雑に走っており全てを取りきることができません(=゚ω゚;)

ですから100%の歯髄を取ると言うことを完全と定義するなら根管治療を行う全ての歯が不完全となります。。。


根の先は朝鮮人参のような状態です(写真のような形です)
我々歯科医師が触れるのは主根管だけであり細い枝などは触れません。

「木」で言うと「幹」は拭き掃除が出来ても、「枝」の拭き掃除は出来ないということですガ━━━━━━━∑(゚□゚*川━━━━━━━━ン!


ですから先ほど書いたように全ての神経を取るということはできません。
あるデーターではアメリカの一流のエンドドンティスト(根の専門医)が治療しても6割程度しか神経が取れていなかったとの報告もあります。

日本の根の治療費より20倍近く高い治療費を貰う専門医がです。。。

人間のすることには限界があるということです。
(ただ、手で触れない部分を効率的に綺麗にする方法はあります、それが専門医の腕の見せ所です)


また根の病変を作るのは歯の中に入って増殖した細菌です。
根の病気は細菌が原因なのです( ゚Д゚)<

個人的な意見ですが(このブログ自体思い込ばかりですが)、
神経を取った歯には必ず細菌は入っていると思います。
しかし、病変(根の先の出来る膿の袋)が出来る為には色々な条件が必要です。

特にやり直しの感染根管治療などは歯の中の細菌をゼロにしている訳ではありません(´・д・`)ノ
(ゼロを目的に治療されておられる先生もおられますが、個人的にはゼロは無理かと・・・)

根管治療、特に「感染根管治療」は、
歯の中の細菌を可能な限り減らすと同時に、細菌が悪さが出来ないような環境を作る治療です。
結果として細菌が減り、悪さが出来なくなり病変が治ってくるという治療なのです((φ(・д・。)


例えると、
ほら穴に入ったクマの入口に大きな岩を置いて穴から外にクマが出れないようにしてしまう

このようなイメージなのです。
岩を置いて出れなくしても、ほら穴(歯)の中にはクマ(細菌)はいます。

ですが、ほら穴の外(歯の外)にクマ(細菌)が出れなければ人に危害は加わりません((φ(・д・。)
(細菌には一生冬眠してもらいます)

ほら穴の中にコンクリートを流し込んでクマが動けないようにしてしまうのも1つの方法です。
このコンクリートが根管充填のガッタパチャー(ゴム)なのです((φ(・д・。)


また、ほら穴のクマは生きていく為には食料が必要です。ほら穴の中に食料がなければ寝るしかすることはありません。
歯で言うと細菌は歯の中の神経の取り残し(たんぱく質)を餌とします((φ(・д・。)

ですから治療で出来るだけ歯の中のたんぱく質(神経)を取る必要があります。


言わば兵糧攻めです。
三国志で例えると、
曹操が、袁紹軍の兵糧を絶つべく烏巣(うそう)の兵糧庫に攻め入ったようなものです(相変わらず分かりにくい例えですが(≧∇≦))

弱みを見つけ攻めるのは基本的な兵法です。
(有能な軍師がいれば言うことはありませんが)

兵糧がなければ絶対的に数の多い袁紹軍も引かざるを得ません^^
=兵糧が無くなった細菌は歯の外の病変を維持できません ⇒ 病変が無くなってきます(゚ー^*)

どうでも良いことですが、これ『官渡の戦い』です。
この戦いで文醜、関羽にヤラれちゃうんですよね。。。
偽関羽:http://www.eedental.jp/blog/archives/2009_8_10_507.html


だいぶ話がそれたな・・・


ですから、
1.神経をとる治療が不完全だと,必ず膿がたまる?

答え、
病変(膿の袋)が出来る為には色々な条件が整い出来てきます(´-ω-`;)



私が思う治療時のポイント
1、虫歯をきちんと全て取りきる 
2、無菌的な治療(ラバーダム、きちんとした材料での仮蓋)
3、神経の除去(機械的な除去:削る+化学的な洗浄:消毒液で細菌と神経の残りカスを溶かす)
次点、
根の先端まで根管充填(ゴムで空間を埋める)





1問目でここまで書いてしまった・・・

 

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